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自分が「まずやってみる」だけの施策を止める、たった1つの理由

皆さんは、「会社で初めて走る」記念すべきプロジェクトなどに、ジョインされた(もしくは発足した)ことはありますか?
会社の社運をかけた未開の境地。そこを切り開くメンバーに選ばれるのは、大変名誉なことですよね。
それはきっと、皆さんの評価のなせる業でしょう。

ただ、自分は、そんなとき、
「まずは先駆者としてやってみよう!」だけしか見えない施策は、
絶対、一度止めるよう忠告することにしています。

それは、一体何故なのか、
今日はそのことについて少し触れてみようと思います。

【結論】
狙わない弾は当たらない
標的なき努力は、往々にして「空撃ち」に終わる

施策をいち早く展開し、
どこよりも速く知見を溜め、
次のアクションに活かす──。

この文面だけみると、如何にも情報戦の世の中らしい、先手必勝の図に見えます。

でもそれは、展開した施策が「知見を産めば」の話。

もしも、展開する施策の肝になるものが、
ロードマップの立っていない「速さ」と「手数」だった場合。
トライした結果がエラー(失敗)だった際、
得られるものがなくなってしまうことが多いのです。

撃ちだした弾が外れた時、ズレた距離が見えたなら幸運ですが、
空を切ったのでは、補正の余地もありません。

『いやいや、取り敢えず結果を作れば、知見は追ってできる』
という考え方もありますが、
そこには次項で『待った』をかけさせて頂きたいと思います。

「気づき」は、「新たな発見」に他ならない
計画なしに得られる前提は、確証のない「賭け」

施策を打つ前に考えつかなかったアイディアや考察が、
施策を打った後に閃くかどうかは、全て「気づき」にかかっています。

しかし、この「気づき」という奴が曲者でして、
今まで意識しなかった物に気づくには、よほど明瞭に見えない限り、
「物の見方」そのものを、「新たに発見」しなければいけないのです。

それは、感覚的な気づきにせよ、ロジカルな基準の発見にせよ、
決して容易なことではありません。
それは、新たな観点を得る「進化」に他ならないからです。

始める前に予想もしてなかった何かを、
ただ走らせただけで得られると考えるのは、危険な賭けです。

社運をかけたプロジェクトの成否が、
「運」で左右されるとするのを良しとしないのであれば、
絶対に賭けでは終わらせないべきでしょう。

結果を得るためにやるべき「生きた初手」

賭けで終わらさず、結果を得たい。
そのためにも、やると決めたら次は狙いを定めます。

・こう動けば、こういった理由でこうなるはずだ
・もしうまくいかなかった時、
 残りの手は、この範囲を検証できるものにしよう

ベース案に、成功に向けた設計軸を入れつつも、
外れた時の次案や並走案で得られる情報に差をつけ、
少しでも「変化や差を感じやすい」構造で全体戦略を立てます。

何を何案作るかよりも、その案にどのような差があるかが重要です。
このバリエーションを、「速度」と「数」で展開するのです。

はじめに、徹底的な速度展開を覚悟できた人であれば、
必ず、同じ熱量でこの展開も考え、数を作ることができます。

これは、広告をはじめとした、デザイン検証などにも当てはまります。
大事なのは掲載上の単純本数ではなく、
検証結果を得られるバリエーションの展開、
生きた手数」なのです。

そして、全てを出し切ったとき、
本当の「気づき」は訪れる

ちょっと宗教っぽい見出しですが、
「考えて出し切った」あと、
その結果に対して考察し、それ以上のものを得たとき、
それは間違いなく、施策前には得られなかった「気づき」であり、
プロジェクトのメンバーが、
勢いだけではない、「思考と実行力で勝ち取った進化」です。

ただ失敗するだけでは、時間を棒に振ることになりかねません。
しかし、失敗で何かが見え始めるなら、それは前進です。

狙い、結果を経て、二の矢で止めを刺す。
そんな、生きた一手を打てるよう、
ぜひ研ぎ澄ました初動を意識してみてください。
(目下、自分も精進中です…!)

最後に──

最後に、
自分に影響を与えてくれた漫画から二つ、
掲題に沿って、素敵だと思った言葉を引用したいと思います。

本気でやった場合に限るよ。
本気の失敗には価値がある。

漫画「宇宙兄弟」より
ボクシングにラッキーパンチはない。
結果的に偶然当たったパンチにせよ、
それは、練習で何百何千と振った拳だ。
その拳は生きているのだ。
試合を投げて適当に振ったパンチなど、決して当たらん。
当たったとしても、死んだ拳では人は倒せん。
漫画「はじめの一歩」より

いかがだったでしょうか?
少しでも皆さんの胸に残る言葉があれば、幸いです。

最後までお目通し頂き、ありがとうございました!

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