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鉄とカレーと人工知能

今週は、関わった本をいくつか紹介します。

1冊目は、『鉄のバイエル』。

9年前、会社員時代に編集した本なんだけど、昨日の夜、Amazonで総合1位になりました。著者の松澤健さんが、「マツコの知らない世界」に登場した効果。やっぱりテレビってすごいね。

電車の発車メロディの楽譜集という変わった本だけど、増刷も続いているそうです。たぶん、楽譜集としては、この10年くらいでもっとも売れた本の1つなんじゃないかな。

この本、企画を出したときは、みんなに「え?」という反応をされた。たしかに、電車の発車メロディの本って、だれがなんの目的で買うのか、さっぱりわからない。ぼくも困って「飲み会とかでひいたらウケるじゃないですか」と、ひどい説明をした記憶がある。飲み会でピアノ、ひかないよね。

当時ぼくは、年に10冊の本をつくるとして、7冊はベストセラーをねらえる企画、2冊はそれなりの部数の良質な本、そして、最後の1冊は実験的な企画、というポートフォリオを考えて仕事をしていた。

「実験本」の目的はさまざまで、その分野について自分が勉強したい本、社会的な意義を感じられる本、あとはなんとなくおもしろそうな本、という感じでつくっていた。この本は、その最後の「なんとなくおもしろそう」枠だ。

とはいえ、こういう本こそ本気で手間をかけて編集しているもので、想定や造本などもすごく凝っている(たとえばタイトル文字色は、都内のJRの電車の色になってる)。

中面の写真は、当時はてなで活躍していた平民金子さんに撮影をおねがいした。楽譜集の挿絵的な写真なのに、なぜか叙情感があるおもしろい写真なのはかれのおかげだ(作家性がありすぎて残念ながらボツになった写真は金子さんがブログにアップしている)。

2冊目。前にもお知らせした、水野 仁輔さんのカレーの本がもうすぐ発売されます。cakesでの連載をまとめたもので、ほんとうにめちゃくちゃおいしいのでぜひ。

いちばんおいしい家カレーをつくる

水野さんは5月30日(火)のイベント「cakes note night」にも来てくれて、カレーもふるまってくれます。前売り券は売り切れですが、当日券もすこしはあると思うので、よければぜひ。

3冊目。

先日、佐藤天彦名人に2連勝した将棋ソフトPonanzaの作者・山本一成さんの本が出ました(cakes連載はここ)。

人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?

山本さん、こないだ情熱大陸にも出てましたが、やっぱり売れていて、増刷もかかったそうです。将棋や人工知能にくわしくなくてもわかるように、すごくていねいに書かれています。人工知能が普及すると、世の中になにがおこるのかを考えるための、いいきっかけになる本だと思います。

山本さんとは、5月31日(水)に二子玉のツタヤで開催されるこのトークイベントで対談予定です。こちらもご興味があれば。

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