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心臓血管外科手術のこと

実は今月中旬、生後5ヶ月の下の子が心臓血管の外科手術を受け、ちょうど二週間入院していました。胎児だった時からエコーで心臓血管の異常については指摘されていたのですが、生後2ヶ月くらいからずっと喘鳴が続き(息をするたびにゼコゼコする)、一度は風邪をこじらせた気管支炎で入院、その後造影剤を使ったCT検査で入院し、心臓の血管が「血管輪」という状況を作り、気管支と食堂を圧迫しているため、なるべく早くの段階で手術を行った方が良いとのことでした。日本でも第一人者の先生から症状、手術方法、リスク等に関する詳しい説明を受けたので、その一部を�後進のため残しておきます。

診断については以下の三点を指摘されました(写真)。

これらの手術については比較的最近行われはじめた方法のようで、2000年以降に世界中で十数件の報告があるのみということでした。手術をするまで何度も大学病院に通い、手術には当然リスクも伴うので逡巡はしたのですが、以下の理由から親として早い段階での手術を決意しました。

①このまま成長を待っても血管輪という状況や喘鳴が良くなることはないこと(→外科手術以外の解決策がない)
②コメレル憩室は最近の研究で将来大きくなったときに動脈瘤などに発展してしまう可能性が高いこと(→成長すればするほど、体への負担が大きい)
③今後これから冬になり、風邪やインフルエンザが流行る時期になると、気管が圧迫されていることから風邪をこじらせ気管支炎になってしまう可能性が高いこと(→空気が乾燥せず、感染症が少ない時期に行い、冬に備えた方が良い)

手術の方法は以下の通りです。

手術には当然リスク(合併症など)がともなうということで、事前に説明されたのが以下の7点。今回は運良く、子どもはどの合併症も起こらず輸血もせず手術を終えることができましたが、ここに挙げた中では特に①、④、⑦が起こる可能性が最も高いとの説明を受けました。

結果として手術は成功し、左脇に7センチほどの切り傷を作ったのみで、経過も良好とのこと。喘鳴もなくなり、むしろ気管への負担がなくなったことで、前よりも活動的になった気がします。退院をした日はちょうど6ヶ月、1/2バースデーの日でしたが、同じ月齢の0歳児としてはかなり大きめの9.5キロ。看護師さんたちにも小児科や外科の先生たちにも誰にでも愛想を振りまき、完全看護のコット室(新生児から0歳児までがいる大部屋)でいろんな人に可愛がられていたようで良かったです。


子どものことというのは親にとって身体的にも時間的にも精神的にも圧倒的な支配力を持つものであり、それを持って他人には口を挟ませないくらいの説明不要の説得力みたいなものを持ってしまうものなので、自分の性格的にその「力」を使うのをなんとなく躊躇しており、敢えて多くの方にはこのような事情をお伝えしませんでした。

この二週間、学会での発表を見てくださったのに発表を見に行けなかったり、いつもよりメールの返信がだいぶ遅かったり、約束の幾つかは反故にしてしまい、申し訳なく思っています(もしここをご覧になっていたら)。おかげさまでこれからは通常運転の生活になりそうです。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


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