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kintoneモバイルでペーパーレス。

kintoneのモバイルがついにリニューアルされますね、正式なリリースは5月のようですが、先んじてプレビュー版を試してみました。(2019年3月10日現在)※詳しくは本家サイトご確認ください。
アプリの活用を周囲に勧めてはいたものの、正直なところあまり定着しなかったので、今回はとても期待しています。

ということで、モバイルの可能性を広げるべく、活用事例をご紹介します。「ペーパーレス化」が出来たよ、という話です。参考にしていただけたら嬉しいです。

モバイルを使う場面とは

慣れてしまえばモバイルでも何でも出来るようになりますが、慣れる前に諦めてしまう人も多いのでは無いかと思います。
そもそも画面が小さいし、一覧画面ではタイトルしか表示されず(※正式版では表形式になるようですね!)、詳細では全てのフィールドが縦に並ぶためどうしても長くなりがち。頑張らないと必要な情報にはたどり着けないのも分かる気がします。

でも、「モバイルだめじゃん!」と悲観的にならないでほしいです。シーンによっては今のままでも問題なく使えます。例えばこんなとき。

・プロセス管理で承認するだけ
会議や来客などが多い上席者におすすめ。例えば移動中などのスキマ時間にスマホでポチっとするだけ。メールチェックと同じような感覚で、未処理一覧を見るクセを付けててもらえばOK。
※リニューアルでプロセス管理は分かりやすくなりますね!ありがたい!

・新規で入力するだけ
決まったフォームに沿って入力するようなもの。何かの報告資料とか、社内アンケートとか。
新規レコード追加のみで、上から順に入力していくだけなら詳細画面もシンプルです。

他にもいろいろありそうですが、まずは、すべきことが明確でシンプルなもので慣れてもらうと良いのではないでしょうか。スマホでその場ですぐできるという手軽さは、何物にも代え難いです。

確実に報告を完了させる方法?

というわけで、「新規で入力するだけ」の事例をご紹介します。「研修の実施報告書を提出する」という内容で、このような背景があるとします。

・本社とは別に、実店舗が離れた場所に複数ある
・店舗では、新しく人を採用をしたら導入研修をする

研修当日、担当者は事前に印刷しておいた用紙をバインダーに挟み、報告内容のメモをしながら研修を進めます。研修後に内容をまとめて記入し店舗責任者へ提出。店舗責任者は確認後に捺印をしてから本部へFAXで送ります。本部で更に上長と本部責任者が捺印をして、ようやく報告完了です。後日の原本郵送も忘れずに。

月に数人という程度ならこのままでも問題無かったかもしれませんが、店舗数が増え人が増え、気づけば毎週研修をやっている!という状況になったらどうでしょうか。

「用紙を印刷しておくのを忘れた」「あとでFAX送ろう思ったのに用紙が無い」「送ったはずのFAXが届いていない」「とっておいたはずの原本が見当たらない」「用紙のフォーマットが変わった!?」「字が汚いって言われても・・・」

些細なことでも積み重なるとストレスになってしまいます。ここで取るべき手段は何でしょうか?無くさないようその都度FAXをする?FAXを送ったら「いま送ったから」と本社に電話?丁寧に書くための時間を確保する?

ちょっと待って!そもそも「紙」でやる必要あるの?

作成したアプリと工夫したポイント

そう、紙じゃなくていいですね!研修内容が最終責任者まで伝わればよいのです。

そうと分かれば「研修報告チェックシート」アプリを作りましょう。入力画面はこのようなイメージです。(せっかくなので新画面で。)

店舗スタッフは普段はkintoneを使っていないので、これを機に店舗専用のスマートフォンにアプリをダウンロードしてもらいます。研修報告用の共通アカウントでログインしたら、研修担当者は新規レコードを作成、内容に沿って入力していくだけです。提出はプロセス管理を使います。

kintoneに慣れていなくてもスムーズに入力が出来るよう、工夫したポイントをまとめました。

・ヒントをちりばめる
ラベルを使って細かく説明や記入例を入れています。また、地味ですが、今どれくらい進んでいるのか分かるように項目に番号を付けました。

・入力制御をしっかりする
「レコード登録時の日付を初期値にする」「必須項目や重複禁止の設定をする」「表記揺れが起きないよう店舗名などはプルダウンにする」といったことをしっかりやります。また、うっかり他のデータを消してしまわないよう、管理者以外の削除権限を外しておくことも忘れずに。
一部、Customineの力も借りて、△や×のときだけ備考欄の入力を必須にしたり、内容によって合否判定をしたり、ということもしています。
(Customineはノーコードでkintoneのカスタマイズが出来る便利すぎるサービスです。※詳しくは、やっぱり本家サイト見てください。)

業務フローのBEFORE・AFTER

導入前と導入後を比較してみましょう!まずは導入前。

ペン、印鑑、FAX、郵便と使うツールが多いですね。作業するタイミングもバラバラです。FAXをすることで書類の量が最終的に倍になっているのもツラいところです。

さて、導入後はどうでしょうか。

全員がkintoneを使用することで非常にシンプルになりました。図の意味あるのか・・・。
改善ポイントをまとめてみます。

・承認スピードが速い
リアルタイムに情報が反映するので、店舗と本社の間のタイムラグが解消されました。

・フォーマット変更や印刷し忘れの心配なし
入力フォームは変更した時点から反映しますし、印刷する必要が無いので何も気にしなくて大丈夫。

・送った送ってない、の確認不要
プロセス管理で確実に承認者に知らせることが出来ます。紙のような紛失の心配も有りません。

・郵送代などの経費削減
郵送しなくて良くなった分、コストを下げることが出来ました。

・字を書かなくて良い
手書きよりスマホのフリック入力の方が書ける、という人が多いのではないでしょうか?ついつい面倒になって「特になし」と書いてしまいそうな備考欄も、スマホなら詳しく書けそうです!

ばっちりですね!!

まとめ

目的は、「研修を正しく実施し、内容を責任者に報告すること」です。報告書を提出すること、ではありません。本来の目的さえ見失わなければ、より良い方法は自然と見えてくるのではないかな、と思います。

また、この業務改善では狙った以上の効果もありました。
研修が一度で終わらなかったとき、続きを別の店舗でも出来るようになりました。書きかけの書類を移動させる必要がなくなったからです。各店舗が持ち回りで研修を実施、お互いに助け合うことで更に効率が良くなりました。

データが蓄積されるので、どこで何人研修したのか、誰がどんな研修内容だったのか、といったことがすぐに分かるようになります。実施件数の多い店舗や、研修結果が良い人が多い店舗などを、何となくではなくデータをもとに分析することが出来ます。そうして見つけた優良店にナレッジを共有してもらい全体の質を高める、そんなことまで描けてきました。

改善したことで次のやりたいことが見えてくる、理想的な改善だと思います!こうなると、楽しいですよね。

今回は以上です、お付き合い下さりありがとうございました。

サポート嬉しいです、ありがとうございます。