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アロマ調香デザイナー|AEAJ認定 アロマテラピーインストラクター&アロマブレンドデザイナー|パーソナル空気清浄機『WYND』オプション「かおりいね」開発協力|『生活の木「アロマの日」フレグランスコンテスト2018』優秀賞 ★ https://www.sai-taka.com/

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    ふと、頭に浮かんできた物語です。

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Thanks to aroma|慌ただしさに、ホッとひと息。

昨年末、忙しさの中でも気持ち良く過ごしたくて、つくったブレンド。 no.8 Yuzu Orangesweet Lemon Teatree Juniper Hinoki Sandalwood ユズとオレンジの甘く明るい香りが、 心身を温めてくれます。 すっきりとしたジュニパーの香りは、 精神疲労をケアしつつ、やる気をアップ。 つい浅くなりがちな呼吸を整える、 ヒノキとサンダルウッドの香り。 レモンとティートリーで、 風邪やウイルス対策も忘れ

    • Thanks to aroma|マラソン大会の香り

      昨年、初めてハーフマラソンを完走。 その時、心身をサポートしてくれる香りが欲しくてブレンドしました。 no.6 Lemon Lime Ravensara Tea tree Clary sage Benzoin トップには、集中力をアップさせるレモンとライムと、心身に活力を与えるティートリー。 緊張を和らげるクラリセージをミドルに。 呼吸を楽にするベンゾインをベースに。 落ち着きを取り戻し、呼吸を整えるラヴェンサラをくわえて。

      • Thanks to aroma|あたためる

        急に寒くなると、体調を崩しがち。 風邪をひきそうな時、また、ひいてしまった時。 こんな香りはいかがでしょうか。 no.5 Tangerine Bergamot Sweet Orange Lavender Marjoram Cedarwood 優しい柑橘の香りで、 ネガティブな気持ちを取り除く。 ハーブ系の香りで、 心身をあたためてリラックス。 ウッディ系の落ち着いた香りで、 気持ちを安定させる。 風邪は、ひき始めのケアが肝心。 無理せず

        • Thanks to aroma|スダチ精油との出会い

          アロマフェアで見つけた、徳島県産のスダチ精油。 香りを嗅いでいて、花の香りと組み合わせたくなりました。 no.4 Sudachi Sweet orange Tea tree Ho leaf Ylang Ylang Frankincense 最初に香るスダチは、シャープですっきりとした中にほのかな苦味を感じる香り。 時間の経過とともに、香りの変化も楽しみながら。 (写真は、家にあった徳島県産のスダチ)

        Thanks to aroma|慌ただしさに、ホッとひと息。

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        記事

          アロマクエスト|(18)|使命-2

          島から出た船は、近くの大陸に向かっていた。 海は荒れることもなく落ち着いている。天候も良好だ。 「ボク、水は苦手でね。しばらく外に出ないようにするよ。」 カオルが身につけたブレスレットから、メンタの声がした。 「ねえ、どうしてキミはあの島に来たの?」 カオルは、前から思っていた疑問を口にした。 「う~ん、勘かな。」 「勘って…。本当に?」 「冗談、冗談。ボクは『香りの女王』から指示を受けて動いているんだ。」 「香りの女王?」 「そう、香りの女王。オーダレス

          アロマクエスト|(18)|使命-2

          アロマクエスト|(17)|使命-1

          旅の準備は、予定よりも早く終わった。 出発の朝を迎え、カオルはやや緊張した面持ちで船に乗り込む。 見送りに来ていた村長たちが、声をかけた。 「気をつけるのじゃぞ。」 「元気でな。」 「辛くなったら、いつでも戻っておいで。」 「ありがとう。じゃあ、いってきます!」 カオルは、手を振りながら答えた。 船は、ゆっくりと島から離れていく。 カオルが乗った船を、見えなくなるまで見送った村長たちは、心配そうな表情で語り合う。 「とうとう、この日が来てしまったな。」村長

          アロマクエスト|(17)|使命-1

          アロマクエスト|(16)|旅立-8

          「準備ができたら、出発しよう。いい?」 カオルは身寄りがなく、村長の家に引き取られて育った。 そう多くはない荷物をまとめ、村長たちに挨拶をして家を出る。 旅立つのに、そう日数はかからないだろう。 「2日もあれば、行けるよ。」 「わかった。」メンタは、そう言いながら何かを取り出した。 「まず、これをキミに預けるよ。」 手渡されたのは、ブレスレットのようなものだった。 小さく、水晶のような球体が連なってできている。 「これは?」 「アロマル使いに必要なものさ。

          アロマクエスト|(16)|旅立-8

          アロマクエスト|(15)|旅立-7

          「そういえば、さっきのことだけど。」 「なんのこと?」 「あの黒い影を倒したら、人間に戻ったじゃないか。 あれって、どういうこと?」 カオルがたずねると、メンタは答えた。 「スウェイング・シャドウは、もともと人間なんだ。 襲われた人の心身のダメージが一定以上大きくなると、変身してしまう。 ボクたちアロマルは、キミのような能力を持つ者が念じた通りに姿を変えて、スウェイング・シャドウと闘う。 スウェイング・シャドウに変化していた人間を、『癒やす』ことで救うことがで

