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長崎市滞在-2023/1/13(後半 初日)

朝9:00 伊丹空港発の飛行機で、再び長崎へ。

前回で搭乗の流れが分かったので遅めに行ったつもりだったが、ものの15分で手続きが終わってしまい、1時間ほど暇になる。その間、ANAのアンケートに協力してマスクを貰ったり、スマホゲームのピクミンブルームをしたりして過ごした。機内にコンセントがなかった時に備えて充電を節約せねばならないが、することが無いのでスマホをいじる。

今日の飛行機は、前回乗ったものより小さかった。
機体が大きければ「重くて落ちる!」と騒ぐくせに、小さければ小さいで「軽くてどこかに飛んでっちゃうよ!」とのたまってしまう。怖い。

離陸すると、意外に大丈夫だった。そこそこ揺れたが、飛行機に慣れたのかもしれない。注いでもらったコンソメスープを飲み、安心して眠る。窓の外は真っ白で、雲に包まれていた。今日は雨だ。
前回帰阪してから、密かに一人で「長崎は雨だった」を練習していたのだが、今日の長崎の天気はどうだろう。

長崎空港に着き、バスに乗り換えて新地中華街で降りる。

今回泊まるのは、南山手の大浦天主堂の近くにある南山手十番館のペンションだ。
中華街から歩いて行ける距離なので電車に乗らない選択をとったが、雨風がかなり強く、すぐに後悔する。しかし駅へ向かうにも距離があるため、そのまま頑張ることにした。

中国の旧正月を祝う「長崎ランタンフェスティバル」の準備が始まっていて、そこかしこに赤いランタンが吊り下げられている。

大雨の中、スーツケースと大きなリュックを引きずって、大浦天主堂へ続く凸凹の石畳を上った。傘からほとんどのものがはみ出ていて、びしょ濡れになる。

やっとの思いでペンションの入口に着き、正面の階段をえっちらおっちら上ると、オーナーが出ていらした。ピシッとしたおばさまだ。小太りで溌剌としていて、肌が白く、青みのかかったアイシャドウに、きっちり梳かしたショートヘア。丸い声がよく響く。ペンション内にある土産屋のカウンターでチェックインし、全国旅行支援制度の地域限定クーポンをもらった。前回の商品券タイプとは違い、今回はスマホで決済できる電子クーポンだ。ちょうど昨日から導入されたらしい。

そのまま部屋を案内していただく。

アパートによくあるような屋外の階段を上り、廊下の突き当たりにある鉄扉を開けると、"実家"の雰囲気が香る居間が現れた。

部屋の作りは和風だが、家具などの装飾品がほんのりヨーロッパを思わせる。

居間の隅にピアノが一台あり、昔ながらのキッチンと、その向こうに浴室がひとつ。居間を囲むようにして、個室が何部屋かある。そのうちのひとつをあてがってもらい、これから8日間そこで暮らすことになった。

部屋の中は全てピンクで揃えてあり、とてもかわいい。嬉しいので写真を撮る。

部屋の中には、冷蔵庫とテレビ、エアコンが一台ずつ。タンスの向こうに大きな窓があり、バルコニーが見える。スマホを充電しつつ、濡れた体や荷物を拭いて、ひと休みした。お腹が鳴ったが、今回は全国旅行支援の割引率が下がったこともあり、食費を節約したいため食べるか迷う。雨で寒いので、外へ出る気力もない。

しばらくひっくり返った後、とりあえず外に出ようと重い腰を上げた。

ペンションの坂を下ってすぐの土産物屋で、「長崎べっ甲」ののぼりが見えたので入ってみる。雨で客が少なく、店員のおばちゃまが丁寧にべっ甲や古賀人形の説明をしてくださった。波佐見焼という長崎の焼き物も売っていて、猫のお皿があったので、猫好きの父にあげようと一つ買う。「大きいお皿とセットで買っていかれる方もいますよ」と、商売トークが上手い。

地域限定クーポンをスマホアプリで支払ったところ、「ちゃんぽん🎵」とご機嫌な音声が鳴った。可愛くて思わず笑顔になると、おばちゃまも「初めて聞いたわ!」と喜んでいて、二人でしばらくキャッキャと騒ぐ。

近くの「長崎市べっ甲工芸館」にもっとすごいべっ甲があると教えてもらい、ついでに寄っていくことに。

国指定重要文化財「旧長崎税関下り松派出所」の建物だという工芸館には、重厚な空間にべっ甲作品がずらりと並んでおり、展示内容もボリューミーだった。べっ甲の作り方やモチーフの意味などがパネルで丁寧に解説されていて、普段馴染みのない工芸品なので初めて知ることばかりだ。大きな作品も多く、使われているタイマイの甲羅の部位や色合いによって価値が変わるらしい。べっ甲アクセサリーは年配の方が持っているイメージだったが、地元の学生と一緒に制作したものなど、若い世代にも届けようと色々な試みがされているようだ。

館内は私一人で、静かな空間の中じっくりと学ぶことができた。嵐で、よもや引きこもって終わりそうな日だったが、偶然来ることができて嬉しい。

工芸館を後にし、地域限定クーポンが使える近くのスーパーやコンビニを探したが無かったため、新地中華街のイオンまで向かう。簡単に食べられそうな野菜や、パックの白米などを調達。お腹が空いていたので、勢いでカツ丼も買った。

そのまま帰ろうとしたが、風雨が強く、道路を渡るだけで傘が2回もひっくりかえった。びしゃびしゃである。路面電車の乗り場が分からず、立ち止まって調べようにも雨風が容赦なくたたきつけてくるので、そのまま歩いて帰ることにした。浮いた運賃は、どこかで有意義に使おう。

大変な思いをしながらペンションへ帰宅。私以外の宿泊者はおらず、居間も個室も気を遣わずに行き来できた。冷蔵庫に食料を入れ、しばしボーっとする。

ようやく体を起こしてカツ丼を食べ、ボケーっとテレビを観た後、お風呂へ。古い家で育ったので、最近のボタンで温度調節するお風呂に慣れておらず、操作に手こずる。

着替えてリビングの電気をつけると、シンとしていた。誰か来て欲しいような寂しさがある。

いそいそと部屋に戻り、テレビを流しながら作業。就寝。


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