見出し画像

西脇市の染工場を訪れてから、tamaki niimeに寄ってからの鍛冶屋さん。

西脇市という言葉を聞いたのは今から15年ぐらい前だっただろうか...、

僕の仕事の一つにインテアリデザインに関わる領域があって、その当時アパレル会社の展示会や、そのアートディレクターが監修する協力会社の展示会など、デザインから設営、そしてディスプレイまでをお手伝いをしていたことがあった。

その会社はシャツを手掛けていたこともあって、当時の担当者が「西脇出張行ってきます!」とか言って、シャツの素材である先染織物の打ち合わせに向かって行った記憶がぼんやりと残っている。

京都駅からJR山陽本線で新快速に乗って、穏やかな瀬戸内の光景を眺めながら加古川駅に到着。少し時間があったので、駅構内のコンビニでサンドイッチと紅茶を買ってホームの待合室で軽く食事をとる。加古川駅から丹波市に向かって伸びているJR加古川線に乗り換えて西脇市に向かう(自宅からだとざっと3時間ぐらい...)。帰りは福知山経由もちょっと考えたが、小野市に戻ったこともあって普通に帰って来た♪

兵庫県は南北で瀬戸内海と日本海に挟まれている。馴染みのある瀬戸内海側はのんびりと穏やかな人が多い印象だったんだけれど、播磨平野の平たい景色のせいだろうか、内陸部の雰囲気はさらに穏やかな印象を感じる。


画像1

西脇市は緯度・経度から「日本のへそ(東経135度線、北緯35度線)」だと言われているようで、改めてGoogleマップで再確認すると、緯度は京都市とほぼ同じだった。かつての播州織の文脈から先染織物の産地として国内では重要な地域。

僕の解釈としては民話『鶴の恩返し』にあるように、全国の農村地はそもそも自給自足の文化が土台にあって、農業の合間に自分たちで使う分の織物を作ったり、余裕があれば売っていたんだと思っている(当時は物々交換か...)。 そう言えば、少し前に訪問した京都府木津川市の「相楽木綿伝承館」という施設にも、その土地で生産されていた「相楽木綿(さがらもめん)」があった。隣接する奈良の特産品である「奈良晒」の生産地だったらしく、絣が特徴だっただろうか...


染工場

画像2

今回、すでに西脇市で綿糸(未晒し)を調達しており、その綿糸を同じく西脇市にある染工場にて染色加工(合成染料)をしていただく打ち合わせで訪れた。

合成染料も時代と共に移り変わっている。原料の調達先はほぼ海外(中国)のようで、中国が先進国として発展していくことで、結果的に日本よりも厳しい環境基準もあるという話もあって、最近よく耳にするファクトフルネスの一端も感じる。

小一時間で打ち合わせは済んだので、お昼は近くに定食屋に行ってトンカツをいただく。さらっとソースが特徴だったので「西脇のトンカツソースはこんな感じ?」と聞いてみると、お店の独自レシピだった♪


tamaki niime

画像3

西脇市は、かの「横尾忠則」の出生地なんだけれど、最近だと先染織物の技術を生かしたふっわふわのショールが有名な「tamaki niime」の本部というかその自社工場、ショップ、レストランが一棟になった拠点があるので足を運んだ。

お恥ずかしながら播州織を知ったのはこの数週間前で、 tamaki niime を知ったのは同じ頃...。そんな流れで訪問してみると、透き通るような空気が建物の内外を覆っており、そこから生み出されているプロダクトがかなり良く、力織機が稼働している音すらも心地よいって思っていたら、店内のBGMとして再構築されていたわ♪ (西脇で音楽イベントあったら行くわー)


小野の鍛冶屋さん

画像4

西脇と加古川との間、少し南に向かったところに兵庫県小野市がある。そもそも播州(播磨)の歴史は古く7世紀ごろまで遡る播磨国(はりまのくに)で、都道府県にとって変わる前の地方行政区分ということから、姫路城をはじめ大名への献上品などモノづくりの歴史がある。当然刀鍛冶も多く営まれていたとされる。小野市に隣接する三木市の方が金物というとしては有名だろうか。

その小野市には「播州刃物」という産業があって、tamaki niime からの帰路に赤穂緞通でも使われている握り鋏(弥左エ門印)を作っている工場があるというので寄ってみることになった。

訪れたのは鋏職人である水池長弥さんの工場。工場に入ると特有の金属の匂いと歴史と共に油がこってり覆いかぶさっているような機械ハンマーが左右に何台も並んでいる。個々の機械ハンマーを見上げていくと天井の備え付けられた一本のシャフトとベルトで繋がっており巨大な背骨のようであった。水池さんは主には鋏とカミソリを生産されており、4年ほど前に九州(熊本だったか?)から弟子を志願して来られた青年が加わっていることもあってか、頑固な職人気質の雰囲気というよりかは何処と無くフレッシュさのある「活気」を感じた。

追記:ジモコロのインタビュー記事があった。(弟子をとられる前後の話が興味深いでっす!)


京都に限らず、どこの町工場も高齢化が進み後継者も無く厳しい現状であると耳にするが、名もない職人によって作られた道具は世界にも誇れる技術の上に生み出され、その道具を使うことで新たなモノが生まれていく連鎖が目の前に確かにあった。

そんな繋がりをちょっと知ってもらうことで新たな点が生まれていく。世の中、捨てたもんじゃないわ♪

#赤穂緞通 #工芸 #綿糸 #手織り #椅子敷き #赤穂ギャベ #西脇市 #先染 #小野市 #播州 #刃物

僕のnoteは自分自身の備忘録としての側面が強いですが、もしも誰かの役にたって、そのアクションの一つとしてサポートがあるなら、ただただ感謝です。