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紹菜(タケノコ白菜)の煮浸しにカタクリ粉溶いていて、工業物理化学ってなにかって分かりやすい説明を思いつきました。

紹菜や山東菜のような大陸系白菜は、日本の白菜に比べて水気が少なく、玉をまくと言うより「バサバサ」な感じがします。

と言うより、中国や韓国では、「バサバサ」だった白菜が日本に入ってきた後、「水気が多い」方向に品種改良されて、日本の白菜が生まれたと言う方が経緯としては正しいのですが・・・

とにかく、その紹菜を煮浸しにしてみようと思って、どうせなら、豚肉入れてみるか、味付けも洋風にみりん入れないでクローブとか入れてみるかとかやっているうちに、カタクリ粉溶かしてみよって

どうも成り行き任せで料理していて・・・

カタクリ粉は熱いお湯の中にそのまま入れるとかたまってしまうので、いったん、水で溶いて、それから汁の中に流しこみ、かき混ぜるわけです。

こうするとカタクリ粉を溶いた液が汁の中に混ざった後、かたまっていくので、皆さんよくご存知のようなドロっとした汁が出来て、その中に味が閉じ込められるので、旨味を堪能できる

となるわけですが・・・

カタクリ粉を水で溶いた場合、お塩やお砂糖のように水に溶けるのではなく、粉のまま、水の中に漂っています。

こういうのを「分散」と言います。

そして、カタクリ粉を水で溶いたもの(カタクリ粉が分散している溶液)を汁に流し込んでカタクリ粉は汁全体に分散していきます。

熱い汁の中でカタクリ粉が「ドロッ」となる、これはカタクリ粉に含まれているデンプンが「アルファ化(糊状に変わること)」・・・このアルファ化が起きるから、ご飯が炊けたり、里いもがフックラするのですが・・・が起こった結果です。

汁の中にカタクリ粉が分散する前にアルファ化が起こると一ヶ所で「ダマ」が出来て、汁全体が「ドロッ」としません。

つまり、カタクリ粉の分散速度 > カタクリ粉のデンプンのアルファ化速度

だから、カタクリ粉を入れて、汁を「ドロッ」とさせることが出来るわけです。

そして、分散がアルファ化より早く起きるように、直接、カタクリ粉を汁に入れずに、いったん水で溶いてから汁の中に入れてかき混ぜると言う方法が取られているわけです。

でまぁ、工業物理化学と言うのは何かというと、この例えで言うと「カタクリ粉をいったん水で溶いて汁に流し込み、かき混ぜる」と言う方法を研究しているのではないのです。

そうではなくて、「移動速度論」と言う言い方をしていますが、カタクリ粉が汁の中に分散する、これはカタクリ粉の「移動」です、

デンプンのアルファ化、これはデンプン粒子に熱が伝わって起きるので、熱エネルギーの「移動」が前提です。

このカタクリ粉なり熱エネルギーなり、つまり、物質やエネルギーがどのくらいの速度で移動しているかみたいなことを考えている学問です。

でまぁ、カタクリ粉が入ってダマにならず「ドロッ」とした「うま煮」が出来るためには、カタクリ粉の分散速度がデンプンのアルファ化より早く起きることが必要だみたいな「法則」を発見して、

喜びに浸る(化学者の自己満足(爆))・・・

ってのが、工業物理化学なわけです。

さて、日本の雑草達は、大雑把に言えば、秋に芽生え、越冬して春に繁茂する春雑草と、春に芽生え、夏に繁茂する夏雑草に分けられるそうです。

春雑草は5-6月頃に枯れてきます。

すると、春雑草に覆われていた地面に徐々に日光が届くようになり、夏雑草が芽生えやすくなります。

この間、4-5月上・中旬にかけて「苗の周りだけ除草」みたいなことをしていたのは、「どうせ5-6月になれば春雑草は枯れるし、今、畑全体を一生懸命除草しても、地面に日光が当たりやすくなって夏雑草が早めに生えてくるようになるだけだから無駄な努力、むしろ春雑草が生えていた方が夏雑草が生えるのを遅らせられる」って発想に基づきます。

