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「個性」を貫け "武士"神崎颯馬のアイドル道

2024年4月20日。神崎颯馬くん、お誕生日おめでとうございます。

凛とした佇まいに古風な物言い。有力な武家の子で現代日本には珍しい「武士」である颯馬くん。
純粋で素直な性格ゆえ、時に後先考えずに突っ走り、周りをヒヤヒヤさせることもあるが、そのまっすぐさが何度も周りの心を動かしてきた。
また日本舞踊の素養があるため、しなやかなパフォーマンスにおいて彼の右に出るものはいない。

これでようやく「紅月」みんなのお誕生日にこうして思いを寄せることができました。嬉しいなぁ。
例に漏れず今回も、颯馬くんのアイドルストーリー「翠雨のあとに」を読み返すことにした。


自分にも『専用衣装』の順番が回ってきたと嬉々としている様子の颯馬くん。打ち合わせが楽しみで昨晩は寝付けなかったそう。

『専用衣装』の打ち合わせのために持ってきた和柄の資料を眺めながら、颯馬くんはこんなことを考えていた。

颯馬:(どれに決まろうと、文句のつけようがない。
(中略)だがしかし……これらの衣装は果たして、我らしい衣装なのであろうか?
これでは衣装を着るというより、衣装に着られているのではないか……?
用意された衣装を言われるがまま、何度も袖を通してきたというのに、どうしてこのように迷ってしまうのであろう)

ー「あんさんぶるスターズ!!」神崎颯馬アイドルストーリー『翠雨のあとに/第一話』より

「自分が纏うに相応しい衣装」として颯馬くんは、神崎家の家紋を取り入れたいと考えていた。
武家の子である颯馬くんらしい素敵な案だが、それを通すには「自身のアイドル活動を快く思っていない親戚縁者の理解を得る必要がある」と顔を曇らせていた。
そんな颯馬くんに蓮巳くんがこう言葉をかける。

敬人:俺の家は寺だが、俺がアイドルという道を歩むことを認めてくれている。だから本当の意味で、貴様の悩みを理解してやることはできん
(中略)だが応援はしてやれる。貴様はあの【返礼祭】をたったひとりで乗り越えてみせただろう?
(中略)相手が悪鬼羅刹でもない限り、貴様のその心は伝わるはず。事態はいい方向へ、きっと進むだろう

ー「あんさんぶるスターズ!!」神崎颯馬アイドルストーリー『翠雨のあとに/第二話』より

あぁ、【返礼祭】ー。先月読み終えたばかりのストーリーだが、すでに懐かしさが込み上げてきた。


「個」の自立と成長

武家の子であり腰に長物をぶら下げている、一人称は「我」、中学時代は馬で登校していたという個性特盛の颯馬くん。
しかし、こんなにも強い個性を持っていながらも、「紅月」での彼は常に一歩引いた立ち位置にいた。
それは、自分が尊敬する先輩2人の懐刀でいようと、彼らを引き立たせようと振る舞っていたからである。

時に颯馬くんは、蓮巳くんや鬼龍くんと学年が一つしか変わらないにも関わらず子ども扱いされることに納得がいかない様子も見せていた。

「あんさんぶるスターズ!」スカウトストーリー「スカウト!花の色札」『あさきゆめみし/エピローグ①』

しかし、大抵の場合「紅月」において自分は役不足なのではと感じて歯痒さを滲ませていた。彼が一歩引いた立場に立っていたのは、この歯痒さも理由の一つであると私は思う。

颯馬:(本当に我にできることは何もないのであろうか。衣装づくりは鬼龍殿に任せきり、演出や演目についても蓮巳殿に任せきりである
我ひとりでは何もできない。蓮巳殿と鬼龍殿に支えてもらわなければ立てない小鹿のような存在である)

ー「あんさんぶるスターズ!」イベントストーリー「傾け!梅雨払いの錦」『傾奇者/第三話』より

一方で、蓮巳くんと鬼龍くんも、颯馬くんを甘やかし過ぎていたのではないかと反省していた。世話焼きな2人の性格があだとなってしまったようだ。

紅郎:てめぇが、そんなふうに何でも手取り足取りやってるから……。神崎が役立たずになっちまったんだろうが
敬人:役立たずなどと言うな、神崎はやればできる子だ。俺は、あいつを信じている
紅郎:はは。俺もよくなかったんだけどな、衣装とか毎回ちゃんと用意して着付けとかまでしてやったし
(中略)
敬人:うむ……。実際、どこで育てかたをまちがえたのだろうな

