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【妊婦日記】妊娠中期〜後期と入院前夜

妊娠中期とは5-7ヶ月のこと、後期は8-10ヶ月を指すらしい。

2015年2月中旬に予定帝王切開の私にとっては、それは秋から冬の寒い時期にあたった。

このとき感じた、身体の変化や身をもって辛いなと思ったこと、こうしたらよかったと思う事、そして入院前夜の今感じていることなどについて、記録して起きたいと思う。

通勤が死ぬ

以前noteでも書いたのだが、1月終わりの学期末まで非常勤の仕事をする事になった。講義最終日は、妊娠36週の入り口にあたる。

(2月の半ばまで授業のある一つの非常勤先大学の講義については、常勤の先生のご好意による代講と、年末の補講でカバーした)

40週を予定日とすれば、私は36週目で仕事が終わるので、実質出産一ヶ月前からの産休になる。私は38週と2日目の予定帝王切開なので、産む約2週間前までの授業となる訳だ。しかし、これがきつかった。

通勤の何が辛いって、その精神的追いつめられ感と物理的な負担だ。仕事に行く時は、誰しも気を張っているものだし、多くの女の人は、いつも家でいる時とは異なる格好をして異なる顔つき(化粧)をしていると思う。気を張りながら朝の忙しい身支度の時間を経て駅まで向かうと、それだけでお腹がパンパンになった。これでもう一人子どもがいる妊婦さんなどは、朝など戦争なのではないだろうか。

そして満員電車。朝は乗客がみんな余裕がない。みんなが座りたくて、少しでも楽な位置に立ちたくて、殺気立っている。私は背が平均より低めであることもあって、通勤電車の高い方のつり革につかまって立っているのは1分も耐えられず、低い方のつり革でも腹回りの巨大化した身体には正直しんどくて、5分もすると手を下ろしてしまう。つかまるところがないと余計に身体に力を入れるので、苦しさも倍になる。ちなみに中期から後期の時期にかけて、授業のため朝の通勤電車(6−7時台の東京ー横浜間を走る特急と、横浜ー三浦間を走る快速特急)に乗らざるを得ない日が週二回あったが、その間、席を譲って頂いたのは1回のみである(譲ってくれたのはメガネをかけた男子高校生だった。今でも覚えているし、感謝している)。

フルタイムで仕事をしているひとの中には、34週から産休という人も多いらしいが、これは非常に懸命な選択のように思った。通勤の状況などによっては、もっと早い時期から産休が取れるようになっても良いと思う。私は35週目以降、週二回でもしんどかったので、次にもし妊娠したときはもう少し早めに産休を貰えるように自分でマネジメントしなければと思った。

身体の変化

①身体が重い→息切れ・動悸がすごい

妊婦の体重増加は、元々のBMIなどによって理想の増え方が決まっているらしい。海外では、妊婦はどんどん食べて太れ!みたいな国も多いし、実際に私の韓国人やシンガポール人、中国人、アメリカ人の友人は、自分は15−20キロくらい増えた、という経験談を教えてくれつつ「なんで日本では、そんなに体重管理をするの?」と疑問を挟まれた。太りすぎると妊娠中毒症などの問題も起こりやすいとのことだが、ともかく病院から渡された資料や出産に関する本を読むと、私のような標準体型の理想増加幅は「8キロから12キロくらい」、ということらしい。芸能人のように痩せている人は、12キロから20キロ近く増やすケースもあるらしく、反対にもとから肥満気味の人は10キロ以内に、というような指導がなされるようだ。

それにしても、それほど食べてなくても何故か太る(赤ちゃんが大きくなっていることもあるし、お腹を守る為に脂肪がつきやすくなる)という現象は、女的には気の滅入ることでもある。私は35週の時点で、元々の体重より9キロの増加だった。出来れば38週で生むときまで、10キロ増加以内で納めたいと考えていたが、実際入院前の現在の体重は、+11キロ弱。妊婦の体重管理としては、一応基準をクリアしている、なかなかの優秀な妊婦だと自負しているのだが、それでもこの身体が重さがこたえる。駅や家までにある階段が一気に上がれない(3、4回休む)。ちょっとでも急ぎ足になると息があがるし、朝起きて身体を動かし始めはゼエゼエいうし、胴体を支える足の付け根や恥骨が痛いこと。