          アロマクエスト|(15)|旅立-7

          アロマクエスト|(14)|旅立-6

          あれは、いつのことだっただろう。 香りがこの世界からなくなったのは、まだ小さい頃だった。 周囲の大人が、話しているのを聞いて知ったのだと思う。 そのことが、カオルには不思議だった。 なぜなら自分は、まだ香りを感じることができたからだ。 しかし、他人に話す気にはなれなかった。 自分だけがみんなと違う。 そう思われるのが、なんだか怖かったのだ。 だから黙っていた。 しかし今、目の前にいるメンタには、素直に答える気になった。 「うん、わかるよ。」 それを聞くと

          アロマクエスト|(14)|旅立-6

          アロマクエスト|(13)|旅立-5

          男を見送ってしばらくすると、肩に乗ったメンタが話しかけてきた。 「もう一度、森に行こう。大事な話があるんだ。」 ふたたび、森へ戻ってきた。 先ほどの出来事が、ずいぶん前のことのように感じる。 メンタが、肩から降りると口を開いた。 「えっと、まず、キミの名前を教えて。」 今さらながら、自分が名乗っていないことに気がついた。 「僕の名前は、カオル。」 「カオル……いい名前だね。」 メンタは、笑顔でそう言った。 「ボクが見えているということは、キミ、香りがわかる

          アロマクエスト|(13)|旅立-5

          アロマクエスト|(12)|旅立-4

          倒れた黒い影は、だんだんとその姿を変えていく。 ゆらゆらと揺れる輪郭が、次第にはっきりとしたものに変わった。 そこには、確かに人が倒れていた。 「なんとか間に合ったみたいだ…。キミは、この人を救ったんだよ。」 そう言うと、メンタはホッとした表情を浮かべた。 「う、う…。」 倒れている人が、意識を取り戻したようだ。 少年は駆け寄る。 「お、俺はいったい…。」 「大丈夫ですか。何があったんですか?」 倒れていた男は、語りはじめた。 「ああ…だんだん思い出して

          アロマクエスト|(12)|旅立-4

          アロマクエスト|(11)|旅立−3

          「ど、どうやって?」 緊張した面持ちで、少年はたずねた。 こうしている間にも、黒い影が迫ってくる。 「何か、武器をイメージして!」 少年は、扱うのが得意な武器をイメージする。 数秒後、緑色に輝く光の矢が出現した。 「こ、これは…」 おそるおそる見ている少年に、メンタが口を開いた。 「これは、ボクのエネルギーを形にしたものだよ。これで攻撃するんだ!」 いつの間にか、メンタと名乗った生き物は少年の肩に乗っている。 不思議と、ほとんど重さは感じない。 よく見る

          アロマクエスト|(11)|旅立−3

          アロマクエスト|(10)|旅立−2

          最初は気づかなかったが、よく見ると、何か小さな生き物がこちらに向かって走ってくる。 色は青みがかったグリーン。 大きさは、ウサギより大きくネコより小さいくらいか。 こんな生き物は、今まで見たことがない。 「ひょっとして、ボクが見える…?」 その生き物が言葉を発したので、さらに驚いた。 「うん、見えるよ。それより、大丈夫?」 「あんまり…。それより、力を貸して!」 「…っていうか、君の名前は?」 「ああ、そうだったね。ボクの名前はメンタ。くわしい説明してる時間

          アロマクエスト|(10)|旅立−2

          アロマクエスト|(9)|旅立−1

          ある日から、「香り」がなくなった。 生態系バランスの崩壊。 人の心と身体の衰弱。 スウェイング・シャドウの増殖。 人々は、環境の変化に怯えながら、日々を過ごしていた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 周りを海で囲まれた、小さな島がある。 大陸の人々からも、その存在を忘れられた島。 意外なことに、その島には人が住んでいた。 荒れ果てた平原を走る、ひとつの小さな人影。 小動物を追いかけているようだ。 最近見かけない、久しぶりの獲物である。 持って帰れば、みんな

          アロマクエスト|(9)|旅立−1

          アロマクエスト|(8)|変化−5

          そのモノたちは、いつから現れたのだろうか。 姿形は人のようではあるが、全体的に色彩というものがない。 顔の部分も、はっきりと判別できない。 まるで影法師のように、ゆらゆらと揺れている。 言葉を発することもない。 気がつくと、背後に立っている。 物理的な攻撃があるわけではない。 ただ、その姿を見てしまうと心身の不調が現れるのだ。 不安感。 焦燥感。 イライラ。 脱力感。 胃腸の不調。 吐き気。 頭痛。 肩こり。 呼吸器系の不調。 血圧の上昇。 どうやら、その人

          アロマクエスト|(8)|変化−5

          アロマクエスト|(7)|変化−4

          さらに数年が過ぎた。 香りを活用していた植物たちは、その恩恵を受けることができず、動くこともできないため、少しずつ姿を消していった。 動物たちも、弱いものは外敵の匂いを察知することができずに襲われ、また、強いものも食べ物を探すことが困難になり、日を追うごとに数が減っていく。 生態系のバランスが崩れ、自然は荒廃していった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 香りがなくなり、人々は 楽しむことも 癒やされることも 元気づけられることも 気持ちを切り替えることも 凍り付いた心

          アロマクエスト|(7)|変化−4