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奥底に沈んだアニメ





娘が毎日テレビの録画リストとにらめっこしている



どうやら、DVDレコーダーの容量がパンパンなようでどれか消さないと新しく録画できないみたい


DVDに落としたらよいのじゃと提案するも、

「CMを全部けしてからうつしたい」

とのこと

あなたそういうところこだわりありますね




そんな録画リストの中

テレビやアニメにうとい私も娘が見ているのを垣間見てちょっと好きになったり毎週見たいと思えるアニメが出てきたりしてやんわり「母枠」なるものができあがっていて

これらに関しては娘の取捨選択タイムの時も一度母にお伺いがたちます


「これ消していい?」
「これどうする?」


その都度残してほしいかどうか返事するのだけれどある日娘が同じように吟味タイムの時ぽそっと


「お母さんに聞かずに消したアニメがある」

と告白



うそん、何消したん?



と何が消されたか当然のように知れると思いながら質問すると

意外にもかえってきた答えは




「言わへん。だって、この一年一回も見てないし忘れてるのに、消したって言われたら変に惜しくなるやろ」



との事


な、な、なるほど!確かに!
たしかに今ぱっと頭に浮かぶアーニャもたんじろうも虎杖もちゃんとまだレコーダーにある

他にどうしても見たいと思い出すもの
無いわん






それにしてもそれならば始めから内緒で消したことすら黙っていてほしかったわんと言ったら


「お母さんやったら怒らへんと思ってネタ的に言ってみた」とな



いやいやあなた、そう言われたらこれから小言言いにくくなるじゃないの

それにいくら頓着ない私だって虫の居所が悪かったらどうなるかわかりませんよ




といつものように他愛ない会話を楽しみつつ




' 我が娘よ、やるな '    とふと思う




私の扱い方がめっぽう上手いというのもしかり


そして、


漠然とだけれども' 忘れている ' という状況を自分の中でとらまえているという事しかり








【忘れている事柄】



あたまの中の記憶にはあるけれど、今はもう使われず、日常フル回転で使われている表層からは程遠い、遥か奥底に沈んでいるあれこれ

今はもう  なくても困らない事柄

忘れていることさえ忘れている物事
私いま、何を忘れているのだろう





それらはこの先また浮かび上がってくることはあるのかしら

あるとすればそれは一体どんなきっかけだろう



思い出してうれしいかしら
悲しいかしら
懐かしい?
恥ずかしい?
もう一度見たくなる?
憤慨?

それとも        



もうなにも感じないとか












忘れている事柄




それはもう今は使われていなくて

今はもう    なくてもゆけるもの




けれども一瞬でも表層に  議題に上がったことがあって
もしかしたらとても執着していたものかもしれないし
すごくがんばった事柄かもしれない


一度でも自分の中心あったもの
今の自分に至るまでに必要だったもの

毎週の楽しみで
夕ご飯のあと見る時間にいそいそお菓子用意して
日々の楽しみだったよぅ
小さいながらめっちゃ糧だったわぁ




もし思い出す瞬間があったら
姿勢をただしてお礼したい




どんな事柄であっても
感謝できる私でありたい






な~んて


DVDの録画リストから派生してのまさかの徒然


そしてきっと今日もまた何かしらをいくつか忘れて生きていく



全部全部   必要でした



ぜんぶぜんぶ  ありがとう




それにしても消されたアニメ       何
















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