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木嶋神社(木嶋坐天照御魂神社)のゆわれ

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木嶋神社(京都市右京区)の云われを調べる機会ができたので、ここに書き記しながら思考整理でもやってみようかと思っています。 (僕は歴史学者ではないので一個人の見解となる表現も含ま… もっと読む
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僕は歴史学者ではないけれど、6〜7世紀あたりの史実ともなると、神話と区別できるのか不安だらけです。(木嶋神社の云われ)

僕が今住んでいる街(京都太秦)に引っ越してきたのは2011年12月。住まいは古い路地の中にあって、御神輿、消防団、町内会などの地域社会に関わりながら丸6年が過ぎたところです。 住み始めてから知ったことですが、徒歩5分ほどの生活圏に木嶋坐天照御魂神社(木嶋神社)や、国宝の弥勒菩薩半跏像がある広隆寺など、京都の中でもかなり古い時代から云われのある地域です。 昨年(2017)末からそんな木嶋神社の云われを調べる機会ができたので、ここに書き記しながら思考整理でもやってみようかと思

木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)、「蚕ノ社」や「木嶋神社」と呼ばれる京都太秦にあるお宮さん。

前回は「まえがき」 でしたが、今回はその続きとなります。 木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)は、京都府京都市右京区太秦森ヶ東町にある神社で、「蚕ノ社」や「木嶋神社」と呼ばれる京都太秦の地域の氏神様です。(「森ヶ東町」というのは境内の原生林が広がる一帯を「元糺の森」と差し、その森の東側付近の町名) 「その昔、平地が広がるこの一帯に、こんもりと巨樹が生い茂る森がまるで島のようであったことから、『この島』と呼ばれた。」っと、木嶋神社の宮司さんが何らかのメ

木嶋神社の年中行事。(リサーチが済んでいない。更新:2023年6月)

前回「木嶋神社(木嶋坐天照御魂神社)」の概要でしたが、今回はその続きとなります。 木嶋神社はその歴史や云われはボリュームたっぷりなことから全国から参拝される方が多いと聞きますが、地元の氏子にとってみれば、旧社格郷社ということもあってか、そんな大層な話でもなく身近な存在のように感じます。ちなみに、七五三、結婚式、地鎮祭なども執り行われているようです。 一 月■文化財防火運動 文化庁主催による全国一斉に開催される「文化財防火運動」の期間中、付近住民(森ヶ東町、森ヶ西町、森ヶ

養蚕神社(こかいじんじゃ)、通称「蚕ノ社」の云われ。

前回「年中行事」の概要でしたが、今回はその続きとなります。 「まえがき」で少し触れているが、6〜7世紀あたりの史実ともなると神話も半分になりそうで、伝承されている由緒書、近隣史跡の云われだけでなく、ネットから得れる情報も頼って整理しているけれど、今も昔も情報なんてものは、「勝てば官軍、負ければ賊軍」ということだけでなく、誰が何を目的として残したものかでその意味も捉え方も変わるもの。 。。。。。。。。。。。。 木嶋神社本殿の東隣に摂社として「養蚕神社(こかいじんじゃ)/蚕

元糺の池(もとただすのいけ)は枯渇していると聞くけれど。ちょっと違うようだ。

前回「養蚕神社(蚕ノ社)」の概要でしたが、今回はその続きとなります。 木嶋神社の周辺地域は、御室川と宇多川が合流し、その下流では天神川に合流している。土地の高低差は川なり程度で多くは平地が広がり、周辺の古い住宅や町内には古井戸が点在している。6〜7世紀当時の環境がどこまで残っているかは不確かであるが、農業・産業の発展だけでなく生活するにも適した土地であったと推測できる。 木嶋神社の由緒書「元糺の池(もとただすのいけ)」の箇所には、次のような内容が記されています。 嵯峨天

三柱鳥居(みはしらとりい)、三つの石柱で組まれた全国でも稀有の鳥居。

前回「元糺の池」の概要でしたが、今回はその続きとなります。 今回で木嶋神社の主要な特徴をまとめ終えようかと思います。ちょっとしたご縁があり調べ始めましたが、特に「三柱鳥居」はパワースポットとしても知る人ぞ知る存在らしく、さまざまな見解があるようです。 木嶋神社の由緒書「三柱鳥居(みはしらとりい)」の箇所には、次のような内容が記されています。 全国唯一の鳥居である。上段神池にあり、鳥居を三つ組み合わせた形体である。中央の組石は本殿御祭神の神座であり、宇宙の中心を表わし

秦氏(秦河勝・秦酒公)を祀る太秦の大酒神社と坂越の大避神社

地元の神社(木嶋神社)を調べることがあって、その流れ。 秦河勝(はたのかわかつ)は、603年(飛鳥時代)に広隆寺(蜂岡寺)を建立した人物。聖徳太子の懐刀として深い関係でもあったようで、弥勒菩薩半跏思惟像を授かると安置する場所として広隆寺を建てたとされる。 その広隆寺の東に「大酒神社(おおさけじんじゃ)」という小さな神社がある。その云われは養蚕神社(こかいじんじゃ)、通称「蚕ノ社」と類似する点が多く神仏習合の慣習を思うと広隆寺、養蚕神社、大酒神社、木嶋神社は一つの組織もしく