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お客様は神様です?己を知る。立ち位置を知る。市場は神のごとし。

来年、東京オリンピックが開催されるわけですが。
エンブレムのことで世間が騒いだのは、もう3年前にもなるのですね。
早いなぁ・・・。元々グラフィックデザイン、webデザインの仕事をしていた私には、とても気になる話題でした。

私は今は、所謂グラフィック的なデザインを業務ではしておらず、マーケティングからのビジネス構築のデザインしかしなくなり、グラフィック的なことに関しては、たまにチョコチョコっと、自社内のことでデザインする程度なのですが、ず~~っと長年思っているのは、もう今の時代は、デザインやレイアウトの基礎、基本を知らない、「アプリ使いなデザイナー」が多いのだという事。

フォント、空白、不可視直線のレイアウトが何を以てもとても重要と考える私は、エッジのたった「キレ」のあるデザインをするのが好きなのですが(それをするのは、ものすごくしんどい)、レイアウトがぬるぬるなデザインもどきを見ると、正直、ものすごく気持ち悪いです。

「なんなん?これ?」的な・・・。

パンフや誌面の外注の際にも
「これ、プロの仕事じゃないよ」と思う事が多々あります。

そして今は、なんだかお洒落っぽく、ハイセンスっぽくしているデザインの中にもそんなものは山ほどあって、ハイセンスっぽく見せようとしていればいるほど、「これって自分たちのレベルを分かってるのかなぁ。分かってればいいけど、それを分からずしては、適正なサービスが提供できないんじゃないのかなぁ?」とサービス提供側に少しの疑問を抱いてしまうのです。だって、お客さまは絶対どこかでそれをかぎ分けますし、提供側がそれを分かっている、分かっていないじゃスタンスは全く異なり、結局はビジネスの基軸までもが変わってくるからです。

私は、一流のプロのグラフィックデザイナーさんからしたら、決してレベルの高い方ではなく、プロと呼べるギリのラインくらいの仕事レベルでしか、デザイナーとしては仕事は出来なかったですが、それでもいくつかのアワード的な社会的評価をいただいたことも少ないながらあり、ド素人でもないというスタンスで色々なデザインを見ていますが、今は、はっきり言ってアプリは使えるけれど、デザインは素人、でもそれなりに見せている感じ、というデザイナーさんが多いと思っています。

いや、それが悪いということではなく、これだけアプリが高性能になってパソコンが安くなった今、そういう流れになるのは必然で、ましてや、全ての仕事に対して、一流のデザインが求められているわけでなく、マーケットの中においては当然の姿だと思っています。それはそれでいいんです。社会の流れとはそういうものなんです。私だって写真アプリで、それっぽく写真とったりして使ったりしているわけだから。

で、そんな中で何が大切かというと、
「自分の立ち位置を理解できているか」ってことだと思います。

別に、デザイナーだからといって、ハイブランドの、すっごいデザインレベルのものだけが仕事じゃないです。世の中には、色々なニーズがあって、色々なスタンスの商品やサービスがある。その中で、自分の立ち位置ってどこなん?というのをしっかり分からないと、自分と社会とのギャップの中で、「デザインでお金とれない(いや、無理でしょ)」とかに始まる議論が発生するわけで、「市場は、神のごとく正直で正確である」と考えている私にとっては、自分がデザイナーとして独立し、仕事をしていたときに得ていた報酬は、ものすごく当然のものだったと考えています。

まぁ、本人が職人だと思い込む、こだわっているつもりになっているのはデザイナーに限らず、飲食にせよ、なんにせよ、昔から多くの分野にあることなんですが、社会での立ち位置を正しく理解しないと、正しい努力もできないと私は思っているんです。

そいういう意味でも、立ち位置を知ると言うのは、私のような経営者としての仕事や小売業、どんな仕事においてもものすごく重要なわけで、だからこそマスとして考えたお客様(=市場)は神様だって思っています。(※個のお客様は神様だとは思っていません。お客様は、お客様。それ以上でもそれ以下でもありません。)提供する商品・サービスが市場で求められないとすれば、それはやっぱり何かこちら側に問題があるからです。

話がそれてしまいましたが、確実に言えるのは、本当の職人や一流は徹底的に基礎を叩き込まれています。手を抜いてはいけないところだけは、絶対に手抜きしません。必須ポイントが分かっているんです。そして、それは正しく努力を積み重ねた人だけが分かることだと思っています。

そしてそのスタートは、全て物事を大きくとらえ、受け入れる素直さから来ていると私は確信しています。

素直さがないと、人間、正しく成長しませんから。

私がそもそもデザイナー時代にそこに気付けたのは、その昔、デザイナーとしての仕事を始めた時に、「師匠」と呼べる人に出会えたことが大きいと思います。

その師匠とは、今でもゆる~~く繋がっていますが、はっきり言って口は悪いし、一緒の空間にいると早く去ってしまいと思うほどの恐ろしい雰囲気を醸し出しているような人ですが、デザイナーとしての腕や仕事に対する姿勢はピカイチで一流です。そして、私を指導してくださっていたときの口の悪さも尋常じゃなかったですが、それもものすごい優しさと正義感から来ていることも私は知っています。(本人は絶対に認めないけど)

褒められたことなんて、今でも一度もなくて、ダメだしされたことしかないですが、駆け出しながらも独立して事務所を構え、プロとして仕事をしている私にそんなことを言ってくれて、私が食えてるかどうかの心配をしてくれて、初めての大きな仕事で行き詰った時に、「絶対に誰にも言うんじゃね~ぞ」と、そっと手を差し伸べてくれたのは、師匠しかいませんでした。

師匠、感謝しています。怖いから会うのはつらいけど・・・。

てなことで
「お客様(=市場)は神様です。」
「己を知る。立ち位置を知る。市場は神のごとし。」
というのは今でもとても大切にしています。
書きながら自分に再度言い聞かせました。

サポートいただきましたら、マーケティング支援、どなたかの再起動を支援する資金に充てたいと思います。