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農業をしたいと相談に行くと農業委員会の窓口ですれ違いになる理由・・・通作型半農生活のススメ(その6)

これまで「通作型半農生活」、つまり、田舎に移住するのではなく、通勤や通学のように都会のおウチから農地・農村に通って耕作をする可能性について、5回にわたり述べてきました。

可能性や魅力があることは分かったけれど、どうやって始めるか?

その点について、これから述べていきたいと思います。

その前に役所に相談に行くとすれ違いになってしまう理由について述べておこうと思います。

農業をしたいと役所で言うと、たいてい、農業委員会を案内されます。

それで農業委員会の窓口に行くと、「農業の経験があれば農地を借りることは可能です」みたいなことを言われます。

相談に行く側は農業の経験がなく、とりあえず、農地を借りて経験したいと言うような事を言うと、経験がない人には貸せませんと言われます。

そう言われてしまうと、農地がなければ農業の経験は出来ず、農業の経験がないと農地は確保できないと言うことになってしまい、途方にくれてしまうわけです。

こうなってしまうのはなぜかと言うと、実は役所の窓口は、「結婚」にたとえていえば、婚活や恋愛の相談に乗る場所ではなく、婚姻届の書き方を教えてくれる場所だからなのです。

婚姻届を受け付ける役所の窓口は、結婚相手を見つけてくれば婚姻届の書類をくれて、書き方も教えてくれます。

しかし、結婚相手がいなければ、相手がいないのでは、婚姻届の書類を渡してもしょうがないですよねと言われるのがオチです。

では、どうやって結婚相手を探すのか?、それは自己努力でとなります。

農地に関しても同じことなのです。
農業の経験をどうやって積むかについては、自己努力でやって下さい、その自己努力の成果が上がったら、農地の貸し借りの申立は受け付けますと言っているのが、農業委員会の窓口なのです。

ここで農業委員会を「閉鎖的」だと批判する人が多いのですが、別に閉鎖的ではないのです。

結婚相手を探すことは自分で頑張って下さいと言っている婚姻届の窓口と同じことを言っているに過ぎないからです。

また、農地を借りたい人と耕作放棄地をつなぐデータベースを作れと主張する人もいるかもしれませんが、そういうのは「農地バンク」と言う形で既にあります。

これは、婚活に例えればマッチングアプリみたいなものです。
ただ、婚活マッチングアプリでも相手側が設定する「条件」に当てはまらなければ、その先に進めないように、「農業の経験」と言う最低条件をクリアしていないと農地バンクの利用もままならないのです。

農業委員会=閉鎖的批判も、データベースを作れと言う批判も、的外れです。

そんなこと言っても、農地を使えなければ「農業の経験」は積めないじゃないか、農業の経験がないと農地は借りれないと言うなら、いつになっても出来ないではないか

相談に行く側としては苛立つわけです。

この苛立ちの解消法はなにか?
次回、その辺から解説していきたいと思います。

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