いらないおもちゃ
幼い頃、気付いた時には家にいたくま。
友人が遊びに来て、たしかお菓子のくずかなんかで、汚してしまいそうになった。
「どうせすぐ捨てるからいいよ〜」
という母の言葉に、子ども心ながら強く反発した記憶。
それから十数年後、ひみつきちを組んで、ずっと同じ血という曲をつくりながら、この日のことを思い出していた。
20歳くらいの頃かな。
当時は、今ではやめてしまった日記をまだ書いていて、全部忘れたくない、忘れちゃいけない、忘れたら無くなってしまう!
どこか、そんな風に思い込んでいた気がする。
自分の忘れっぽさに、なんとか抗おうとしていたのかもしれない。
……そんな私も今では、結構、色んなものを捨てられるようになっている。
そこそこ気に入っていた服とか、昔は全部取っておいたライブの半券とか、色々。
勢い余って、音楽をつくることも、何度も何度も捨ててしまおうと、している。
疲れるし、悩むし、超疲れるし。
別に誰に頼まれている訳でもないのだから。
その度、夜中の気持ちと共にぐしゃぐしゃにして、ゴミ袋にいれて、翌朝ゴミに出して。
部屋に戻ってみたら、あれ、ここに落ちてるじゃん!とちょっと驚いたふりしながらも、どこか安堵して。
そうやって自分を騙すためのくだらない一人芝居を繰り返しているうちに、時々、奇跡のような瞬間が訪れて。
結局、捨てられないまんまでいる。
でも、それでいいんだと思うし、何よりそう思っていたいんだと思う。
いつか私が音楽をつくれなくなるとして。
自分で決めてつくらなくなるなら、それは何よりだけど、その時、嬉しいと悲しいはどっちが重いのだろうか。
なかなか消えそうにない、不恰好な思い出たちと、どんな風に生きていくのだろうか。
まあ、先のことは、いっか。
もう今日は寝よう。
湿っぽいことばかり書いてしまいそうな、きまぐれセルフライナーノーツ。
次回は、軽快なジョークを織り交ぜながらカラッといかねば。
しかし、そんな湿っぽい私が、私らしくあれる(時がある)のがバンドというひみつきちなのだから、まあ、いいよねっ
3月27日1時10分 ずっと同じ血について
多分、つづく
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