私は身体は比較的小柄な方、胎児は比較的大きめな方、という妊婦なのだが、これでもっと体型が小柄だったり、双子やかなり大きい赤ちゃんを宿している人はどんなに大変だろう、と想像する。体重増加だって、10キロ増の私でもこれだけの重さを感じるのだから、もっと体重を増やした人は日々の行動はもっと難儀になるだろう。

②身体が痛い

他の人の体験談を読むと、腰痛や股関節痛などあるようだ。私の場合は時期によって変化してきたのだけれど、32週頃は胸の下の筋肉が寝れないほど痛いという時期があった。それはおそらくその時期急激に大きくなってきたお腹に、お腹周りの筋肉が追いついてくれなかったのだろうと思う。腰痛などに比べても、身体の痛みで一番辛かったのはその時期だった。

後期になってからは、お腹が重すぎて恥骨が痛い。たとえば大学で授業が終わって、1時間に2本しか来ないバスに遅れそうになり、少しでも小走りになろうものなら恥骨がギシギシと痛む。場所が場所だけにさすることもままならないし、情けない気持ちにもなる。

あと毎日それなりの量を歩いているにも関わらず、時々足が激しくつる。いわゆるこむら返りというやつで、私は特に起き抜けの伸びをしたときに、足が攣るケースが多かった。この攣ったときの痛さは結構後まで残るもので、攣ったときの痛さ+攣ったあとの後遺症が辛いので、攣りそうになるともう必死で攣らないように足を動かすのがうまくなった気がする。

そして毎日起こるのが、おへそのメリメリ。おへそから割けそうな痛さ。ちょっと疲れてお腹がはったり、ご飯を食べたあとはメリメリメリメリ。メリメリを治めようとさすりすぎて気持ち悪くなったりもした。おへそが痛いのは、以前子宮筋腫の腹腔鏡でおへそから器具を入れたあとの傷(縫い跡)があるせいかもしれない。

③まとめて寝れない

妊娠後期になると、抱き枕を使っての横向きが楽!なんていうのが様々なウェブサイトが書いてあるのだけど、どの体勢が楽かというのは、個人の体型が大きく影響していると思うので、一概に横向きが最適などとは言えないと思う。私の場合、30週過ぎてからは仰向けでは寝れない(お腹が重すぎて、呼吸困難になる)。一方で横向きだと、抱き枕を挟んだり色んな体勢・位置を試してみても、やっぱり息苦しい。その理由は、異常に発達してしまった胸であり、そして狭い肩幅+宿命的な猫背であり、胸とその横についた腕のせいで肺などの内蔵が押され、苦しいのだ。私は34週くらいから夜何度も目覚めるようになって、まとめて寝るのは諦めた。どんなに疲れていても、4、5時間寝ると目がさめて、そこから1時間ずつくらい分けて寝る、ということを繰り返した。

その他。

・インフルエンザになった

年末、移動の時はずっとマスクをしていたにも関わらず、年末に行った美容院かマッサージ店かどこかでインフルを貰ってきて、39度くらいまで熱が上がり、文字通り寝年末&正月を過ごした。病院の外来の最終日に滑り込み、妊婦でも大丈夫というタミフルを飲んだら熱は1日で下がった。それから3、4日、私が治りかけていた事、旦那も調子が悪くなり、やっぱりうつってしまったか・・・と思っていたら、病院の診察ではインフルではなかったとのこと。そのあとは1、2日で二人とも回復。旦那にうつらなくて本当によかったと思う。

・髪をきった。

10年ぶりくらいにベリーショートにした。何かに似ているなと思っていたら、モンチッチだった。首がすーすーして気持ちがいい。髪を乾かす時間の短縮ぶりといったら画期的だし、何よりもこれで痩せたら着る服のバリエーションが広がりそうで、産後のダイエットが楽しみになった。

