マルセル・モース「贈与論」を読みながら考える都会人の半農生活

「多くの交易が遠くまで、島から島へ、港から港へ行われた。昔から品物の伝播に限らず、交換の方法も遠くにつたえられた。」

「我々は『オロワは外からの財産』、『トンガは元々の財産』としたターナーの訳を無視する事が出来る。
しかし、全く利点がないわけでもない。
と言うのも『トンガ』と呼ばれるある種の財産は『オロワ』と呼ばれる財産よりもいっそう土地、クラン、家族、人に結びついていることを示しているからである。」
(マルセル・モース 贈与論 ちくま学芸文庫)

この間、モースの「贈与論」を読み始めたのですが、

なかなか面白いです。

都会人の半農生活を考える上で、貴重な手がかりを与えてくれそうです。

例えば、モノだけが運ばれるのでなく、交換の方法も伝えられていると言うお話。

都会人と農村の人たちでは、「交換」についての考え方が違う時があるように思います。

それから、「土地」についての考え方の違い。モースがここで言及している「オロワ」、「トンガ」と言う区別が当てはまるのかどうか分かりませんが、土地や家族、親族に結びついている事柄とそうでない事柄と言うのが、耕作放棄地問題にも関係しているように思います。

後、旧約聖書やギリシャ神話、日本書紀などの古典・原典を読みながら、農業や環境問題について考えていく上でも、違う文化集団が出会った時、「交換」の方法がお互い違った場合、どういう風に対処していくのかとか、土地や家族に結びついている事柄とそうでない事柄の違いとか、

そういう部分が古典や原典ではどう表現されているのか、

そういった事を考える手がかりにもなりそうです。

贈与論の感想については、また書いていきたいと思います。



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