ー「あんさんぶるスターズ!」イベントストーリー「衝突!思い還しの返礼祭」『斜陽の前/第二話』より

そんな「未熟者」な颯馬くんが一人で臨んだ大舞台が【返礼祭】だ。
卒業する蓮巳くんと鬼龍くんに「自分は立派に成長したから安心して夢ノ先学院を巣立って欲しい」と、彼はいろんな人の手を借りながらも孤軍奮闘し、無事に【返礼祭】をやり切った。

先輩2人に悟られぬよう、水面下で【返礼祭】に向けての準備を進めていた颯馬くん。蓮巳くんにそのことを尋ねられた時、彼は涙ぐみながらも力強くこう返した。

颯馬:けれど、我は…!これから先は独りだからっ、先輩たちに頼ってはいかんと思って!
蓮巳殿や鬼龍殿に知られたら甘えてしまうっ、何でもやってもらってしまう!
それでは意味がない、我は駄目になってしまう!
本当に蓮巳殿や鬼龍殿が夢ノ先学院から去ったとき、醜態を晒して『紅月』の名に泥を塗ってしまう!

ー「あんさんぶるスターズ!」イベントストーリー「衝突!思い還しの返礼祭」『贈る言霊/第三話』より

【返礼祭】は、下級生が主体となりお世話になった先輩へ感謝の意を示すために行われるライブ。いわば追いコンのようなものである。
先輩2人の力を借りての成功では意味がない。己の力でやり遂げてこそ自身の成長と「紅月」の未来に繋げることができる。
颯馬くんはその一心で【返礼祭】に臨んだ。

【返礼祭】で颯馬くんがどのような演目を披露したのか、その詳細は描かれていない。ゆえに想像の範疇に過ぎないが、きっと「紅月は沈まん、否、沈ませぬ」と舞台上を縦横無尽に駆け回ったのだろう。

「我が『紅月』を守り抜く」ー
こんなにも頼もしい言葉をこんなにも晴れやかな表情で発する颯馬くんを見て、一人の人間としての「自立」と「成長」を感じることができた。

「あんさんぶるスターズ!」イベントストーリー「衝突!思い還しの返礼祭」『贈る言霊/第三話』

武士であること アイドルであること

「現代駆ける、神馬の武士ドル」ー颯馬くんのキャッチコピーである。

はじめてこのキャッチコピーを目にした際、私は「武士ドル」という造語に、キャラ付けとしての武士要素という若干の「軽さ」を感じてしまった。
しかし先にも述べた通り、颯馬くんはれっきとした武家の子である。帯刀も政府から許可されているのだという。

「あんさんぶるスターズ!」イベントストーリー「追憶*それぞれのクロスロード」『Curse/第一話』

そのような家柄の事情を知る者たちはさほど驚いたりしないのだろうが、もちろん学院内には事情を知らない者たちもいる。
現に昨年度の秋には、刀を腰にたずさえた颯馬くんが怖いと新入生から生徒会に苦情が寄せられ、刀を取り上げられそうになった。

「武士の魂」とも言える刀を力づくで奪われることを恐れ、颯馬くんは教室に籠城した。
籠城作戦は空腹に耐えかねた颯馬くんが折れて幕引きとなったのだが、その後、彼は「どうすれば、刀への理解を得られるのか」と打開策を模索した。
そして、これまで帯刀を許されていたのは、学院の仲間たちが自分のことを単なる「キャラ付け」ではない「本物の武士」なのだと理解してくれたからだと気づいた。

自分は政府に守られていたのではない、先輩やクラスメイトたちに守られていたのだと。
それは、周囲の人々が「武士」である神崎颯馬の「個性」を認めてくれたということに他ならない。
誰に対しても誠実に接する颯馬くんの人となりが身を結んだ結果であろう。

「あんさんぶるスターズ!!」スカウトストーリー「スカウト!一騎当千」『つわものどもが夢のさき/第六話』

数日後、刀への恐怖や誤解を抱く者たちに誠意をもって己の「在り方」を示すべく、颯馬くんは学院内で単独ライブ【一騎当千】を開催した。
そこで彼は得意の剣舞を披露し、自身の刀は「武器」ではなく、武士ドルたらしめるための「武具」であることを観客に示した。

颯馬:『我は常に刀を持ち歩いている。ゆえに怖い思いをさせたのならば、心から詫びよう
しかし、我は決して、誰かを傷つけるため帯刀しているわけではない。この刀は、我の魂なのだ』

ー「あんさんぶるスターズ!!」スカウトストーリー「スカウト!一騎当千」『つわものどもが夢のさき/第七話』より

颯馬くんは武士でありアイドルである。
それぞれの自分と誠実に向き合うことで彼は成長してきた。
これからも、彼は芸能界という群雄割拠の乱世を勇往邁進していくことだろう。
ほんものの武士として、ほんもののアイドルとして。

おめでとう!

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