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畑に生えるアシやスギナは地下茎が張っている「迷惑植物」です。

特にアシは背が高くなりますし、地下茎も長く、太く伸びて、しかも、かなり深くまで張っています。刈払機や鎌で地上部だけ刈っても、翌年もっと生えてきます。

根絶するためには、スコップや備中クワなどで丹念に地下茎を掘り起こす必要があります。

スギナもそうですが、相当深くまで掘り起こさないと地下茎を全部採れません。

このように困りものの「大深度地下茎型植物」ですが、別の見方をすると、「硬盤根穴植物」だとも言えます。

「根穴構造」は植物が地中に根を張った後、植物とともに根も枯れてしまった後、根の形に穴が開いているようになっている状態をいいます。

この根穴構造、実は、「根穴」の中を水や空気が流通するので、野菜の生育にも役立つと言う話もあります。

それだけではなく、斜面に根穴構造が多くなり、そこに水が貯まると「がけ崩れ」の原因にもなる場合があるのだそうです。

多年草や地下茎タイプの草が根や地下茎を張っている場合は、割と斜面の土を支えてくれるようですが、一年生の草が茂っては枯れと言うのを繰り返していると、根穴構造によるがけ崩れが起きやすいのかもしれません。

畑の「根穴構造」が出来ることも、「土を耕してくれている」と捉えることも出来なくはありません。

もっとも、一年生雑草が生えては枯れを繰り返して、土が「よく耕された状態」になるには何年もかかると思います。

さて、アシやスギナ等の「大深度地下茎型植物」の地下茎を掘り起こすと、これらの植物は「硬盤」の部分に根(地下茎)を張っている事が分かります。

畑の土を耕すと上の方は柔らかいが、下の方は硬くて、ちょっとクワを入れたぐらいでは容易に崩れない状態になっていることがあると思います。

土の色も違い、上部は濃い茶色ですが、下の方は赤かったり、妙に黒かったりする事が多いと思います。

このように上の方の柔らかい土を「作土」、下の方の硬くて、上層とは色の違う部分を「硬盤」といいます。

青枯れ病の菌は水で移動しやすいのですが、硬盤があると、そこに水がたまり、水平方向に水が動くのに乗って拡散します。

青枯れ病予防には「硬盤破砕」が大事だとされています。

アシやスギナのような「大深度地下茎植物」は、通常の野菜や雑草が根を張らないような硬盤部分に根(地下茎)を張っている、いわば「硬盤破砕植物」だと見ることも出来ます。

「大深度地下茎植物」は「硬盤破砕」をしてくれているわけです。

アシやスギナの地下茎を掘り起こすのは確かに大変ですが、掘り起こし自体、硬盤を破砕していることにもなります。

今のところ、大深度地下茎植物の硬盤破砕作用を利用した耕耘・土づくり法は思いつかないのですが、記憶には留めておきたいと思います。

2週間予報は、6/25以降、最高気温30℃以上の真夏日が続くと告げています。

「早くから始まる長い夏」になりそうです。

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