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"「あたりまえ」を問い直す"

今日は少し時間がないので、今私が現在進行形で読んでいる本の紹介をひとつ!
本当は全部読んでからしっかり感想を書きたかったのですが、トピックに溢れそうなので、他にもあったらまた書きますね。

こちら!
「大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる」著:出口剛司

この本、タイトルの通り本当に「ざっと」社会学の全体像を講義形式で書いてくれています。私はこれまで社会学を勉強したことがなかったのですが、これまでの人生で強くは意識はしなくとも「あれ?なんでそうなの?」と思っていたちょっとした世の中の不思議や違和感を明確にしたくて読み始めた本です。帯に書いてある通り「あたりまえ」だと思っていた現代の価値観とか、家族や会社組織の在り方とか、そういうものが本当は「あたりまえ」じゃなくてとても流動的なものなんだ、というのがすごく易しく書かれていて、面白いのです。

私が興味深いなぁと思ったトピックをひとつ。まだ半分くらいしか読めていないのですが・・・(読書は好きなのですが、読むのが本当に遅いのです。。。何冊も並行して読んでしまうし。とほほ)

かつては、「子どもが大切にされない社会」があった、という話。

「一般的に子どもは、大人であれば負うべき責任から免除され、特別な配慮と愛情が必要とされる対象と見なされています。・・(略)・・しかしフランスの歴史家フィリップ・アリエスによると、こうした子ども中心の家族のカタチは、人類がもともと備えていた特徴ではなく、17世紀から19世紀に形成された歴史的な社会現象だったというのです。17世紀以前の社会では、子どもは小さな大人と見なされ、普通の大人たちと共に労働に従事していました。また乳幼児の死亡率が高い時代では、母親も子どもに対して相対的に無関心でした。ところが・・・(略)・・・18世紀には学校制度の中で大切に教育されるようになります。・・・(略)・・・子供を慈しむ母親の感情や態度を「女性に備わる特殊な本能」とする母性という見方も広がりました。・・・」(同著抜粋)

今はすっかり、ここでいう現代の価値観に染まっていてなんとも思わなくなってしまったのですが、以前「どうして子どもがこんなに過剰に大切にされているのか?」と思うことがありました。

例えば、何か痛ましい事件が起こったとき。これは本当に例えばですが、子どもが交通事故にあって怪我をしてしまった場合と、30代とかの大人が交通事故にあって怪我をしてしまった場合だと、なんとなく世間の中で「あんなに小さな子どもが轢かれてしまって、可哀想」という空気の方が強いような感じがしました。たとえ自分とは何の関係のない子どもであっても、です。どうして大人たち(というか、私が感じたのは、報道の仕方、のような気もしますが)は、子どもに関する事件の方がより「痛ましい」と感じるのだろうか?と。ほぼ大人になっていた私は、「子どものときの痛みってあんまり自覚することが少ない。大人になったら忘れてしまうこともある。大人になってから事故にあったり怪我をしたりした方が、経済的な心配もしないといけないし、余程痛くて辛くてしんどいだろうになぁ」とか、思っていました。(私だけなのでは、と不安になってきましたが続けます・・・)

あと、テレビ等のメディアでこうした子どもが関わる事件を取り上げるとき、被害者を「●●ちゃん」「●●くん」と呼ぶことにも、違和感を感じていました。大人は全部「●●さん」とかなのに、なんで子どもだけそういう「愛称」のような形で呼ぶのだろう、とか。(きっと何かしらの決まりがあるんだろうけど)

(もちろん、虐待など、力を持たない子どもに対する犯罪が悪質なのは、本当にそう思います。これは子どもに限らず、ですが、無抵抗な者・弱き者に対する犯罪は特別に悪質だと感じますし、毎度胸が痛くなります)

そうした「子ども」に対するある種の特別扱いについて少なからず違和感を持っていた私にとっては、そういう価値観もとても流動的であって、歴史とともに変化していくものなのだ、ということがとても興味深かったのです。

私自身は子どもを持ったことがありませんが、友人の子どもをみて、たまらなく可愛いなぁと思う気持ちや、いわゆる「母性」というものは、自分の内側に存在している気がしています。お世話をしてあげたい、と思う気持ちとか。子どもって、無限大の未来が光り輝いていて、まぶしい存在だなぁと思うこととか。でもそれも、社会の価値観によって「作られた」ものなのか?女性として生まれ持って備わったものではないのか?
なんだか、色々なものが不思議に感じてきますよね。きっと答えがないし、色んな考え方があるものだと思うのですが、それがまた面白い。

これはほんの一部で、様々な視点から"「あたりまえ」を問い直す"ことができる本です。ご興味ある方はぜひ~!

Sae

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