第11回 めっしーさんへのインタビューシリーズ第4弾

こんばんは、おはようございます、こんにちは。

今週は「富士山自然遊び スパイシージャム」代表のめっしーさんこと飯塚敏明さんへのインタビュー記事になります。

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はやし(以下、は)「はいでは第4日目ですね(笑) お願いします!」
めっしーさん(以下、め)「お願いしまーす。」

「では最後に鹿には色々問題があってというところで、前回お話しした、生息頭数が野生動物の問題になってまして。例えば猪とか鹿、あとは猿なんかが今、残念ながら有害鳥獣っていうのに指定されてるんです。数が多すぎて、いわゆる農家さんや、個人のお宅であっても畑の農業被害がすごいと。それ以外にも、国が管理してるような山の中にある植物の被害もすごいものがある。狩猟する人たちが何頭とりましたよっていう狩猟統計っていうのがあって、その中で山梨県全体で鹿ってこれぐらいいれば適正ですよって数も出てるんですけど、今それの大体10倍ぐらいいるって言われていて、溢れかえってるわけですね。だからこそ僕のツアーでは、鹿に全然会えちゃうわけなんですけども(笑)」
「例えば猪とかだと土を掘ってミミズを食べたりだとか、昆虫類を食べたり、雑食なんですが、鹿の場合は完全に植物しか食べない。植物しか食べないんですけど、数がそれだけ多いので、ものすごい量食べるわけですよ。そうすると、例えば山だと、ディアラインと呼ばれる現象があるんですけど、鹿の背丈ってどれぐらいかイメージつきます?」

「150cmぐらいですか?」
「そうですね。その頭が届く範囲のものを軒並み食べちゃうんですよ。(木の)低いところに出た新芽を全部食べてしまうので、木を見ると下はスカスカ、上だけもっさりしてるっていうような、非常にアンバランスな状態になってしまったり。そういうところには下草も食べられちゃってるので全然ないですね。自然の状態ではあまり見られない景観になってしまう。
これが進んでいくと、結局その生えてる木から落ちる種や新芽も食べちゃうので、第二世代第三世代が育ってない。で今いる木だけがどんどん老化していって、いずれ倒れてしまいますよね。そうすると、山から木がなくなるわけです。そうすると、それだけじゃすまなくて、木がなくなってしまえば土を止めるものがなくなるので、土砂災害も起きやすくなって、この根場地区で起きた痛ましい事件のように、我々人間の暮らしにもダイレクトに関わってくるし、これが河川があって海につながっているような環境であれば、漁業にも影響を及ぼすし、全てが繋がっていくわけで、この獣害というのは今非常に問題視されてますね。なのでこういうこともツアーの間に必ずお客様にお話させていただいてます。
鹿って見てると、本当に愛らしくて、可愛いんですよ。僕もいつも見ていてなんて愛らしいんだと思うんですが、それが森の中に『え、10万頭いるんですか?』みたいな。可愛いだけではないいろんな問題の話をセットでしているので、僕のツアーでは楽しかったっていう以外にも、何かお土産になるようなものを持って帰って欲しいなっていう思いで、そういう面白くないことも・・・」

「いやいや(笑)」
「ちなみに適正数の10倍もいる原因てなんなんですか?」
「原因はですね、天敵がいないことです。鹿の天敵ってなんだと思います?」

「狼とかですか?」
「いいですね〜。ニホンオオカミっていうのがこの国にはかつていたんですけれど、今は絶滅してしまいましたね。最後の目撃が1905年だったかな?野生動物は50年生態が確認されていないと絶滅っていう風に扱われてしまうんですよ。今から100年以上前が最後の目撃だったので、それ以降(鹿の)天敵がいなくなってしまったんです。よくお客さんに聞くと、熊じゃない?とかって言う方もいるんですけど、熊っていうのも愛らしい生態があってですね、彼ら、おっかないイメージがあるじゃないですか。確かに襲ってはくるんですが、彼らは実は非常にハントが下手と言われていて、本州にいる熊はみんなツキノワグマっていう種類なんですけども、彼らは鹿よりも少し走るのが遅いっていうのもあって、逃げられちゃうらしいんですね。
なので積極的に狩るっていうことはあんまりしないらしいですね。
たまたま捕まえられたりとか、新鮮な鹿の死体があれば食べるっていうぐらいで、自分から襲うってことはあまりないそうです。
だから(鹿の)天敵がいなくなってしまったので、今彼らにとって天敵と呼べるのは人間だけなんですね。要するに狩猟ですね、鉄砲で撃ったり罠で捕ったりってことなんですけど、狩猟も非常に重い問題を抱えてまして、おじいちゃんばっかりなんですよね。
めっしーが今36歳なんですけども、36歳で鉄砲の免許とって狩猟しますってなると、『お、若手がきた!』となるわけです。猟師さん曰く、どうやら50歳くらいまでは若手と呼ばれるらしいです。それぐらい高齢化が進んでいますが、おじいちゃんたちすごく頑張ってくれているので、いっときに比べればだんだん(鹿の)数は減ってきてるみたいですけど、それでもやっぱり鹿も頭が良いのと、体が強くなってきてるっていう問題もあって、(通常)1年に1回一頭を出産するんですけれども、年に2回出産するものが出たりとか、あとは数件しか報告されてないんですけど、双子を身ごもってる個体もいるっていうのがあって、もうイタチごっこですね。
そんな話も絡めていってます。ネタはいっぱいあるので。なにせ1時間喋りますから。」

「じゃあ全然足りないですね(笑)」
「足りない足りない(笑)」


というわけで、いよいよ次回が最終回。

それではまた!


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