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年子を産むということ

(*女性の体の変化などについても書いているので、そういうのを読むのが不快な方は読まないことをすすめます)

私は第一子を2015年2月に産み、第二子を2016年3月に産むことになった。

第一子のときから以前子宮筋腫で腹腔鏡をやっていたこともあって予定帝王切開だったので、どちらも38週目での出産(予定)である。

普通分娩の予定日(40週に設定される)より早く産むせいか、第一子は平均よりもほんの少し小さめだったし、それとは別に内臓系の持病も見つかったのだけど、産まれてからはとても元気だった。思っていたよりしわしわで、思っていたより足も細くて、あったかくてふにゃふにゃで、そのくせ意外と強い力でにぎってきたり手を振りまわしたり吸ったりするのでびっくりしたのを覚えている。

私は一人っ子で、私の母親も妹が一人いたが、一人しかいない従姉妹も女の子だった。初めて小さな男の子に対面して、できれば兄弟がいたら良いなと思っていたので、運良く恵まれて嬉しく思っている。

産後、帝王切開後一週間で退院し、帰ってからもすぐに市役所で手続きをして保活を行ったり、かなり通常に近い生活をしていたのだが(もしくはそのせいか)、なかなか体力は回復しなかった。とにかくものすごく疲れやすく、すぐ息があがる。それ以上に、妊娠後期からずっと続いていた細切れ睡眠(2、3時間に一回目が覚める)でしっかり疲れが取れず、気持ち的にも一日の出来事を自分のなかでリセットできないまま慌ただしい日常が過ぎた。前回のnoteで3月の記憶がないと書いたが、本当に記憶がない。一ヶ月検診があったり、市役所にいったり、ちょっとしたことで病院にいったりと日々忙しくしていたはずなのだが、少しずつ大きくなる子どもの写真がたくさん残っているだけで、私自身がどういう風に過ごしていたかの記憶がすっぽり抜けている。

産後2か月で再開した生理は、びっくりするほど重かった。痛みや気持ちの悪さというより、とにかくものすごく量が多くて、初日二日目くらいまでは毎晩1時間起きに起きなくてはいけないくらいだった。そんな自分の身体と向きあうと、まだ子宮の収縮しきっていない、「産んだ女」なんだということをまざまざと感じながら、ああ、遠いところまで来ちゃったなあという思いでいっぱいになった。

第一子と第二子の妊婦期を過ごしながら、やっぱり少し違うことがある。

まず、第一子のときほど神経質じゃなくなった(杞憂がなくなった)。自分が今何週かも忘れてしまっていて、悪阻が終わる頃にやっとグーグルカレンダーに週数と予定日を書き込んだ。ちょうど第一子の意思が強くなり、高速で動くようになってきて、目が離せなくなる時期と重なっていたからだ。ちなみに、第一子のときよりも、悪阻はゆるやかに長かった。これは同じ妊婦でも第一子第二子で悪阻の様子は人によって大分違うので、本当にその人とおなかの赤ちゃんとタイミングによるんだと思う。

杞憂がなくなること、無駄に神経質じゃなくなることは、妊娠生活をする上でもストレスを溜めずに暮らせるという点で良いこともある。一方で、第何子だろうと、やはり妊娠しているということはおなかに今出てきたら死んでしまうかもしれない脆弱な生き物を抱えているわけで、ただの身重の体調の悪い人だ。自覚のないまま育児と仕事と家事に追われて、中期を過ぎてから急にお腹がはったり、なぜか突然気分が悪くなってぐったりしてしまう、という時期が続いた。

もうひとつは、第二子の方が、おなかの大きくなるスピードが速いってことだ。これは子宮やおなか周りの筋肉(や肉)が伸びやすくなっている、ということも影響しているらしい。体格的(体重、骨盤の広さ)にも、産前の身体に戻る前に妊娠した、という理由もある。私は元々158センチ、50キロ前後の体重で、第一子妊娠直前62キロまで増え、第二子妊娠までに54キロになっていたのが、今回はスタートが元の体重+4キロだった。体重の伸びは第一子のときに比べたら穏やかで、できれば今回も62キロくらいまでで抑えたいと思っている。つまらないことと言われるかもしれないが、2年続けて冬のファッションを楽しめないのはやっぱり気が滅入る。妊婦は腹回りと胸回りが巨大化するのでできるファッションが本当に限られるし、太ると足のサイズまで変わるのでブーツは入らなくなる。もともと分不相応に大きい胸が余計誇大化し、着たい洋服が着れない。妊婦になるってことは、女であることの一部も捨てるってことだ。

最後に、思ったよりも帝王切開の傷跡がキリキリと痛い。場所が場所だけに外で頻繁に摩ることもできないし。そんなことお構いなしに、中の小さな人はこぽこぽと活発に動き、私のおなかを伸ばしていく。あと数ヶ月、元気に育ってくれればそれで良い。本当にそう思っているのだけど、人として生きて行くため、心と身体が健康でいるために、色んなことが必要なのだ。女は産む機械じゃないからね。


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