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「仕事」ってかっこいい

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だいたい書いたなぁと思いながら、いつも私の目にとまるのは右の黄色い箱「#私の仕事」。これはとても単純なことで、私は今休職中で、仕事をしていないから。


仕事をしなくなって、「仕事ってかっこいいな」と思うようになった。

仕事をしてる人、みんなかっこいいよ。今はピュアに思う。(この「仕事」には、条件はない。給料がいくらだろうと(無償労働であろうと)、雇用形態がなんであろうと。これが私の「仕事」だと思っているものは、全部「仕事」だと思う)



最近、我が家のお風呂に工事が必要になり、職人さんが何日か我が家で仕事をしてくださっていた。

私の部屋はお風呂場の目の前なもんだから、工事の音やら職人さんたち(2人くらい)の話し声が全部筒抜けだった。


最初は、工事の音がうるさいな、と思っていたのだけれど、そんな感想はすぐにどっかへ消え去り、私は職人さんたちの仕事っぷりに感心させられるばかりだった。

2人で作業しているのに、作業以外の話を一切しない。ここのサイズがあぁだとか、この部品がどうだとか、このペースだと何時までとか、ここ急ぐぞとか、ここ気をつけろとか、そういう話しか交わしていない。「疲れた」「キツい」も一言も聞こえなかった。

スマホで、アラームをつけている。目安となる作業時間が終わったら、鳴るように設定していたのだと思う。細かく刻んだタイムキープをしている。

お昼の時間になっても作業を続けているから、「お昼行かれないんですか?」と聞くと、「今日山場なんで、お昼は大丈夫です、このまま続けます」と笑顔で答える。

恐らく本部にいると思われる人に、逐一丁寧に電話報告を入れている。

「はぁ、はぁ」という、力仕事をしている人独特の息切れが聞こえる。

わからないことを聞くと、とても丁寧に教えてくれる。ここをこう直してます、とか、ここはこうなる予定なんですよ、とか。

一日の作業が終わると、一切のホコリも残さず、綺麗に後片付けをして帰ってゆく。翌日も、作業はある。



文章に書くと、当たり前のように聞こえてしまうだろうか。

いや、当たり前じゃない。これは、当たり前じゃない。


「業者の人」「掃除のおばさん」などという言葉を、どれだけこれまで発してきただろうか、と思う。色々なスキルを一緒くたにし、それぞれがその仕事の「プロ」であることを、どこか軽視した表現だったように思う。

工事が終わり、職人さんが来なくなった時、私は無性に寂しくなった。終わって欲しくなかった。「さみしいなぁさみしいなぁ」とずっと思ってしまった。感謝を伝えたくて、そのこだわりを聞きたくて、お疲れ様の宴席を設けたくなるほどだった。きっと、「職人さんが来ない」ことではなくて、その真摯な仕事っぷりを目の当たりにできなくなる寂しさだったんだと思う。一生懸命に仕事をしている人の輝きは、他に代え難いものがある。


本業を持つって、すごいカッコいいことだ。私には、キラキラして見える。

今、私が仕事をしていないからだろうか?それだけなのかな。もしかしたら、「仕事」っていうもの、そのものの価値を再確認したからなのかもしれない。皮肉にも、つい数ヶ月前までの自分は、仕事をしている自分を「カッコいい」と思えたことは一度もなかった。というか自分は、カッコいいと思える仕事っぷりをしていなかった。頑張ってはいたけれど、必死だったけれど、その方向性は違った。誇りなんてなかった。


noteを書いていると、自然とものを書く人と出会うことが多い。けれど、ライターを本職とする人もいつつも、多くの人が「書くこと」以外の仕事を持っている。

会社員として「書くこと」とはつながりのない仕事をしていたり、飲食店だったり、主婦業だったり、販売業だったり、デザイナーだったり、色々だ。

そういう人たちの、「仕事」の話を聞くと、至極キュンとする。感動する。かっこいいなぁと思う。(実は私は、育児に関するnoteも同じような感動で読んでいたりする。「母」という仕事のすごさを感じながら。)

エッセイを書いていたマリナさんが突然「孤独死防止アプリ」を作り出した時なんか、カッコよすぎて震えた。マリナさん、アプリ作れるんですか、って。(インセプションデッキって何・・・)


自分の確固たるモチベーションがあるにしろないにしろ。お金のための食いぶちだとしても。お給料が安かろうと高かろうと。

仕事と向き合っている人は、カッコいい。かっこいいよぉ・・・!!!


これは、日々「仕事」をする皆さんへの、勝手なエールです。
私は、自分を「まぁまぁかっこいいやん、やるやん」と思える仕事の仕方を、本業を、自分のペースで探ります。いつか近い将来、「私の仕事」なんて語れる日が来たらいいなぁ。仕事がしたいよ。

Sae

「誰しもが生きやすい社会」をテーマに、論文を書きたいと思っています。いただいたサポートは、論文を書くための書籍購入費及び学費に使います:)必ず社会に還元します。