ポスドクの保活事情(研究者と保育園)

ポスドクである私の場合、保育園に入れないと研究を続けられず、業績がでず、業績がなければポスドクの期限が切れたあとの来年度の就職が危うい。来年度、フルタイムの仕事が決まらなければ1歳児入園はほぼ不可能であり、たとえ運良く来年度の就職が決まっても、今年度も預け実績がなければ加点が貰えず保育園に入れずに常勤の仕事を諦める、というキャリア転落スパイラルにはまる。

ということで、やりましたよ、保活。
情報集めを始めたのはまだ妊娠中の昨年の10月。書類をあつめ、区役所に何度も足を運び、電話でも何度も問い合わせをした。

私のような「自営」扱いのポスドクは圧倒的に不利と言われるなか、最終的に保育点数何点を得たのか?&追加で提出した書類などについてまとめます。

ポスドク研究員の就業形態とは?

私は2013年から3年間、日本学術振興会というところの特別研究員(PD)をやっていて、2015年度はその最終年。いわゆる「ポスドク」の研究員である。

任期中は学振から毎月定額の研究奨励金と年間の研究費が貰える。出張や研究に関わる書籍の購入などは基本的には研究費から行い、研究を続けていく上で必要なお金は研究奨励金から支払っているというのが多くの人の現状である(ちなみに生活していくお金や国民年金、国保、都民税区民税、奨学金の返還、勤務先までの交通費などもすべてここから支払う)。 

学振PDは、所属先の大学が決まっており、研究活動はその所属先大学で行う事が通例になっている。これも所属先(受け入れ)大学や研究分野、受け入れ研究者(その所属先大学の教員)によって状況が違うと思うのだが、私の場合は社会科学系で研究は大学のラボなども使用せず、ほぼ一人で行う。不幸にも所属大学がいわゆる旧帝国大学のような研究大学ではないため、学振研究員の受け入れ体制が整っているとは言えず、大学内に自分専用の研究机も貰えなかったため、私のPDとしての研究は、自宅での研究活動が主になっている。

*これに関しては一年目から「研究環境を用意してほしい」という要望を出してはいただのけど、大学の図書館にあるポスドク・講師用勉強室が自由に使える(ただし自分の研究資料等は置けない)という措置があったのみだったため、結局自宅の一室を私の研究室とした。

業務形態としては、これがまた複雑で、研究者という職業柄、時間的な拘束がない。もちろん学会発表や論文締め切りに向けて、実際は時間に追われている事が多いのだが、一日これだけ就業すべきという時間規定がないのである。私自身の実働時間を考えてみると、一日15時間くらいパソコンに向かっている事もあれば、ある日には5、6時間だったり様々である。学会があれば土日も一日中研究活動になるし、年に2、3回は1週間−3週間の海外出張にいく。去年はハワイ大学内のイーストウェストセンターで訪問研究もした。ただ、研究員という職業は、研究に費やした時間のことなど誰も気にしない。とにかく結果(論文などの業績)があることが、一年間の成果として見なされ、研究費を出してくれている学振が年に一度求めるのも、この研究成果=業績である。


「研究員」としての保育園申請方法

保育園の申請にあたって、学振側は、自治体のもとめる勤務証明書(就業形態・時間を記入)は発行してくれない。上記に書いたように、研究者とは時間的拘束のない職業であり、また学振は「勤務」自体に給料を払っているわけではなく、あくまでも研究者としての研究業績やその価値に研究奨励金と研究費を提供してくれているからである。唯一、発行してくれるのは、任期(年度)の入った「採用証明書」である。

ネットで先人たちがどのように保育園探しをしていたかを検索してみると、この方は学振が唯一発行してくれる「採用証明書」を持って行って直接説明しても、理解されなかったと言う。http://suzukitcut.hateblo.jp/entry/2014/03/12/131310

実質活動時間は行政のフルタイム認定基準である「8時間」は余裕で超えている。たとえ「自営」扱いで、学振からは勤務表が出せなくても、フルタイム外勤の人と同じように認めてはもらえないのだろうか?と疑問に思った私は、保育園の申請書類の最終提出までに、自治体の保育課の方に何度も電話で相談に乗って頂き、以下のような方法を取るように進言された。

*ただし、これは私の居住地の自治体のケースであり、自治体によっては必要書類や対応・評点が異なる事も予想されるので、まずは担当の方に相談してみることが必要だと思います(私のケースは参考までに)。

提出書類

①任意の一ヶ月の予定表
Googleカレンダーをつかって、任意の一ヶ月の予定を提出。毎日の実質研究時間や非常勤の予定(授業+準備+添削時間を含む)、週末の学会参加などを記入し、毎週フルタイムで実働していることを証明。
研究員としての就業体制に関する、受け入れ先生の一筆書き
私自身がどのようなスケジュールで研究生活をしているのか(年間どれくらい学会/調査等での出張を行っているか、典型的な毎日&一週間のスケジュールのドラフトを書き、そのスケジュールの結果どのような研究実績(論文・発表など)を残したか)という内容の文章を書き、先生にチェックしてもらって必要な部分を加筆修正してもらった上で、先生の署名を貰ったもの。
非常勤先大学から貰った勤務表(担当科目と時間が書かれているもの)
非常勤での教育活動もポスドクとしてのキャリアに関係があるので、一応。
④すべての勤務先から貰った源泉徴収票のコピー

私はこれで常勤で毎日8時間以上働いている(フルタイム)人と同じ、11点を貰えた。夫もフルタイムなので夫婦二人で22点である


結果。

保育ママ(家庭福祉員)の受け入れ不承諾(待機リスト入り)。認証2つ受け入れ不承諾(待機リスト入り)。

ちなみに認可に関しては、私の場合は子どもが早生まれ(2月中旬)のため、居住地区の認可保育園には申請できない。殆どの保育園では早くても生後57日(2ヶ月)や4ヶ月からで、4月1日の段階でそれに満たない子どもは、申請しても5月からの空き待ちになるからである。5月からの空きというのは、キャンセルや引っ越しする児童の補填などで、可能性はほぼゼロなのだが、それでも私は出した。万が一の可能性にかけて。

その他、最終的にどこで受け入れが決まったのかについては、次のエントリーで。
                ↓
私の保活結果(待機から繰り上げ内定するまでと保育の意味、謎の「支給認定書」などについて)
https://note.mu/saereal/n/n04c4786298d2

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

11

saereal

ライフとワークに関する徒然ノート

働く女性研究者が妊娠・出産・子育てと仕事について考えていることを書いています。
1つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。