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ライフとワークに関する徒然ノート

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働く女性研究者が妊娠・出産・子育てと仕事について考えていることを書いています。
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記事一覧

終わりじゃなくて、始まる前の日

終わりじゃなくて、始まる前の日

上の子の、6年間の保育園生活が終わった。

上の子(6歳なりたて)は生後2ヶ月から保育園に入った。
上の子が生まれて13ヶ月後に下の子(5歳なりたて)が生まれ、彼も生後2ヶ月で保育園に入った。

その上の子が、今日で保育園を卒園。
明日からは無事に入れた小学校内の学童保育で、お弁当をもって登園する。
年度の移り変わりのなかでも小学生になるのは大きな節目だけれど、働く親の子どもにとっては今日も明日も

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さよならができなくて

さよならができなくて

去年の11月の終わり、会議でバンコクに行った時、キラびらかなホテルが並ぶスクンビットの歩道橋で路上生活をしている母と子供を何組も見た。

20歳前後でバックパッカーをしていたときの私は、そういう母子にお金を渡すとき、心のどこかで「子どもにあげるんだよ。子どもに美味しいものを食べさせてあげるんだよ」と思っていた。

でも子どもを2人持つ母親になった38歳の私は、そのお金でお母さんが何か美味しいものを

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子どもたちと過ごす時間について

子どもたちと過ごす時間について

4月にはいまさら?という雰囲気のなか通っている保育園を中心に地区レベルで流行りまくっていたインフルエンザにかかり、クラスの半分以上が感染した上の子がまず発熱し、先日2歳になったばかりの次男が続いて発熱した。ここ半年くらい、風邪以外で大きな病気をせずに保育園に通えていたので、平日5日間休み+前後土日4日間の計9日間を、手強い2歳&3歳の年子と過ごす事になった。子どもたちは、熱が出ても元気で、マイペー

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same same but different

same same but different

上の子は2月で3歳に、下の子は3月で2歳になる。二人とも早生まれで、同じ両親の元に生まれて来ているが(だからなんだというかんじだが、血液型も同じである)、性質も発達も外見も、全くちがう。

下の子は先天性の心臓血管の異常を持って生まれ、6ヶ月のときに手術をした。喘息予備軍と言われ、風邪を引くとすぐぜこぜこした呼吸をして、ひどくなると病院に行き、吸入、レントゲン、点滴をされる。でもそれ以外は、本当に

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過ぎていく時について

過ぎていく時について

大正の最後の年に生まれたおじいちゃんは、横須賀の南の方の家に一人で住んでいる。

お正月、長女の旦那(義理の息子)であるところのうちの父が行くと、棚の奥から古い、重いお酒を2本出して来て、「俺はもう長くないし、これお前が持って帰れ」と言った。たぶんもう十年以上もそこにあったやつだ。

父はそれを皆が集まる叔母宅に持ち帰った。それは誰かから貰ったもので、古く、重く、父もそこにいた誰もが飲まないタイプ

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ワークライフバランスについて語るって、すごく難しいね?っていう話

ワークライフバランスについて語るって、すごく難しいね?っていう話

学内のダイバーシティ推進部署が開催するワークライフバランスに関するランチ会に参加して思ったことは、この手のことに関して、異なった関心と立場の人間が比較的大勢(10−20人)で話すことの難しさと虚しさだった。

難しさの一つの理由は、そもそも「ライフ」自体が高度に個人的で、それゆえ一過性のイベントではお互いに理解し合えない程度に多様であるということ。

個人の体験談ベースの話題提供では、「体験談ー共

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子どもの好きな英語の本(1-3歳向け)

子どもの好きな英語の本(1-3歳向け)

子どもたちは絵本が大好きだ。最近は英語の本にも関心があって、世の中には自分が今主に話している日本語とは異なることばがあって、表現やストーリーや絵の感じなんかも日本語の世界とは違った世界が広がっているということを何となく分かっているように思う。

