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祇園祭の御神輿から御霊還し(ル・プチメック コラム)

<補足> 令和元年、祇園祭1150年奉祝
2019年7月24日(還幸祭)は祇園祭発祥の地、三条又旅社に神輿三基揃った後、明治以前の姿を再現して、なるべく時間差を取ることなく三基が揃って三条通を東へ、寺町通を南へ.そして四条通から神社へと戻ります。
その為、各基で予定時間が変動。
・発輿(御旅所) 中御座 16:30予定、東御座 17:00予定、西御座 17:15予定
・着輿(八坂神社)中御座 22:30予定、東御座 23:00予定、西御座 23:30予定
この記事は2018年7月1日にル・プチメック コラムに寄稿した記事の全文転載です。

「コンコンチキチン、コンチキチン」という調べが町中で聞こえるようになると、京都の夏は一層熱気を帯びてくる。

京都の祇園祭は7月1日から31日までの1ヶ月間続くお祭り。数年前からは本来の日程に戻すということで17日と24日に山鉾巡行が行われるようになった。巡行の数日前からは宵山が行われ、車両規制で河原町通や烏丸通の大通りが人で溢れる。おそらく一般的にはこの山鉾巡行が祇園祭のクライマックスと知られている。

祇園祭は八坂神社の祭礼、八坂神社に祀られている主祭神は素戔嗚尊 (すさのおのみこと)とその妻である櫛稲田姫命 (くしいなだひめのみこと)とその子供たちになっている。子供は8人いて八柱御子神 (やはしらのみこがみ)と一括りで呼ばれており、祇園祭期間中に神幸祭と還幸祭という行事があって、それが17日と24日にあたる。その両日の夕方から深夜まで主祭神三基の神輿が町中を練り歩くのが祇園祭の神輿渡御で、その日中に開催される山鉾巡行は町中の穢を祓う役割となる。

三基の神輿は中御座、東御座、西御座となり、それぞれの神輿会(三若、四若、錦)に属する多くの担ぎ手(輿丁)によってご奉仕されている。その一つ、西御座の進行方向に向かって左手中央(胴)が僕の持ち場となっている。

ふりかえると2009年。得意先の方が祇園祭の御神輿のご奉仕をされており不意にお誘いを受け、僕が初めて担ぐ御神輿は八坂神社の西御座となった。晒、木股、足袋などを新調して、緊張と共に当日を迎える。神輿初心者ということから兎に角がむしゃらに挑んだんだけど、肩から首にかけてスリ傷や打撲痕が残ったのはすでに懐かしい。

神輿を担ぐ際の注意事項として初心者の僕が聞いていたのは

・神輿の中央は胴と呼ばれ、片側4人で担ぐ(5人の時もあるけど、赤法被の指示に従う)
・前の人の肩に手をやって並んで神輿につく、割り込みはしない
・声掛けをしてから、担いでいる人の前から入って入れ替わる
・片側4人で合わせて入れ替わる、前の4人と合わせて8人になる瞬間に腰を入れ神輿を上げる
・前に担いでいた人は、速やかに神輿から離れて後ろに回る
(この繰り返し、無理をするな)

今でも鮮明に残っている光景なんだけど、町を練り歩く中、僕らが担いでいる御神輿に向かって、ご年配の方々が手を合わせお辞儀をされているのが目に入る。そう、御神輿には神様が乗っておられるのだ。

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担ぎ手に配られる榊「蘇民将来之子孫也」


せっかくなので、西御座の渡御ルートのご紹介。

<7月17日:神幸祭>
・18時頃、八坂神社石段下にて差し上げ(三基の神輿と共に発興)
・四条通を西へ、花見小路を南へ
・団栗橋に向かって西へ、川端通を北へ
・四条通を東へ、大和大路通を北へ
・古門前通を東へ、元有済小学校にておにぎり休憩(ここで神輿の提灯を灯す)
・大和大路通を北へ、川端通から三条大橋を西へ
・木屋町通を北へ、二条通を西へ
・二条寺町を南へ、三条通を東へ
・河原町通を南へ、四条通を東へ
・木屋町通を南へ、松原通から河原町通を北へ
・四条河原町を西へ、御旅所にて差し上げ(先に二基の神輿はすでに着興)
・23時半頃、着興終了

<7月24日:還幸祭>
・18時半頃、御旅所にて差し上げ(先に二基の神輿はすでに発興)
・四条通を西へ、寺町通を北へ
・寺町錦から錦市場内を西へ
・東洞院通までで折り返し
・高倉通を南へ、河原町通を西へ
・東洞院通を南へ、高辻通から烏丸通へ
・烏丸通を北へ、大政所御旅所(旧御旅所)で奉納
・河原町通を東へ、東洞院通を北へ
・姉小路通を西へ、油小路通を北へ
・御池通を西へ、大宮通を南へ
・二条陣屋前で差し上げ、おにぎり休憩(ここで神輿の提灯を灯す)
・大宮通から三条通を東へ、御供社で奉納
・三条通を東へ(隔年で京都文化博物館前と千總前にて丹波八坂太鼓)
・寺町通を南へ、河原町通を東へ
・八坂階段下で差し上げ
・23時頃、八坂神社南楼門から境内に入り、担ぎ回ってから拝殿に収める
・0時頃、御霊還しにて神々は本殿へ

(記載以外の各所でも差し上げあります)

三基の神輿が順に境内に入って、拝殿周りを数周ほどひときわ激しく担ぎ回ってから拝殿に収められ渡御が終わる。間もなく境内の灯りが消されて御霊還し(御神霊還し)が始まる。この動から静への切り替わりが祇園祭のもっとも素敵な時間。

もしも機会があれば21時頃(7月24日還幸祭)から八坂神社拝殿付近にいると三基の神輿をすべて観れると思います。ホイット、ホイット♪

以前作ったGoogleマイマップからもご覧いただけます。
京都 祇園祭(前祭)7月17日 神幸祭 神輿ルート
京都 祇園祭(後祭)7月24日 還幸祭 神輿ルート

この記事は2018年7月1日にル・プチメック コラムに寄稿した記事の全文転載です。
<補足> 令和元年、祇園祭1150年奉祝
2019年7月24日(還幸祭)は祇園祭発祥の地、三条又旅社に神輿三基揃った後、明治以前の姿を再現して、なるべく時間差を取ることなく三基が揃って三条通を東へ、寺町通を南へ.そして四条通から神社へと戻ります。
その為、各基で予定時間が変動。
・発輿(御旅所) 中御座 16:30予定、東御座 17:00予定、西御座 17:15予定
・着輿(八坂神社)中御座 22:30予定、東御座 23:00予定、西御座 23:30予定


そして、この記事の編集後記はこちら。

#コラム #祇園祭 #祭 #御神輿

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