・謎の湿疹

37週に入ってから、毎日風呂上がりにオイルで全身乾燥防止をしているにも関わらず、おなか周りと二の腕に湿疹が。大変かゆい。


まとめ:自分の身体を甘やかすことも必要だってことと、親としての「自覚」なるものについて

同じ1時間の外出でも、満員電車で気を張ってすごす1時間と、気持ちのいい土手を歌を歌いながら歩く1時間は全く違う。

そしてその違いは、お腹のハリにてきめんに現れることを知った。ちょっとしんどいなと思いつつ、でも「やらなくちゃ、頑張らないと」と思って仕事をしていると、内側から「きついよ!つらいよ!」とでも言うように押してくる小さい生物がいる。そのうちお腹がぱんぱんにはれて自分自身が苦しくなったところで、「ああ、こんなにしんどかったんだな」と気づく。

9ヶ月目くらいからは、授業を2コマやって家に帰ってきてから回復するまでに3時間くらいかかることもざらだった(のろのろと、本当にだらだらと片付けたり家事をしたり、ちょっとした仕事をして、そのあと1時間くらい横になってやっと回復)。今思えば、妊娠30週前くらいの段階でベビーグッズを揃えておいて本当によかったと思う。早めに買い物をして、早めに水洗いなどをしてあったことで、自分自身がとても助かった。細かいものは、もう生まれて必要になれば、大好きなAmazonプライム(←ネットショッピング依存)でお願いしようと思う。

嬉しかったのは、私が妊娠後期になってから、旦那が前よりも積極的に子どもの話をしてくれるようになったこと。子どもができることの実感は、どうしても胎児を宿している母親の方が父親よりも早く持つケースが多いのだろうと思うが、うちの夫婦もそうだった。パンパンになって不自然に膨らんだお腹を見たり触ったりするのは、今でも「怖い」ということだったが、それでも私の体調の話を聞いてくれたり、重いものを持ってくれたり、ゴミ捨て(1階に持って行くこと)やお風呂洗いや週末の掃除機など夫の担当になっている家事を前よりも進んで積極的にしてくれるようになったことで、私の気持ちは本当に楽になった。

母親も父親も、自然と子どもに対する愛情が芽生えるのではなくて、人それぞれのペースで少しずつ、母親や父親になっていくのだと思う。母親のほうがおなかに宿して胎児の動きなども感じている分、その「なる」チャンスを、男よりも早めに、多く得ているだけの話。

母親にしかできないこと、なんて実はそんなにないと思う。母乳くらいか。

結局は、当事者意識と子育てというものに割く物理的な時間の問題なんだ、と感じる。

(*この辺については、サイボウズの「ママにしかできないこと」という問題CMを見て色々感じたので、次回書く予定である。)


入院前夜

そしてこれをアップしている今日(2月12日)は入院前夜である。

夫と会ったのは2011年7月7日で、2013年夏から一緒に住み始め、その秋に結婚式をして2014年6月に子どもができた。一緒に暮らして1年半くらい、ずっと二人だけで過ごしてきたけど、その日々ももう最後なんだ、と思うとなんだか寂しい。

出版系勤務で生活不規則&夜型の夫と、研究者で同じく夜型の私は、本当に自由気侭な生活を送ってきた。

好きなときに外食して、好きなときに家事をして、夜中思い立ったらコンビニやTSUTAYAに出かけたり、土日の前には朝方まで二人でネットを見たり話たりして昼前になって起きたり。就寝起床も食事の時間も適当で、規則正しい生活とはほど遠い生活だった。

私も、非常勤のない日は家で夜遅くまで仕事をする時もあれば、昼間は映画を観に行ったり一人でランチをしたり、近所のカフェで作業をしたりもしていたし、土日も好きなときに学会にいったり、年に何度も海外出張に行っていた。

そしてそんな自由気侭な生活も、もう終わりなんだと思う。独身から結婚してからの生活は殆ど変わらなかったけど、子どもができたらきっと全面的に変わってしまうし、変わらなければいけないのだと思う(そもそも朝方まで煌煌と電気をつけてパソコンカタカタやるような生活はいい加減改めたい)。

明日から入院である。状態に問題なければ2泊まで外泊していいとのことなので、検査だけして家に帰りたい。やっぱり家がいいもの。

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