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漫画はまず絵…じゃあなくていい!(9月14日刊行漫画演出技法書『カタルシスプラン』外伝121)

絵が標準に達してないと使ってもらえない…という意見には一理ないわけじゃないですが、結局のところ一生漫画家やりたいなら、そんな小さなこと言ってられないですよね。
絵なんて関係ないって思わすことができるくらいの圧倒的面白さがなくて、どうやって長い修羅の道を生き延びるんです?

絵は伝えるべき魅力が伝わっていて、説明力があれば大丈夫です。最低限の力は表情と状況描写です。
それもできないなら絵も気合い入れましょう!!

でも、絵が上手い人はそれこそ石を投げれば当たるほどいて、その部分で苦手な人がわざわざ勝負するなんて馬鹿げています。上手さより魅力UP、面白さを重視しましょう。一目見てわかる個性を守りましょう。

さくらももこ先生、福本伸行先生、ジョージ秋山先生、高橋陽一先生、三田紀房先生、連載はじまった頃の諌山創先生、初期のゆでたまご先生…皆さん自分の長所を表現する魅力や説明力は備えているものの失礼ながら画力そのもので勝負きているわけじゃない。だけど読んでしまえば絵も素敵なんですよね!

綺麗に正確に早く描く、そんな手先の能力には限界があります。だけど情報収集、多くの記憶、使いやすい分別整理、方針決める決断力、ネタ選択、構成、視る力、分析、譲らぬ信念、構図、ユーモア、読みやすさ、思想、哲学…絵以外にも大事なことは山盛りあるはずです。

プロとして生きて行くためには他の人とは違うベクトルで長所を伸ばしてゆくことです。長所がないと憶えてももらえません。一番混み合っている所にわざわざ入り込んで勝負したりせず…ネタの面白さ、演出脚本の表現の面白さ、キャラクターの魅力、発想と自分の長所に磨きをかけることが重要でしょう。

そして実際それまで絵もネームも駄目だった子でも面白い話が描けだすと急に絵も生き生きしてくるんですよね。まず絵ではなくネーム力が大事なんですよ!ネームが描けると漫画に必要な絵の技術もわかって来ますしね。
人間必要なことしか必死で憶えませんから。

絵が下手だから面白くならないんじゃないんです。面白くないから絵に魂入らず、上手くならないんです!





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