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人のライフスタイルを知る、ということ

先日、LINAさんが開催するイベントに行ってきました。
LINAさんは俳優の城田優さんの妹で、veganのライフスタイルを積極的に提案している発信者(ちゃんとした肩書きみたいなものがわからないので、違ったらごめんなさい)。とても若いのに、インスタグラムを中心に、vegan料理のレシピや健康に関する情報、考え方を多数発信しているのです。

以前からインスタグラムを追いかけていて、今回veganライフスタイルに関するトーク&ディナーイベントがある、という情報を仕入れたので、行ってきました。

veganというのは、いわゆる「絶対菜食主義」といわれる生活様式のこと。お肉、お魚、乳製品は一切摂取しない。主に野菜や豆類、果物などで食事を摂り、食生活に限らず、例えば化粧品とかでも動物実験を行っていないものを使う、とか、環境におけるサステナビリティ(持続可能性)を考慮した生活を送るよう。本当は人によって細かく主義・主張やスタイルが異なっているみたいなので、一括りにはできないみたい。

私自身は全くveganではなくて、お肉もお魚も乳製品もばくばく食べるし、とにかく安いものや高級なものを問わず美味しいものを食べるのが大大大好きな食いしん坊なので、veganの食事にトライする、という気持ちも特になかったけれど、参加してみました。ただ単純に、自分とは異なるライフスタイルのことを知ってみたかった、ということと、「ライフスタイル」という形のないもの・考え方を他人と共有することや経験をシェアすることによってどんな感情が生まれるのか、どうしたらシェアできるのか、っていうことを、LINAさんを通じて学んでみたかった、という気持ちがありました。「お肉食べないとかありえなーい!」だけだとそれだけで話が終わってしまうけれど、どういう価値観がもとになっているのか、とか、何がきっかけでveganを取り入れるようになったのか、という経験談、背景知識があれば、多様な価値観を受け入れたり、考えるきっかけになると思ったから。食生活に限らず。

イベント自体は、LINAさん自身のお話をたくさん聞きながら、LINAさんが考案したveganレシピのお食事をいただくというもの。まったくveganではない私にとっては、完全にveganの食事というのは始めは少し抵抗があったけれど、美味しくいただくことができました。飲み物もvegan!私は毎食、お魚かお肉は必ず食べているので、そういったものが全く含まれていないなんて何だか不思議でした。プレートはこちら。とても色鮮やか。

LINAさんのお話はとても興味深いものばかりでした。veganに移行したきっかけは、ティーンエイジャーの頃に患ったうつ病と摂食障害だったそう。いわゆる「ダイエット」をきっかけに、食べることへの抵抗感が強くなり病気になってしまった。食べることができず、体中のパワーがなくなってしまいながら毎日をなんとか生きていたときに、ふとインスタグラムで見たスイートポテトの画像で、数か月ぶりに「おいしそう」という感情を取り戻して、そのアカウントを追いかけていったら、veganライフスタイルの方だったそう。「おいしそう」と感じることができた食生活を真似してみたら健康になれるのかどうか、を、自分の身体で実験してみたかった、とおっしゃっていました。

それから、veganライフスタイルに通ずる地球環境や世界の問題について。畜産業が与える環境へのインパクトとか、プラスチック問題、世界の貧困な食事情、、、いろんな観点から、このライフスタイルを選択している、ということ。

そして、veganライフスタイルを取り入れるときの重要なポイントを話していました。
①なぜveganライフスタイルを始めたいのか、veganとは何なのか、という知識を深めること
②自分で料理にチャレンジすること
③1日に必要なカロリーをしっかりと摂取すること
(veganのお料理はカロリーが低く、何も考えずに続けると自然と不要なダイエットにつながってしまう)
④veganライフスタイルを、難しく考えすぎない(簡単なものからでもトライできる)
⑤どんなときも、なぜveganライフスタイルを選択しているのか、を忘れない
⑥家族、友人、恋人など、大切な人とveganレストランに行ってみる
⑦veganライフスタイルは、(食材が比較的手に入りづらいことから)お金がかかると思われがちだけれど、そうじゃない(不要なものを買わなくなったりするから、自然と生活費は下がっていく)

日本では特にまだまだメジャーじゃない生活様式だからこそ、veganライフスタイルを維持しづらいし、周囲の理解も得にくい。だからこそ、上述の「なぜこの生活を続けたいのか」とか「なぜこの生活を選択しているのかを忘れない」とかっていう意識の持ち方が大事なんだなぁと思いました。

もちろんLINAさんは「veganを始めるときのポイント」として話をしてくださいましたが、ほとんどが、全ての生活に通ずるもので、驚きました。特に休職中である私がいつも感じている「オープンマインドであること」とか「今の自分にフォーカスする」っていうこととの共通点がすごくあるなぁと。なかなか一般的に理解されづらいことでも、なんで自分がそう思うのか、そうしたいのか、を周囲に話せる自分であること、ってすごく大事だし、価値観を受け入れあうには、まずそこが第一ステップかつ最終ステップなんじゃないかなぁと。。

例えば、友人と食事をしていて、veganの人が「私veganだから、お肉、お魚、乳製品が入っているメニューは食べれないの」って伝えることと、パニック障害の治療中の私が「薬との関係で、カフェインの入っている飲み物は飲めないの」って伝えることって、何も差がないような感じがして。そういうことを伝えて友人や周囲の人の理解を得るってすごく重要だし、自分が生きやすい世界を作るためのポイントだなぁと感じました。お互いに、そういう違いを受け入れる度量も必要だし。

病気とかセクシャリティとか人種とかだけじゃなくって、「vegan」という一種のライフスタイルだけでも、生きづらさを感じるときってあるんだ、っていうのも私にとっては新たな発見でした。多様性って、本当に「多様」ですよね。

正直、veganって、私的には、最も「信じられない!」と思うライフスタイルでした。でも、だからこそ、そういう多種多様な価値観を知ることってめちゃくちゃ重要だと思いました。フラットに感じられる人でありたいから。とても、勉強になる時間でした。

LINAさん、自分の言葉で語る力を持っていてすごいなぁと思いました。とっても美しい方でした。ありがとうございました(^O^)

Sae

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