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これからなくなるもの

パソコンのキーボードは、はっきりいって不自然だ。QWERTみたいな変な並びもおかしいし、こんなにたくさんボタンがあったら慣れてないひとは押せないに決まっている。Shiftを押しながら…とか、Commandを押しながら…とか、かなり難しい。

「これ、そのうち、なくなるんじゃないかな?」

10年くらい前、アスキーに在籍していたときに、同僚とそんな話をした。そのころは懐疑的なひともいたんだけど、いまになってみると、かなり現実的になってきていると思う。文章を書いたり、ものをつくるひとはもうすこし使い続けると思うけど、それ以外のひとにはいらないものになりつつある。

当時、他になくなるだろうと思っていたものに、「ファイルネーム」と「URL」がある。

ファイルネームは、ぼくらの前からだいぶ消えてきた。ファイルネームとかディレクトリというのは、完全にコンピュータの都合で存在している。コンピュータのリソースが少なくて、OSの管理能力がしょぼかったから、人間の管理能力を使っていたのだ。こういうものは、消えるのが当たり前だと思う。

URLも、意識することが減ってきた。Yahoo!にアクセスしたいときには、「ヤフー」と検索するのがもはや普通だ。直接、 http://www.yahoo.co.jp と入力しているのは普通じゃないひとだけだ。スマホを使っていると、ブラウザすら開かずにすべてアプリで済ませるようになってきている。アプリ内は、ファイルもURLも存在しない世界だ。

技術の進化によって、世の中はより「自然なほう」に進んでいくんだなと理解している。習慣とか惰性の力は強いから、そんなに簡単ではないんだけれど、その方向にゆっくりと進んでいくのはまちがいない。

たとえば車のアクセルとブレーキは、ぼくはかなり不自然なユーザーインターフェースだと思っている(反対の機能を同じ動作で実現しているからまちがいやすい)。でもこういうの、ずっと変わらないですからね。ただ、これだってそのうち、Googleがすすめている自動運転でなんとかなりそうだ。

じゃあ自然ってなんなんだよ、って話になりますよね。それは、もうちょっと考えて、またこんど書きたいな。書きます。

6月15日 日曜日

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