子どもたち(現在上の子2歳8ヶ月、下の子1歳7ヶ月)が好きな英語の本は時期によって変化するけど、間違いなく殿堂入りはこの5冊。

Five Little

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夏が来る

夏が来る

新しい保育園に入って早2ヶ月。
子どもたちはすっかり新しい保育園になじんだ。

最初の一週間くらいは泣いて、でも私がいなくなると遊んでしっかりご飯も食べ、急速に慣れて行った子どもたち。上の子は、「迎えに行くと駆け寄って来る期」を過ぎ、「帰り際に園庭で裸足で駆け回り『遊ぶ!おうち帰らない!保育園泊まる!』と主張する期」を過ぎ、今は「部屋に入る私を確認すると一瞬嬉しそうな顔をしたあと、名残惜しそうに車

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年度末はきらい

年度末はきらい

年度末は苦手だ。

本当はもっとこんな風につき合えたのに。もっとお互いを知り合えたかもしれないし、もっと好きになったかもしれないし。というように、思ったように人間関係が築けなかったことが、全部自分の性格やスキルのせいだと思えてくるからである。

保育園の先生に対してもそうだ。前に貰った言葉を後生大事にずっと反芻していたりする。でも、もっと話したかった、もっといつも伝えたかったありがとうの気持ち、も

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いつかこの頃を思い出してきっと泣いてしまう

いつかこの頃を思い出してきっと泣いてしまう

子どもを育てる上で感じるのは、
「自分が経験していないことは、根本的にわからない」
ということと、それに加えて、
「自分が経験していても、わからないことはたくさんある」
という極めて当たり前の事実である。

それぞれの家庭環境も保育園に預ける理由も、家庭で育てたいと思う理由も人によって異なるから、誰もどちらがいいかなんて判断は出来ない。それはいわゆる「普通」分娩とか「自然」分娩と言われる陣痛を経て

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保活のおわり

保活のおわり

2月16日、保育園、第一希望の認可園に、兄弟揃って内定しました。

これは妊娠中からの、3年にわたる保活が終わり、認可保育園の内定通知を受け取った、上の息子の2歳の誕生日の深夜に書いています(それゆえとてもセンチメンタルです)。

保育園コミュニティのアンケート結果を見ている限り、私の地区(大田区の中でも激戦地域)で、私が希望を出した上位5つの認可園では、0歳児・1歳児クラスだと両親フルタイム(2

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子どもの大好きな絵本(2歳前編)

子どもの大好きな絵本(2歳前編)

長かった図鑑ブームが少し落ち着き、今度はまた物語のある絵本ブームになりました。

1日に何度も持ってくる3冊。

そのなかでも1歳10ヶ月から11ヶ月にかけて大ブームを巻き起こしているのが『はっぴいさん』。はっぴいさんという願いをかなえてくれるという実体のないものを追い求める少年と少女の旅物語。月齢的に、内容を理解するのにはまだ早いと思うけれど、次に子どもたちが何をするのかよく覚えていて、「ここか

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月曜日のわたし

月曜日のわたし

月曜日、朝7時。

遊び部屋に敷き詰めた布団のうえを芋虫のように這って、目を細めながら上の息子(1歳9ヶ月)が起きてくる。おはよう。起きた?おはよう。と何回か声をかけていると、目をこすったりモコモコのスリーパーに足を取られてよたよたしながら、やっとリビングのローテーブルまで辿り着き、くしゃくしゃの顔で「おはよぉ」と答え、「ねんねした」と報告し、「ぎゅうにゅう、のむ」とリクエストする。

上の子は寝

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諦めるということ

諦めるということ

過労で亡くなってしまった人のことを最近、よく考えた。

寝不足は人を追い込み、判断力を、前向きな気持ちを失わせる。
体調不良は、そのまま精神力の低下につながる。
でもなによりも人を追い込むのは、自分がやらなければいけないと思っていることを達成できない、という絶望感と自己否定感だと思う。

「自分が何かをやらなければいけない」と思っているとき、人は自分が理想論を語っているとは考えない。掲げているタス

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