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映画オッペンハイマーを見てきた

こんにちはSADです。

最近クリストファーノーラン監督の
映画オッペンハイマーを見てきたので
ここに感想を書いていきたいと思います


作品概要

本作は 原子爆弾の父と言われている人物 ロバートオッペンハイマーをテーマにした伝記映画です。

アメリカでは2023年に公開しておりましたが長い間 日本での公開が未確定でした

ですがようやく 公開日が決まり
日本でも2024年3月29日に公開する
ことになった作品です

作品総評

まず私が見て思ったのは
個人的に非常に満足感の高い3時間
であったということです

キリアン・マーフィー
ロバート・ダウニーJr

ジョシュ・ハートネット
ケネス・ブラナー

などの有名俳優たちの演技と飽き
させない編集、映像を盛り上げる
音楽に惹きつけられてしまい

時間を忘れてしまう映画体験でした

また実験が下手クソの落ちこぼれ気味
の青年がやがて 

アメリカ国家の威信をかけたような
プロジェクトのリーダーになっていく
過程は

1つの作品として高揚感があり
歴史的な瞬間を目撃しているという
感覚に陥りました

そして
原子爆弾が完成、投下された後の
オッペンハイマー 自身の葛藤や 

没落して憔悴してゆくキリアン・
マーフィーの熱演で最後まで飽きず
に見ることができました

ただ 作品のテーマが非常に センシティブなものであるため

他の作品と違い

ただ手放しに傑作と褒めることも
できないという

日本に生まれた物としてはなかなか
複雑な作品でもあると感じます


鑑賞する前に

本作は3時間と長尺 映画であり

作品を見た人は良くわからなかった

 半分くらい寝たという感想もよく
見ますが

私は本作を見る前に かなり 予習を
してから見たので 

かろうじて 理解できたものの

確かにこれを初めて見る人は非常に
分かりづらいと感じるのは当然と
思います

なので まず これから
視聴を考えてる人は時間があるなら 

児童書でも何でもいいので オッペン
ハイマーの 生涯をざっくりと頭に入れ
ておくことをおすすめします

また作中には多くの登場人物が出てきますが

個人的には
ルイス・ストロース
ニールス・ボーア
ヴェルナー・ハイゼンベルク
アーネスト・ローレンス
アルベルト・アインシュタイン
レズリー ・グローブス
エドワード・テラー
エンリコ・フェルミ
クラウス・フックス
デヴット・L・ヒル
ハリー・S・トルーマン
などの人物は事前に 下調べをして
おく方がいいような気がします

また
マンハッタン計画
ロスアラモス研究所
トリニティ実験
赤狩り
核分裂
爆縮レンズ
第二次世界大戦
ウラン
プルトニウム
共産主義者
東西冷戦

などのワードもなんとなく理解して
いれば 映画の理解に役立つと思います

豪華なキャスト

本作はキャスティングがかなり豪華な
映画でもあります

前述した通り 

キリアンマーフィー
ロバートダウニーJr
ジョシュハートネット
ケネスブラナー
エミリーブラント
フローレンスピュー
ラミマレック
マットデイモン
ゲイリーオールドマン

