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日本のミュージカルのこれからのこと

昨日、Bunkamuraオーチャードホールで開催された「IMY旗揚げコンサート~まだ色々曖昧なトリオの明確な門出~」を観に行ってきました!

IMYというのは、日本のミュージカル界・演劇界で活躍する山崎育三郎さん、尾上松也さん、城田優さんの3人から成るユニット。近い世代で公私ともに親交の深いこの3人が、「新しいエンターテインメントを作りたい」という野望を持って結成されたユニットです。その旗揚げ公演、ということで噂を聞きつけ、演劇・ミュージカルが好きな者としては是非観に行きたい!と思ってチケットを頑張ってゲットし、行ったのであります。

「新しいエンターテインメント」って何だろう?という疑問を持ちながら参加したわけですが、その全貌は今回は明らかにはなりませんでした。どちらかというと、本当に「門出」を、演劇・ミュージカルファンの多くのお客様と共に祝うという感じ。そして、その「新しいエンターテインメント」を作るうえでの3人のポテンシャルを見せつけられるような。そんな時間でした。

ちょっとしたコメディの要素を含んだ小芝居を少しと、コンサート、という構成でした。特筆すべきはその歌声。本当に三者三様で。山崎育三郎さんはとにかく奥行きがあり、空気感そのものをその歌声で作り上げてしまう方。尾上松也さんは、良い意味で荒く、とても力強くポップな印象。城田優さんは、細くて綺麗なガラスのような歌声で、とってもロマンチックでのびやか。「声」という目に見えないものを言葉で表現するのはとっても難しいけれど、私の今の持ちうる表現力・語彙力で表現したならば、そんな感じ。笑 個人的には、山崎育三郎さんの声がとても好きなんですよね。歌声はもちろん、話すときの声も。そして、もっとマニアックなことを言うと、日本語の発音が好きです。さしすせそ、たちつてとの音の出し方がすごく特徴的で(少なくとも私にはそう聴こえる笑)、包容力のある音がするのです。他にはない、楽器のような。

そんなコンサートだったわけですが、こうしたユニットを組むことになった経緯や今後の展望についてもたくさんお話してくださいました。

とても印象的だったのが、山崎育三郎さんのお話。幼いころに、オリジナルミュージカルで俳優デビューをしたということ。そして、その後韓国の俳優さんたちと韓国で一緒にミュージカルを作る機会があったときに、韓国の俳優さんたちが口を揃えて言っていた「韓国のオリジナルのミュージカルを世界に発信したいんだ」という言葉に衝撃を受けたということ。これらの経験から、「日本のオリジナルのミュージカルを作りたい」という気持ちが芽生えた、ということをおっしゃっていました。(韓国のミュージカル、本当に素晴らしいものらしいので、いつか必ず観てみたいんです)

たしかに今日本で興行されているミュージカルは、海外発のものがほとんどで。レ・ミゼラブル、ロミオとジュリエット、ファントム、ハムレット、キンキーブーツ、、、。どれも素晴らしいけれど、「日本のオリジナルのミュージカル」が脚光を浴びたら、と思うとすごくワクワクする。日本人の感性と、日本人の感覚で、歌や言葉にして。日本という国から生まれるもの。それはいわゆる日本っぽいものかもしれないし、意外にそうじゃないかもしれない。どんな風になろうとも、オリジナルである、というところに、これからの業界にとってのものすごい可能性が秘められているなぁと感じました。

新しいことをすること。チャレンジすること。これまで踏襲されてきたもので満足しないこと。枠をとっぱらうこと。個人の夢を追い続けること。そういう空気感が、ビジネスパーソンの世界や社会全体にもあると思うけれど、こうしたエンターテインメントの世界でも目立ってきているなぁ、と、すごく感じた日なのでした。

夢物語のようなことだって、やろうと思えば、案外できちゃうのかもね。そんな綿菓子のように軽くて、ワクワクした感情を、お土産にいただきました。

いまあるどんな業界も、どんどん新しくなっていくのかも。楽しみだなぁ。そのときは傍観者ではなく、どこかの一員になっていたいです。今もそうだけど。

※トップ画像は、IMY公式ホームページからお借りしました。

Sae

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