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[自称・アイの女王]輿水幸子を語りたい

[自称・アイの女王]輿水幸子 特訓前イラスト

こんにちは、怪文書の時間です。これからの文章はだいたい妄言ですので話半分でお聞きください。

[自称・アイの女王]輿水幸子特訓前カードについて語りたいと思います。といっても幸子さんについて語ることはそんなにしません。担当アイドルではないので深く知らないからです。輿水幸子さんのことは幸子Pさんに聞いてください。きっといっぱい語ってくれるはずです。
じゃあなにかというと、私は右に映りこんでいる特急電車の座席のことについて語っていこうかと思います。
申し遅れました。私、中央線担当Pのサハ209と申します。以後よろしくお願いいたします。

https://twitter.com/imascg_stage/status/1504338008170168322

まずカード実装時期についてしっかり触れる必要があります。
2022年3月17日」にノワール限定アイドルとしてこのカードが描き下ろされ実装されました。同時にしんげきワイドも更新され、ライブ帰りに幸子さんが特急列車に乗って自宅に帰る漫画が掲載されています。
輿水幸子さんは出身が山梨県ですが、メモリアルコミュ5などで実家から
電車で事務所へ通っている
ことが示唆されています。カードイラストは幸子さんが東京から山梨に向かう特急列車で家に帰る情景だということをある程度デレマスに詳しい方なら想像できると思います。

イラストは座席を忠実に描いていることが分かる
中央線特急「あずさ・かいじ」で使用されていたE257系0番台

これらの情報を踏まえますと、この座席は中央線特急「あずさ・かいじ」号のものであることが分かります。座席に描かれたひし形の模様は
武田菱」と呼ばれ、中央線で使用されるE257系0番台という型式の車両でのみ採用されている柄です。4つの菱形は甲斐国を治めた武田家の家紋として知られ、武田信玄も使用していました。そこに春夏秋冬の鮮やかな4色と山嶺をイメージした銀色を足した5色の配置パターンを車内外にあしらった車両が、このE257系0番台という車両のデザインでした。
E257系0番台は2001年に登場し、中央線特急「あずさ・かいじ」を中心に
東京と山梨・長野方面を結ぶ列車として毎日活躍した車両でした。山梨から都会へ電車に乗って通った輿水幸子さんにとってみれば、自宅とアイドルの世界を結ぶかぼちゃの馬車のような、日常で非日常な存在だったかもしれません。山梨方面に向かう特急列車という記号として意図的にこの座席を描いたのは想像に難くありません。

このE257系0番台は2019年3月新型車両に置き換わり、
カード実装された2022年当時、現存しない車両でした。

その時走っていない電車が、デレステに実装されたのです。

E257系5000番台 毎日走っている電車ではない

と、現存しないんだぞと強調してみたのですが実際のところ2022年時点で武田菱の模様がついた座席は残存していました。新型車両の導入によって追い出されたE257系0番台は改造され、E257系5000番台という名前に変わって活躍しています。元々の白い車体に菱形が特徴の外装は大きな緑のラインをあしらったデザインに変更されましたが、車内の様子は座席の柄をはじめほとんど変化がありません。コンセントくらいつけて欲しいです。
そしてここからが中央線担当Pとして非常に強調したい話なのですが、
E257系5000番台は毎日仕事していない、特別なときにしか走らない車両なのです。
といってもこの車両が特別というわけではなく、普段仕事している車両が手が離せない場面でオールマイティに使うための車両として活躍しています。例えば大型連休に伊豆や房総方面の臨時増発や、修学旅行の子供たちを乗せて日光へ、あるいは普段特急列車が走っていない新潟方面の路線を走ることもあります。これを波動用車両といい、JR東日本には大昔から一定数の
日常使用しない車両が所属しています。
中央線特急列車は昔から利用者が多く、大型連休時には指定席が埋まるばかりか立席でもデッキが埋まり車内販売のワゴンが通れないほどの混雑します。そのため臨時列車は随時投入され、本数がさらに多くなる祝日や連休などでは通常の予備だけでは足りず波動用車両が使用されることも毎度のことです。普段走らないE257系5000番台が、かつての古巣であった中央線を走ることは連休の風物詩となっています。

普段走っていない武田菱の特急に乗ることは、
今日が特別な日だということを描いてると解釈できてしまうのです。

輿水幸子さんが実装されたのは2012年のことでした。当時はE257系0番台が毎日東京と山梨の間を走っていました。新型車両の導入を予定しているという報道記事すらありませんでした。幸子さんにとって見れば山梨から東京へ向かうために使うもので、完全なる日常であり、通勤であり、当然の景色だったはずです。きっとこれからのアイドルという世界に、武田菱の特急に乗って東京へ、一人で飛び込んでいったのかもしれません。
2013年にはCDが出て、2015年にはアニメに出演され、デレステに実装されていきます。総選挙ではいつも名前が上がります。
一方で2019年には武田菱の特急は中央線から姿を消し、あずさ回数券は廃止になり、アイドルとして活躍が広がるにつれ少しずつ現実も変わっていきます。

シンデレラガールズ劇場わいど☆ 503話より

10年後の2022年、ライブが終わりその帰り道、いつもと違う時間の特急で
一人帰るときに思い返すのはアイドルを始めた時には想像もしてなかった
仲間の姿でした。そして、その幸子さんが乗るのは普段走っていない
武田菱の特急電車です。ライブの日の帰り道という描写だからこそ祝日を示す記号として臨時列車というのは非常に解釈しがいがあります。

そんな臨時列車に乗って帰路につく幸子さん。いつのまにか日常の景色を追い越してアイドルの世界に浸り、仲間を思い返すとき、その背景に描かれた座席は、もはや経験のできない、
"アイドルになる前の日常"の景色でした。

もう10年前の日常は帰ってこない

アイドルマスターシンデレラガールズは10周年を越え、これからもきっと長く続くことでしょう。そんな中で、この時間の流れを感じさせるようなイラストには非常に衝撃を受けました。「背景画」だからこそ、この背景を考えて怪文書が生まれてしまいます。きっとこれからも衝撃を受けるストーリーがアイドルたちの手で、アイドルを越えて、描かれていくのでしょう。

中央線担当Pとして、"[自称・アイの女王]輿水幸子"をよろしくお願いいたします。

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