こうして畑に残されていた春雑草達も、5月後半に入り、徐々に枯れてきて、地面が露出してきました。

こうして出来た地面の露出部分からシロザやイヌビユ、メヒシバのような夏雑草が生えてきています。

さて、シロザやイヌビユは人の背丈を超えるほどの高さになります。

5-6月から放置しておくと、だいたい7月頃にシロザやイヌビユの「ジャングル」が出現します。

この人の背丈を超える草のジャングル状態では、株元には日の光がささず「ジメジメ」した状態になって他の草が生えにくいと言えます。

ジャングル状態を除去すると、メヒシバのように地面を這いながら覆っていくタイプの夏雑草が生えやすくなります。

ジャングル状態が出現するのは、7月頃、つまり、年間でもっとも日射高度が高くなる夏至を過ぎて、立秋(8/7頃)・・・まだまだ暑い時季ですが、太陽の高度は下がってきていて、梅雨明け十日(=大暑とか小暑と言って、年間でもっとも暑いとされる時季にほぼ一致しています)を過ぎた時季・・・に向かう段階です。

2021年と2022年を比較すると、シロザやイヌビユのジャングルを撤去出来たのが2021年の方が遅かったのですが、その後の夏雑草メヒシバの繁茂は2021年の方が少ない様子が観察されました。

つまり、早めに「ジャングル化」状態の夏草を撤去すればよいかと言うと、そうでもなく、秋野菜の植付け準備をするための草取りの手間を考えると、

やや遅めにした方がメヒシバの生育期間が立秋に向かう時季に差し掛かって、繁茂の速度が遅くなるため、返って手間がかからず、秋野菜の植付けがスムースに進むとも言えるわけです。

それで、今年なのですが、夏場の「ジャングル化」を阻止すべく、4-5月は、「苗の周りだけ除草」とともに、春雑草の隙間からシロザやイヌビユのように夏場、人の背丈を超えてジャングル化の原因になりそうな草を見かけたら、片っ端から抜くと言う対策を試みています。

では、この春雑草の「苗の周りだけ除草」と「ジャングル化雑草除去」を併用したまま、6月に春雑草が枯れて地面が露出してくるとどうなるでしょうか?

おそらく、「ジャングル化」状態になる場所は少なく、その分、メヒシバのように「地面を這って茂る草」が多くなるのではないかと思われます。

そして、その時季は、一年でもっとも日射が強い夏至、もしくは夏至からあまり時間が経っていない「梅雨明け十日」、「大暑」、「小暑」の時季に当たってくると思います。

ですから、春雑草の「苗の周りだけ除草」+「ジャングル化雑草除去」をしていると、

今度は、メヒシバのような「『地面を這って茂る雑草』が茂り放題」になると思われます。

では、夏至から大暑の時季にかけて、茂り放題になった「地面を這って茂る雑草」達は、夏場、どのように生育して、いつ頃枯れ出すでしょうか?

「取っても取っても草が生えてくる」式の考え方で、夏場に十分、雑草の観察をしないで、ひたすら草取りをしているだけだと、「地面を這って茂る雑草」達がどのように生きているのかが分かりません。

確かにメヒシバのように「地面を這って茂る雑草」は、夏場に野菜の生育をかなり妨害します。また、地面に這うように伸びた茎からも根が出て、地面を「ビッシリ」覆うので、草取りの手間もかなりかかります。

このため、この手の雑草は「強勢雑草」などと呼ばれています。

しかし、やはり、「敵を知り己を知れば、百戦危うからず(敵の事も自分の事もよく知っていれば、何度戦っても勝つことができる)」と言う孫子の言葉通り、

草取りの手間を減らしていくには、雑草がどういう風に芽生えて、育ち、枯れていくかと言う様子を観察することが大事だと思います。

と言うわけで、今年の夏は、メヒシバの観察をしたいと思います。

5-6月の最高気温の平年値(上のグラフの青い線)を見ると、

基本的な水準は上昇しつつ、比較的高温になる時季と低温になる時季が交互に来ていることが分かります。

低温期は直前の高温期より約1℃程度低い水準にあります。

平年値では5/29頃、高温期が終わって低温期になり、次の高温期が6/1頃始まります。6/9頃からまた低温期になり、6/16からまた高温期になります。

そして6/21頃再度低温期になり、6/27頃から高温期となります。

数日から1週間ぐらいの幅で低温期と高温期が入れ替わっているわけです。

現時点での2週間予報をみると、例年高温期となる6/7頃まで雨の日が多く、むしろ平年値を下回る状態となっています。

低温期と高温期の交代は、梅雨前後に雨が比較的降りやすい時とそうでない時があることを示唆していると思います。

高温期は梅雨の中休みで晴れて日射が強い時季だとも考えることが出来ます。

今年は「空梅雨」予想が出ていますが、例年より低温期が早く、逆に例年なら雨が降って低温期になる時季が高温期化する・・・

つまり、「梅雨の前倒し」状態になっているのではないかと思われます。

この「空梅雨=例年より早い6月の高温期」状態の時季に農作業をどう進めるべきでしょうか?

考えさせられます。

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