俺の敵はだいたい俺です

 コルクでは、クリエイターグループ会議というものを毎週開いている。

 若手社員と一緒に1冊の創作教本を数ヶ月かけて読み、どうすると物語が面白くなるか、議論する。目的は社内の共通言語を作っていくこと。今は『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』を教本にしている。その会議に参加していると、自分の心を形作った作品に改めて触れたくなり、高校、大学時代に読んだ本や観た映画に再帰している。

 それで、ウディ・アレンの『地球は女で回っている』を観直した。大学時代にみて、すごく感動し、それをきっかけにウディ・アレンの作品は過去にもさかのぼってかなり観た。

 ウディ・アレン本人が主演として、中年作家を演じている。自分のプライベートをさらけだす方法で小説を書いているため、元妻や不倫相手から怒りを買い、追い詰められていく。主人公の作家の作品と現実が同時並行で描かれていたのだけれども、その二つの世界が融合して、自分の生み出した登場人物たちと小説家が出会い・・・・・・という話だ。

 ネタバレをしてしまうと、追い詰められた作家は、登場人物と出会うことで、救われる。その救われる様子を見て、大学生の僕は感動した。

 編集者となった今、改めて観て、登場人物に作家が救われるというストーリーは、すごくリアルだと感じた。「作家は物語を書きながら、自分自身を救っている」という言葉がよく言われるけど、「キャラクターを生み出しながら、そのキャラクターに救われている」のほうが正確だろう。

 安野モヨコは、20代の自分が読んだら「よし、明日も仕事頑張ろう」という気持ちになるようにと考えながら、『働きマン』を描いていた。

 大量の原稿を描けなくなっても『オチビサン』を続けていて、オチビサンに安野さんが癒されていることは、このインタビューからも伝わってくる。

 来年以降、仕事を増やしていこうという相談を安野さんとしているのだけど、そう言う時に安野さんの心にパワーを与えるのは、松方弘子なのではないかという気が僕はしている。

 『宇宙兄弟』の中で、ムッタが「俺の敵はだいたい俺です」というシーンがある。小山さんも、ムッタに、このセリフに救われているときがたくさんあるように思う。映像化などメディアミックスは商業的にはいいことが多いのだが、創作面でいうと必ずしもプラスだけではない。そのような時に、小山さんは、この言葉を噛みしめて、負の力に負けることなく、前を向いているのだと思う。 

 僕もベンチャーの経営を始めてから、サラリーマン時代には出会わなかったようなトラブルに直面することが多々ある。その時に、何度も心の中でこのセリフがこだましている。

「俺の敵はだいたい俺です」

そして、僕は自分を乗り越えることで、前に進もうと決意する。

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コルク佐渡島、note加藤のコンテンツ会議

コルク代表・佐渡島庸平、noteやcakesの運営会社ピースオブケイクの代表・加藤貞顕が、その週にふれたコンテンツについて書いていきます。毎週水曜日更新(予定)!
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