今朝見たものが夢ならばいいのに

今日から下期。
誰かの異動はあるだろうと、異動通知を確認してみる。
そして、私は我が目を疑った。
尊敬している元上司が現在担当している案件の継続対応のためか、対応先に異動の辞令が出ていたのだ。

その案件は現在私のいる場所とは違う勤務地での対応で、元上司と私は離れ離れになっていた。
4月の時点で元上司は異動にはなっていたものの、同じフロア内にはいたので、異動後もたまに会話することはあった。
「今度の案件はいつ終わるのだろう?10月にはさすがに帰ってくるかな?」と、私はその人の帰りを楽しみにしていた。

だが、案件先に異動となった。つまり、しばらくは帰ってくる見込みがないということだ。私は、そのまま帰ってくることがなくなった昔の恩人たちの例を知っている。そうならないように祈りながらも、恐怖を感じていた。

現実を受け止めたくない私の目は潤んでいた。「これはまずい」と感じ、慌ててトイレへと駆け込む。

『年々減っていく、担当業務の需要』
『結果、人が減らされワンオペに近くなり、需要の割に減らない負担』
『プレッシャーのためか、増えていく頭痛の回数』
『こんなに稼がなくていいから、業務を軽くしてほしい。という思い』
『業務の不安に加えて、自分の考えと違うと感じる会社の方針』
『そして、奪われた尊敬する人』

そして、深呼吸をした。
少し考え込んで、思った。「もうこの会社に希望はないのだ」と。

私は、「この会社を辞めたい」と、改めて思うとともに、「次へのと続く道しるべを見つけなければ」と決意を新たにした。

おまけにその後に、苦手だった元上司は逆に案件が終わって、同じ勤務地に戻ってきそうな感じがある。
これにより、更に退職希望への思いが大きくなり、会社で働くことに対して、どうにもこうにも前向きになれない次第である。

いっそのこと、「洗いざらい思っていることを会社に話して、クビになるのも悪くない」とさえ、今は思っている。
ただし、こんな大きな決断を軽はずみにするわけもいかないので、まずは、周りに相談をしてみる次第である。

手始めに貯蓄を強化しよう。
やりたいことを整理してみよう。

そんなことを考えながら、せめて、少しでも前向きになるために、まだ見ぬ未来へ思いを馳せる私であった。

#私小説 #エッセイ #会社 #異動 #上司 #未来のために

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