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「楽な雑草の管理方法」を目指して…過去3年間の「草取りの方法」と「雑草の生え方」の関係を考察してみると

夏になると、畑に生えてくる雑草。取っても取っても生えてくる、嫌になってしまいますね。

ただ、草が生えてきた、だから取る、でも、また生えてきた、また取る、また生えて…
と言うように、「雑草が生えてきた」現象をただ追いかけるように草取りするのでなく、自分がやった草取り(あるいは草を取らない)の行為と草の生え方の関係を考えてみる事は「楽な草取り」、「草取りの手間を減らす」管理方法を考えてみる上でとても大切なことなのです。

今回は、過去3年間の僕自身の「草取り」の方法と「草の生え方」の関係について振り返ってみることにしました。


コロナ禍の宅配需要急増が引き金。通作型半農半Xでフルタイム農家と同程度の面積を耕作することに…

実は、この雑草対策奮戦記(?)は、コロナ禍が勃発した2020年の宅配需要急増が引き金でした。
地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケット」には、連日のように申し込みが来て、え?、また来たの?と目が点になるほどでした。
既存のお客さんからも「ウチにはお野菜便があるから(買い物にいけなくても)安心」と言われました。
従来の倍ぐらいに膨れ上がったお客さんの数を見て、従来耕作していた1反半(1500平米)の畑だけでは供給が追いつかないと考え、新しい畑を借りる事を考えました。
と言っても、せいぜい1反(1000平米)か1反半ぐらい増やせばいいだろうと思っていたのですが、相談に行った農業委員の方が見せてくれた畑は、まさかの3反(3000平米)。
畑を見に行った足でそのまま地主さんのところに連れていかれました。地主さんは「やるなら全部でしょ」と発言。成り行きでそれまでの畑と合わせて4反半(4500平米)を耕作することになりました。
今までの3倍の面積です。
実は、僕の野菜づくりの師匠が耕していた面積が4反半です。他にも近隣の野菜農家さんで4反半程度を耕している人を何人か知っていますが、いずれも「フルタイム農家」です。
かくして、通作型・半農半Xの僕が、フルタイム野菜農家さんと同程度の面積を耕作することになったのです。

初年度…電動刈払機は馬力不足。ガソリン刈払機を導入。

こうして、2021年から従来の3倍の面積を耕すことになりました。
半農半Xとしては「上限」に近い、ことによると上限を超えた耕作面積かもしれません。

だいたい、梅雨の走りの5月下旬頃から畑の雑草は勢いを増してきます。
足元でチョロチョロっと生えていたかと思うと次の週には膝ぐらいの高さになり、その次の週には腰ぐらいの高さに、そして、その次の週には胸や肩ぐらいの高さになって・・・

と6月半ばには人の背丈を超えるほどの雑草が繁茂します。

それまで小さな面積でやっていた時は、あまり「機械化」を考えず、手で除草していました。
しかし、広い畑に生えた草を前にして、手作業では追いつかない、刈払機を導入しようと決意するに至りました。

刈払機については、野菜づくりの師匠のところで実習していた時、使った事があります。その時はだいたい2反(2000平米)の畑を真夏にガソリン刈払機で1日かけて草刈りしました。

刈払機があれば、3反の畑なら1日半で出来るだろう・・・そう考えて導入を図ったわけです。
ただ、ガソリンでなく、電動にしよう、やはりこれからはEVの時代だ、そう考えたわけです。
そこでマキタの電動刈払機を購入したのですが、実際に使ってみると、1日どころか1-2時間でバッテリーが切れてしまいます。
追加のバッテリーを購入、2つのバッテリーを自宅で満充電して畑に持っていき、交換して草刈りするとどのくらい作業できるか、試してみました。
確かにバッテリー2台だとなんとか半日ぐらい電池が保ちます。ただ、背丈を超えるほどに生長した草は茎も太く、18Vバッテリー駆動の刈払機では、馬力不足で刈るのに時間がかかりました。

電動ではダメだ、やはりガソリン式のものを買おう・・・こうして、ガソリン式刈払機の購入に踏み切ったわけです。

試行錯誤している間に繁茂した背高雑草をガソリン式刈払機でなぎ倒すことが出来たが…

こうして、手作業から電動刈払機導入、バッテリーの追加購入、ガソリン式刈払機の導入と試行錯誤をしているうちに1ヶ月半ぐらいが過ぎてしまいました。
ガソリン式刈払機で草刈りができるようになったのは7月末。
背丈を超える雑草が畑一面に繁茂している状態でした。
それでも、ガソリン式刈払機はやはり馬力があり、他の農作業の合間の草刈り作業でも、背高雑草を1-2週間でなぎ倒すことが出来ました。
来年は、梅雨の走りの時季から刈払機を使える、草刈り作業はもっと楽になるはずだ。
そうした期待を持って夏を終えました。しかし、翌年、この期待は見事に裏切られることになります。

2年目…むしろ裏目に出たガソリン刈払機の早期導入

2年目となった2022年、今年は早めにガソリン刈払機を使って草を制圧していこうと、動き出しました。
ところが、それで草刈り作業が減ったかと言うと減りません。
2021年は背高雑草を除去した後、あまり夏草が生えませんでした。ところが2022年は、背高雑草を刈り取ると夏草が生えてくるのです。この夏草除去に追われて、秋野菜の植付は2021年よりむしろ遅れました。
後で、草地管理のNPOの人の講演を聞いたり、雑草生態学の本を読んだりして分かってきたのですが、刈払機を使う事は「裏目」に出ることがあるようなのです。

なぜ、早期の刈払機導入で夏草がかえって繁茂するのか

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