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【女子の兵法2.0 其ノ二】自分の女としての価値を知る

『昔の善く戦う者は、先ず勝つべからざるを為して、以て敵の勝つべきを待つ』(孫子)

(解釈)昔から恋愛上手な人は、まずライバルが弱ったところを見極め、自分が攻めれば勝てるタイミングをはかるのが上手な人です。

これはとある大物ミュージシャンの奥さん、K子さん(34)から聞いたお話。

一般人だったK子さんがその彼と知り合ったのは某音楽関係のイベント。その場でLINE交換し、交際をスタートさせました。
ところが相手は芸能人。どうしたって、他の女たちの影があちこちでつきまといます。

これは悲しい事実ですが、ミュージシャンや役者さんって、行く先々に「港の女」みたいな女性が多いんです。だから彼女になるともう大変。彼がツアーや出張ロケに行くたびに心配で仕方がなくなります。

ある日、たまりかねたK子さんは自分の母親にそのことを相談しました。
すると、

「アンタ、つまんない女になってんじゃないわよ。自分がどんな相手とつきあってると思ってんの? 他の女を気にするより自分のことを磨きなさい」

至言です。こと、こういう相手と付き合う限り、これ以上のてだてはありません。

頭の良いK子さんはその後、恋愛の手管にたけた母親のアドバイスを忠実に守り、その結果、彼優位の状態から形勢を逆転させることに成功しました。

具体的にはまずいったん彼と物理的な距離をとり、ひとり道を歩いたり店に入ったり、ひとり旅に出たりして、行く先々で自分がどんな待遇を受けるかを細かくチェックしたのです。

そこで彼女は「これはいい」と思った待遇や自分の反応は心の中で反芻し、他の分野にもそれが応用できるよう、その感覚をハダで覚えました。
そして逆に、「こんな扱いはイヤだ」と思ったことはその場で忘れないようメモをとり、二度とそういう目に遭わないよう、徹底的にそういう場所や人から距離を置いたのです。

その結果、K子さんは彼なしでもいい気分になれるメンタリティを手に入れ、今度は彼のほうがK子さんが自分のもとを離れて逃げていかないよう、マメに連絡をくれるようになりました。そしてとうとう、彼女の存在を公に公表し、プロポーズしたのです。

ウソのようですが、実話です。このケースの注目ポイントは、彼女がついに開き直り、彼ではなく自分を最優先にものごとを考えるようになったことです。

決してワガママになるというのではなく、相手がどんな有名人であろうが自分には関係ない、私は私の道をゆく、と自分自身に価値を見出した点に注目です。

なにしろ自分の軸で生きているのですから、ライバルがどんなに美人でも有名でも自分には関係ありません。自分にできるのはただ己を万全な状態にすることのみ。そのことに気づくことのできた女は最強です。

今やK子さんは彼なしでは生きていけない状態から、自分には価値がある、だからもし彼が自分に見合わなくなればもっといいのを捕まえよう、そう考えるところまで精神的に強くなりました。

ちなみに結局、K子さんはその言葉通り、この彼とは数年後に離婚してしまったのですが、今ではその言葉通り、自分の仕事と新しい恋人の両方を手に入れています。

彼に振りまわされそうになったら、まず自分。自分の人としての価値を知り、ライバルに負けない自分を手に入れるのは、蛇が龍に生まれ変わるくらい最強のことなんです。

龍になると、雨がついてくる。

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佐伯紅緒(作家)

小説家/脚本家/女優。2006年、『エンドレス・ワールド』でデビュー。他に映画『RE:BORN』(脚本)ドラマ『シグナル』『僕の初恋をキミに捧ぐ』等。お問い合わせは株式会社アンドリーム https://www.and-ream.co.jp/ まで。

女子の兵法2.0

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