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春、ヒール、アメリカンドッグ

昨日の夜から、もう溢れかえっていた。身体と心で強く感じた。
今朝起きても、その容量オーバーは変わっていなかった。から、
とりあえず、今日は何も頑張らないことに決めた。

Netflixでも観漁ろうと思ったけれど、(よくできているものであればあるほど)作品の内容に感情移入するタイプなので、どれを観るかを選ぶのが面倒になってしまって、パソコンを閉じた。
結局、HDDにたまっていたアメトーーク!を2本観た。くだらなくて、面白かった。

ふと窓をみたら、とても天気がよさそうだったので、私の脳内ToDoに入っている中で一番ハードルの低いものを選び出し、外出した。風疹の抗体検査。ずっと気になっていたので、こういうやる気の出ない日に済ませよう、と思った。(病院に行くことや血液検査なんかは、何故か私の中では全く抵抗やストレスがない。)

スニーカーで行こうと思ったけれど、靴下を履くのと靴紐を結ぶのが面倒で、一番近くにしまってあったヒールのパンプスに足を入れた。パンプスって、歩くのは疲れるのに、履くのはとても簡単なのが、なんだか面白い。

久しぶりにヒールの靴を履いたので、なんだか勝手に年相応(アラサー)の良いオンナの気分になりながら、病院に向かった。
めちゃくちゃ痩せているわけでもないが、すごく太っているわけでもない体型なので、脚だけみたらなんだかイケてて笑った。結局、ヒールって、めちゃくちゃ盛れるのだ。標準体型の人は特に。

無事に血をとって、帰り道に少し回り道したくなったので、ぷらぷらとお散歩をした。めちゃくちゃ気持ちが良かった。晴れやかになってきた。

コンビニで、最近ツイッターで美味しいと話題になっていたアイスと飲み物を買った。そして、小腹がすいていたので、アメリカンドッグを1本。

大学生ぶりくらいに食べたアメリカンドッグはなんだかめちゃくちゃ懐かしかった。泣ける―。と思った。なんでかわかんないけど。

やる気のない服に、なぜかヒールを履いて、アメリカンドッグを食べる平日午後のアラサー女子。なんだか可笑しくて、自分でも笑えた。しかも腕には、血液検査したあとのちっちゃいシール付き。やばいヤツじゃん。笑

帰宅してテレビをみたら、電源つけっぱだったHDDの画面に、たくさんのサムネイルが並んでいた。なんか、いらないやつばっかりだなぁ、と思って、次から次へと消していった。有難いことに、私の部屋にあるHDDは録画番組を一つずつしか消せないので、ひとつひとつ選んで消して、選んで消して、を繰り返さないといけない。その面倒さがやけに気持ちよかった。
選んで、消して。選んで、消して。選んで、消して。

残時間が100時間を超えた。たくさん消したなー、と思いながら、なんだか清々しかった。要らないものばかりだった。

アウトプットをするようになってから自然と頭がインプットをするようになった。それはとてもいいことだった。
でもそれは次第に「インプットしなければ」という焦りも生み出していく。何が目的だったのか、見失いそうになる。

結局、心から「欲しい」と思うインプットしか、自分の中には残らない。要らないもので、容量オーバーになる。さっきまでのHDDのように。

気持ちのいい春の空気と、可笑しなヒールと、懐かしいアメリカンドッグが、自分に溜まった要らないものを少し消してくれた気がした。

夜は、串カツ食べるんだー。へっへっへ。

Sae

「誰しもが生きやすい社会」をテーマに、論文を書きたいと思っています。いただいたサポートは、論文を書くための書籍購入費及び学費に使います:)必ず社会に還元します。