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『かくかくしかじか』

週末は好きなコンテンツを何か紹介するようにしています。今回は最新の第4巻が出たばかりのこちらを。ぼくがいま、いちばん好きなマンガです

『かくかくしかじか』

東村アキコさんの自伝で、宮崎県で夢見がちな女子高生だった時代から、売れっ子マンガ家である現在までをつなぐストーリーが描かれています。笑ったり泣いたり、うわーっと叫びたくなったりする、ものすごい作品だと思います。

なんというか、若いときって、だいたいみんなバカじゃないですか。自分のことばっかり考えているし、他人のやさしさとかがわからないし、でも根拠のない自信というか、自意識だけは肥大している。だれもが持っている、そういうダメな部分を、主人公の明子さんが代表してくれています。

そして、明子が通う絵画教室の日高先生が、圧倒的すぎるキャラクターなのです。いつも怒っているし、本当のことしか言わないし、でも人に対しては常に真剣で、ド直球。ひとは大人になると、しがらみがどんどん増えていくもので、「本当のこと」の割合が減っていきます。でも、日高先生の周りにはウソがひとつもない。まぶしいです。

現在の作者(東村アキコさん)も随時、登場します。若くてダメな明子と、大人でしがらみも多いけどいろんなことがわかるようになったアキコ。この2人がそろうことで、読者の過去と現在をぜんぶ代表してくれています。だからこの作品は、読者はだれもが日高先生と対話することになるわけです。

内容については、継続中の作品だからいまはまだ触れません。マスターピースになることが約束されている作品でしょう。いまはただ、完結までを静かに見ていたいです。

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