冒険の扉

アロマクエスト|(0)|イントロダクション

これは、どこか遠い世界の物語。

古来より、人々は自然界の恵みである「香り」を、さまざまなことに利用していた。

時代が下り、技術が発達すると、香りの成分を人工的に合成できるようになる。そして、人々の要求にともない「香り」は倍増していく。

時代がさらに進むにつれ、人々は「におい」に敏感になっていった。

ある時は、好ましくない「におい」に対して強力な消臭剤を用い、またある時は、自分好みの香りをできるだけ長く感じるため、人工香料でつくられた芳香剤を多用する。

これまでとは比較にならないほど、多くの合成された香りが世界にあふれたのである。

そして異変は、突然おとずれた。

―世界から、香りが消えてしまったのである―

嗅覚を感じられない人類は、香りの恩恵を受けることができなくなり、世界は混乱した。

生態系が乱れ、荒廃する大地。

心身が病んでいく人々。

そして、どこからともなく魔物が現れるようになる。

皆、恐れと不安の中で毎日を過ごしていた。


人里離れた島に住む、ひとりの少年。

彼には、香りに関する不思議な能力が備わっていた。
ふとしたきっかけから、少年は旅することを決意する。

なぜ、「香り」は消えてしまったのか?
世界に「香り」を取り戻す方法はあるのか?

少年の旅が、今はじまる。

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