第7回 自然保護と観光活用の話

こんばんは、おはようございます、こんにちは。

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さて今回も自然と観光についてです。
先日、ダイヤモンドオンラインに掲載されている、星野リゾート代表の星野佳路さんの連載記事(星野リゾート代表・星野佳路さんと考える「これからの観光」)の中で、自然観光について言及されていました。
参考:https://diamond.jp/articles/-/262142

その記事の中でもやはり自然保護と観光振興は両立する、もっと言えば補完関係になり得るというような内容が書かれていました。
僕自身、以前アメリカを旅していた時に、様々な国立公園や自然公園を回って実感したことなんですが、行かれたことがある方ならわかると思いますが、アメリカの国立公園や国定公園てちゃんと入園ゲートがあって入園料を払わないと入れないんですね。そして公園内にはレンジャーと呼ばれる自然保護官がたくさんいて、公園内の見回りや管理業務をしてるんですが、当然彼らは国なり州からお給料をもらっていて、自然資源を観光資源として活用しつつそこで得た収益を自然保護のために使う、という良いエコシステムができていました。

アメリカというと「自由の国」というイメージがなんとなくあるかもしれないですが、僕が見た限りでは締めるところは締めて、緩めるところは緩めるという緩急がしっかりついているなという印象でした。
この辺りは日本ももっと見習った方がいいのになぁというのが個人的な意見です。

ここで一旦星野佳路さんのお話に戻りますが、先述の記事の中でさらに深掘った話をされていて、日本の観光業界全体を見た時に、インバウンドの効果が一部の地域に限定され、国内観光地に広くは行き渡っていないということです。
アメリカにあるヨセミテ国立の例と比較すると、ヨセミテ国立公園はアウトドア愛好家の中では聖地と呼ばれるほど人気の観光地ではありますが、とは言え初めてアメリカという国に観光旅行に行く人の大半はヨセミテには行かないんですね。
例えば初めて西海岸エリアを観光する人々はロサンゼルスやサンフランシスコには行くけどヨセミテには行かない。でもその時にヨセミテ国立公園が近くにあるということを認識して、次にまた西海岸に行った時には、ロサンゼルスやサンフランシスコを「経由」してヨセミテに行く。それによって、当然ヨセミテの観光収入になると同時に、経由ついでにリピート観光したロサンゼルスやサンフランシスコにも再び観光収入が入る。

これに対し、日本の場合、数字にも現れていますが「観光庁の訪日外国人消費動向調査(2019年)によれば、外国人観光客の消費額は、東京だけで全体の35%、上位5都道府県(東京・大阪・北海道・京都・福岡)で全体の70%以上を占めていて、この傾向はそれ以前から長く続いているもの」とのことです。
そしてここから読み取れる通り、日本の観光業には構造的なインバウンド格差が生じてしまっている。
要は海外から日本にくる外国人観光客は、東京・大阪・福岡などの大都市及び、京都や北海道などの強いコンテンツを持った観光名所には行くものの、それ以外の、世界的にはマイナーだけど本当は豊かな自然がある地域にはあまりお金が落ちていないという現状があります。
これについてはさらに深く考えないといけなくて、日本の田舎と言われるような地方には、素晴らしい魅力がたくさんあるにも関わらず、その土地で生まれ育った人からすると当たり前すぎて気づいていなかったり、逆に都市部や海外からの観光客の方がそういう場所に行って初めて発見する魅力なんかもあったりするわけです。

昔は経済的に豊かではなかったり、情報が少ないなどの理由で海外旅行に行く日本人が少なかったので、国内の観光地に人々の足が向かい、地方が潤ったわけですが、当然今は日本も豊かになり、インターネットの普及によって誰でも簡単に情報が手に入るようになり、海外旅行に行く人も圧倒的に増えました。
さらに日本はこれからどんどん人口が減って行くので、そうなるとやはりインバウンド需要に頼らざるを得ない部分はあるわけですが、ただ以前と大きく異なる点が、インターネットの普及によって誰でも簡単に情報が発信できるようになり、日本の片田舎から発信されたわずかな情報でも、地球の裏側の一部の(と言っても世界規模で)人にピンポイントで届くようになりました。
諸外国の経済水準も平均的には上がってきているので、以前より日本に遊びに来られる人口も増えていますよね。
これからは日本の地方もそういった潜在需要を積極的に狙い、「自然観光で潤う→自然保護に繋がる」という好循環を生んでいく必要があります。

こんなことを書くと怒られそうですが笑、日本の地方って東京などの大都市に対する憧れがどこかにあるというか、いわゆる都会で流行ったものやことを真似したがるんですが、それは当然うまくいくわけがなくて、東京にあるものが欲しいなら東京に行くし、そもそも同じ”ような”ものを作ろうとしたところで一企業の資金力という点で圧倒的に負けているのでクオリティで完全に負けてしまう。
だったらそんなところに時間と金を突っ込んでいる場合ではなくて、自分たちの住んでいる地域の本当の魅力は何なのか、それを見極めるために時には外部から第3者視点で意見をもらう必要があるかもしれないし、その魅力が刺さる相手に向けて発信していかなければなりません。
僕自身も自戒の念を込めて今回の記事を書いたので、今後は西湖オリジナルの魅力をしっかり見極め、継続的に発信し続けていきます。

というわけで今回は、「自然保護と観光振興」に関するお話でした。

それではまた!

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