これは映画を結構見てる人には非常に
ありがたいことであり

見る人が実際の物理学者の知識はなく
ても

あーなんとなくケネスブラナーは
すごい人 なのね

ロバートダウ二ーJr は悪役っぽい
ポジション なのね

マットデイモンはマンハッタン計画で
偉い立場にいる軍人さんなのね

と整理してみることができます

またどの役者 人も個性的で実力が
あるので

彼らの演技を見ているだけでも時間
があっという間に過ぎてしまいます

特に アカデミー賞 助演男優賞を取った ロバートは本当に良かった

自分はアイアンマン ではなく
デヴィッドフィンチャー
ゾディアック (2007)での彼の演技が
印象的なのですが

鋼鉄 スーツに身を包んだ男ではなく

何のスーパーパワーもないただの
初老の男を説得力のあるキャラクター
として演じる彼を見れるのは とても
嬉しいことでした。

また出演時間は短いのですが
アルベルトアインシュタインを演じた 

トムコンティも非常に良かった

彼は戦場のメリークリスマス (1983)
でのローレンスが印象的ですが

今回はユーモアを交えたアルベルト
の演技の中に

彼にしか見えていないような 

これから起こるであろう未来を
見据えた様な悲しげな目が印象的
でした

また主演の キリアンマーフィーも
クリストファーノーラン監督作品では
バットマントリロジーダンケルク
インセプションで起用され

ダニーボイル監督の 28日後…などで
の主演経験はあるものの

個人的にはそこまで 大スター俳優と
いう印象ではなかったのですが

優秀な頭脳を持ち カリスマ性があり
人を導く 才能がありながら

悪魔の兵器を産み出してしまい苦悩し
後悔する

 彼の演技力には非常に感心しました

責任は一体誰にあるのか

本作を見て思ったのは

果たして オッペンハイマーがいなければ 原爆は開発できなかったのか?ということです

私自身はそんなことはなく 


仮にオッペンハイマーが原爆を開発
しなくても他の誰かが原爆を開発して
いたと思います

そして一番最初に原爆を作った国が
どこかの国に原爆を投下したかもし
れません

ネットでの感想では原爆を落とされた
国としては オッペンハイマーを血も涙
もないような人間として描いて欲しか
ったという意見を見たことがありますが

果たしてそれでいいのでしょうか?

 人々に憎悪を焚き付けて憎しみの連鎖
を繰り返すことはいいことなのでしょうか?

また 作中の大統領の言葉に原爆を制作
した人が恨まれると思うか?

恨まれるべきはこの私だと大統領は言っていたように

開発者はそこまで罪を背負わなくてはいけない存在なのだろうか?

と個人的には思います

ハリーSトルーマン

映画の中で ほんのわずかしか出てこない人物ですがハリー ・S・トルーマンという人物が出てきます

この人は最終的に 広島長崎の原爆投下を
指示した人物で

彼は生涯、原爆を投下したことには
謝罪も後悔もしていないという姿勢を
貫いており
(参考資料 歴史を翻弄した 黒偉人)

個人的にはこちらの人物の方がなかなかの曲者のように思われます

原爆の理解について

本作は非常に評価が分かれる作品であり
原爆の被害が甘く 描かれていると憤慨している声もよく聞きます

しかしこれは子供の頃受けていた
原爆教育による

 原爆 への理解度によってかなり反応が
違うのではないかということです

もちろん 広島、長崎の方々は幼少の頃から原爆の悲惨さ 恐ろしさを嫌というほど叩き込まれていると思いますが

それはこのちっぽけな 日本という国
でさえ

他の県や個人の間では原爆への理解度
にかなり大きな差があると感じました

実際 自分も幼少の頃から原爆の被害の
映像 被爆者の証言 などは聞いておりますが

かなり昔のことなので記憶が曖昧な部分も多く

また大人になって日々仕事や生活のことを考えなきゃいけない時に

わざわざ自ら進んで 陰鬱な情報を入手
するというのも 非常に疲れる作業では
あります

アメリカ映画では核兵器というのはしばしば 

ちょっと威力の大きい爆弾くらいの
評価をされている印象を受けますが

それは世界で唯一の被爆国 日本でさえ
各個人の原爆の理解度というのは違うのではないかと感じました

これからの核兵器について

私、個人的な考えからすると

 核による抑止力というものは 現状
あったとしても 核兵器は無いなら無い
に越したことはない
という見解です

それでは どうするかというと

できる事といえば地道に粛々と 

ただ 核軍縮を進めていくしかないの
ではないかと思います

いくら 原爆の恐怖 や惨状を訴えよう
としても 世の中には共感能力がない人
や人の感情が分からない人が一定数い
ます

そういった人たちに実際に原爆の被害
にあった人のことを考えろというのは
労力の無駄というものです

しかしそういった人たちにどうやったら核軍縮を納得してもらうかは 

今現在では 私の頭では良い方法が
思いつきませんが…

注目すべきことは
今、我々は核兵器がある世界に
生きているということで

そして核兵器が地球を滅ぼしてしまう
ほどの力があるとすれば

憎悪、恐怖、 怒りで人の感情を
コントロールするのではなく

何か、それこそ機械的に システム的に
核兵器をなくしていくような方法を
探していくのがいいのではないで
しょうか

オッペンハイマーが見た未来

作中、原子爆弾を製作する時に
オッペンハイマーはある仮説を
アインシュタインに相談します

それは原子爆弾で核分裂 連鎖反応
が起きて莫大なエネルギーが生まれ
た後に

その連鎖反応が大気圏に引火して世界
を破壊してしまうのではないか
という
仮説です

この仮説は最終的にそうはならなか
ったのですが

これは
ある意味では現在の未来を予測
していた事になると思います

原子爆弾の発明から第二次世界大戦
が終わり

世界は東西冷戦 へと続いていきます

そして ソ連とアメリカは 競うように
核兵器保有数を増やしていきます

現在はアメリカ イギリス フランス
中国 ロシア 以外にも核を保有した
がってる国が出てきています

結果的に核兵器が世界全体に広がって
もいるんですね

映画のラストにオッペンハイマーが
神妙な顔つきをして幕を閉じるのは

このような結果をもたらすことを
オッペンハイマーは多少ながら
予想していたのかもしれません


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