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がんになって3年ほどたった。

診察を待っている。

子宮頸がん、多発転移。抗がん剤は使えるものがもうあまりない、効果が期待できないということで辞めた。
抗がん剤しんどかった。

今はたまに提案される治験をやってみたりしながら、痛み止めでなんとか、まあなんとかやっている。
痛み止めはいわゆる医療麻薬なので、よく効く、超ねむい。ガン性の痛みがある場合は中毒にはならない、らしい。
このまま寝ている時間がどんどん長くなって、ゆっくりと終わるなら、まあ最善かなと思う。

最初の主治医(大学病院の派閥がどうちゃらで遠くに異動してしまった)に、「ぶっちゃけ先生の経験上、私のパターンだとどれくらい生きてることが多いか」と聞いたことがある。

「3年か、4年かな。5年は珍しいよ。」と言っていた。
今、3年をすぎて4年目だ。仕事もギリギリ行っている、案外がんばってるような気がする。仕事は痛み止めの眠気でそろそろだめそうだけど。

余命3年、と聞くとなんだかものすごく短いように聞こえるが、実際余命3年になってみると案外長い。
やりたい事も概ねやった。今は文章を書く事が楽しい。どこでも書けるし。

いわゆる闘病ブログを始めようと思ったこともある。
同じ病気を抱えた人のコミュニティに参加できるような気がしたからだ。
でも、よく考えなくても私は元風俗嬢で、病気は子宮のガンだ。もちろん、子宮頸がんは性行為をした事があれば誰だって罹る可能性のある病気である。

ただ、「性に奔放な人が罹る病だ」と実際に言われたこともある。未だにそういった誤解も多い中で、私がリスキーな仕事をしていたことは間違いないこともあり、同じ病気を抱えた人達のコミュニティに参加することは憚られた。

今、診察が終わった。痛み止めを少し増やしてもらった。痛いときは気にせずどんどん飲んでいいと言われたので多少気が楽になった。
来月くらいに新しい子宮頸がん向けの治験が案内できるかもしれない、とのことだ。

風俗の事やホストの事、その隙間に少しだけ、病気の事も書いていこうと思う。
そんなに明るい話でもないが、気が向いたときにでも読んでもらえたら嬉しい。

せりな

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