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転職を考えていない人に読んでほしい、リスティング業界からの転職の思考法

業界の未来、会社の未来、自身の未来を不安に思ったらどうするものなのでしょうか?
私はその不安に対する答えとして、入社から365日後、転職を決意しました。

↑入社から一年後のツイート

このnoteは私がなぜ一年でリスティング業界から転職をすることに決めたのか、その理由・思考を紹介していきます。


Q:いつ転職を考えたのか?
A:入社する前から

私は、通信業界で営業事務兼総務を3年経験した後、「一生食っていくことに困らない、キャリアを積もう」と転職しました。
だからこそ転職を考えていたのはいつかと聞かれれば、そもそも就職する前と答えるのが正解でしょう。

「一年間でものにならなかったら、もう一度転職しよう」
「未経験でも転職しやすい二十代のうちに、一生飯を食べていける業界にはいり、30歳までに独立できてしまうレベルの経験と成果をあげよう」

そうして、タイムリミットの一年を終え、私は自分のキャリアをまた変えるべく行動を起こしたのです。
半年でリスティングの作法を身に着け、さらに半年で改善実績を積みあげたあとのことでした。


Q:なぜ転職を決意したの?
A:今の状態のままで、リスティング業界で生き残る自信がなかった。

というのも、

・常に絶対ミスしてはいけない状況下で、運用とコンサルティングをしながら複数案件を回し続けるセンスがない。(綱の上で皿回し続ける感じ)
・できることが少なすぎる。現在のスキルでは、数十年後に需要があるとは思えない
・未来のリスティング業界で生き残れる気がしない(未来は管理画面を離れた知見も必要そう)。

という、業界と自身の適性の問題。

そして、キャリアを考え、100点満点中70点の運用ができるようになったいま、120点ができるまで極めるよりも、またマネージャーになるよりも、他にできることを増やした方が時間の使い方として有効的であると判断しました。


Q:リスティング業界の先行きはくらい?
A:暗くはないが、業者の立ち振る舞いは変化せざるを得ない。

リスティング業界の経験だけで生きる未来が、それほど希望を持てなかったことは事実です。

・運用の自動化
(現状行なっている業務のほとんどが機械化されていくこと。インハウスのリスティング担当者でも簡単に運用できるようになり、代理店は現在の管理画面で数値を管理する仕事から、より本質的な戦略を考える仕事に、業務範囲が変わっていくとされています)

・リスティング業界がそもそも、プラットフォームの都合に左右されすぎ
(いつか独立した時に、SEO、医療コンテンツショックのような目に合うかもしれない。というか、前職の光回線の販売も数年でブーム過ぎてエラい目にあったので、また同じことになるかもというトラウマ)


Q:業界の未来がわからないなんて、どの業界も一緒じゃね?
A:だったら、お前は私の人生を保障してくれるのか?

でもこれらは、別に他の業界でもいえることでしょう。
どの業界だって今後どうなるか予測できない。

だから、「 今の立場でもっとがんばれ」とか「不安に煽られているだけ」とか「もっと出来ることがある、努力が足りないからそんなことを考えるのだろう」などという言葉を無視しました。

もし業界・企業・職種の未来を不安に思うひとにそんな言葉を投げかけるやつがいるなら、私は言ってやりたい。

「だったら、お前は私の人生を保障してくれるのか?」
「会社は私の人生保障してくれるのか?」

これは新卒の子が教えてくれた言葉で、とても大切にしています。先行き不安だけど、我慢する、希望的観測をすることこと本当の甘えだと自戒させてくれます。

よって、人生を保障してくれる人もいないので、 私は自分の人生に対してリスクヘッジを組みました。


Q:ババアになった時も、おまんまの食い上げにならない方法は?
A:市場価値を上げよう。

何十年後も市場価値が高い状態にするには、「圧倒的経験、知見を積んでレアになる」もしくは「他のこともできるようにしてレア度をあげる」の二つだろう。

前者はすでに述べたように、綱の上で皿回しをするような体力と熱意の維持が無理と判断。
よって、「他のこともできるようにしてレア度をあげる」方法をとりました。

できることをちょっとずつ増やす有用性は 『10年後の仕事図鑑』でも説かれています。
たとえ現状その仕事のうちの3%しかできなくても、AIなど技術が発展し、あと97%は技術によって補完ができる未来がくる。

私はリスティング以外の仕事をやってみることに決めました。


Q:なんでその会社なの?フリーランス化しないの?
A:別にいまフリーランス化する理由がない。

まずは仕事にする領域について。

これは、一年前の転職時と同じく、一生勉強を続けられるくらい好きな領域に決めていました。

Webマーケティングという大きな領域ではすでに達成していたので、セグメントする場所をちょっと変えました。

選んだのは、ビジネスを作る余地があり、初期投資も少なくサービスを作れ、今後の発展が予測されるコミュニティの領域です。

そして働く場所の選定基準について。

選定にあたり、以下を自問自答しました。

マネージャーかプレイヤーか 
オールラウンダーかプロフェッショナルか
組織人かフリーランスか
リスクを背負うか背負わないか
大手かベンチャーか
今か5年後か
金か経験か

以上を踏まえてでた結論が下記になります。

効率よく経験をためられる代理店。
大規模案件も受注できるリソースを持った大手がいい。
経験重視で、プレーヤーとして自由に仕事可能。
自分の名刺で仕事ができればいい、勝手にTwitterやればいいじゃん。
別に起業にこだわりなし。独立するか、どこぞのベンチャーにいくか、それとも残るか、考えるのは30歳前後でいいや。

結果、インターネット広告代理店の、ソーシャルメディアに関する部署に就職しました。


Q:全員リスティング業界やめた方がいいの?
A:飽くまでも私の場合である。全然別の手段もとれた。

私は転職したことに後悔はなく、正解だったと思っています。

しかしこれは、私にとっての正解であり、ほかの悩めるリスティング業界人にも適用できるわけではありません。
確かにリスティング業界で生き残る力がある人も、そしてセンスがある会社もいるのです。

先日SEMパフェというイベントに参加しましたが、規模は大きくないながらも十年後生き残るであろう会社はありましたし、運用力、知見がありすぎて将来どうとでもなるであろう方がいらっしゃいました。

要は場所なんです。


まとめ:
転職の思考法というか、キャリアパスに関する思考を各自もっと自覚的に考えていこうぜ?

リスティングはぶっちゃけ面白い。いま正に働いている人なら、同意してくれるはずだ。
だからもし、今いる会社を辞める理由が働き方だけだったら、どこぞのイベントにでも行き、別の働き方を検討するといい。そして、私のように自問自答してくれ。

リスティングを一年、真面目に研究しながら取り組んだならば、あとはどうとでもなります。
人に物を売るという行為を、もっとも仮説、分析、管理運用、検証、数値化しやすい状態で、トライアンドエラーを超速で行える世界です。チカラがつかない訳がない。

問題なのは、「そのチカラを存分にいかせる働き方ができているのか」という事と、「市場で生き残るための変化ができるのか」という事なのです。

そして、このリスティング業界をやめた転職の思考法は、何もないところから突然思いついた訳ではない

自腹をきって休みも削り、セミナー、本、同業他社、転職アドバイザー、別業界の人、何歳も年上の人、投資家、起業家、私を知る友人に会って考えて決めたことです。

もし今いる場所で悩んで答えが出ないなら、きっとそこに答えはないのでしょう。
悩んでいる人は答えを探しに行こう。そして、働く業界人たちは、今を語り未来を語り、自分の考えの精度をあげていこう。それは自分のためになり、後輩たちのためになる。

以上

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