西が丘は最高だよな:2018 J2第10節/ 水戸(H)

◆牧歌的でクソ暑くて
試合前のエキシビジョンマッチでVERSとジュニアの試合やってたんですけど、VERSにGKいないから小針が来てくれてたんですよ。西が丘のロケーションで、小針がいるけど他はよく知らない大人のチームとジュニアとはいえよく知らない子供の試合を見るとか、実によく分からんなと思うんですけど、これが観客もピッチの中も幸せそうで、最高だったんですよね。こんなよく分からないことが成立する空間は他に無いだろうし、今後も(例え上のリーグに上がったとしても)毎年1回は西が丘でやっていくべきだと思いますねえ…。なにより水戸サポーターが何故か(ジュニアのために)うちのコールをしてくれたのは本当にありがたくてありがたくて涙が出たので今後も生温く見守ってくれるとおれは嬉しいな…(いや同じリーグのライバルとして別の話もありますがそれはそれこれはこれ)。
で、トップチーム試合の方は15時キックオフだったわけですが、この日はめちゃめちゃめちゃめちゃ天気が良くて西が丘においては日陰は一部のVIPと記者席にしか存在しないので、端的に言うと焦げたわけです。めちゃめちゃ日焼け止め塗ったんだけど、あえなく。あとバックスタンドに座ってたんだけど前後が水戸サポだったっぽくて何も信じられないなと思った。

◆水戸戦
水戸、直近だと去年笠松へ行った時に3点取られてボコボコにされてキレて暴飲暴食に走って帰りのひたちで吐きそうになった思い出が強すぎるんだけど、いや序盤のホームでは4点取って勝ってるんだけど、笠松での負け方がほんとにほんとにクソだった(90分に同点にしたのに94分に決勝点取られた)ということで水戸戦にはあまりいい思い出は…ないですね…人は悪い思い出のほうが覚えているものなので…。しかも水戸、去年それぞれが2桁得点した前田大然と陵平の2トップが抜けた(し、他にも主力級が抜けてる)のにいざ開幕したら普通に強くて、この試合は結果として上位対決になってしまっており、試合が始まるまではちょっと嫌なシミュレーションもしたりしたんですよ。が、試合のほうは10分に(結果として)決勝点が生まれて、おっおっ、もう1点取ったら盤石の勝利やぞというところで、結果3点取りまして、無失点で、まあ、マジで盤石の勝利でしたね…。ロティーナとイバンの意図が正面から殴りつけてくる美しい試合…去年から何回も言ってるけど、何回も美しい試合を見てるとか言えてしまうの、これを幸福と言わずになんと言えば良いのか分からないですね。
後半早々に退場してしまった福井くん(水戸(元東京V))ですが、前半というかウォーミングアップの時点で陵平とわちゃわちゃしてたのでそっか~その流れでお前退場するんだ~って感じだった。福井くん(警告ゲッター)の退場、マジでいつか見た景色過ぎて爆笑した(梶川も爆笑してたって聞いたけどそりゃ笑うしかねえよ)。前半見た限りではこのままだと水戸は10番か18番が退場すんじゃねえのかなって思ったけど、福井くんの退場前後に水戸の監督がちゃんと交代策含めて対応してたので事なきを得てましたね。水戸の監督はきちんと試合の流れを読める良い監督だな~と思った。水戸の守備も綺麗にライン揃っていて、システマティックで、失点や退場後に中盤でスペースが広がった時も「コンパクトに!!」って声をかけあってて決して崩れてなかった。うちの得点は3点目以外はセットプレーだったけど、その場合はDFが上がってきて制空権が取れるから本間をいかに引き摺り出すかって感じだったのでそこでうまくやらせてもらったな…って感じで。
この試合、3得点したし流れからゴールしたのも梶川アシストのアランだったし、ドゥグはオシャレヒールでの得点だったから注目が前線に集まってしまうけど、一方で内田から後ろの盤石具合が本当に凄まじいことになってきたなとしみじみしてしまった。特に内田がいなかったらこのチームは全然違う戦い方を余儀なくされるでしょうね…ってくらい内田がすごいので内田を見るたびに守りたい、この笑顔…って思ってしまう。おれはセットプレーの時に1人(DF全員上がるのでマジで1人)で自陣近くに残って黙々と相手の攻撃を切ってるところがもうめっちゃめちゃに好きなんですよ。上福元とその前のDF陣はすでに言うことがあまりないんですけど(散々自慢してるからね…)平が戻ってきて奈良輪くんが比較的前で好き勝手できるようになって、田村もそんな感じでどんどんチームとして良くなっていってるのが実感できて嬉しい。あと制空権争いに異常に強い井林がセットプレーで上がった時に相手GKが伸ばした手とヘディングの到達点が同じくらいで笑ってしまった。どんだけタイミングよく高く跳躍してるんだよ。本間さん185cmやぞ。逆に気になるのはほぼノーマーク奈良輪くんに皓太や潮音がパスを通せないあたりで、パスと奈良輪くんの速度がミスマッチなのかDFに引っ張られ気味な奈良輪くんの位置の問題なのか、正直どっちもなんだろうけどあれが通ったらうちのチャンスは2倍くらいに増えるし(奈良輪くんはシュートもクロスもできるし)相手も困っちゃうと思うんだよね。奈良輪くん本人にとってもうちにとっても大事なとこだと思うので頑張ってほしいんだよな~。
あとこの試合は陵平かな、林陵平。去年の水戸のトップスコアラーだしそれこそウォーミングアップ時点で水戸の選手から散々ちょっかい出されてたし色々思うところはあったと思いますが、試合に入ったらなんだこいつのインテリジェンスは~ハァ~!? ってくらい、判断とかポジション取りの良さにビビってしまった。ドゥグのサポート、FWとして前に行きたい気持ちもあるだろうにチームのために下がることも厭わない姿勢、相手DFとの(精神的含む)駆け引き…あれこいつこんな選手だっけか…まあちゃんと見てたの10年近く前だし色んなクラブで結果を出していたのはこういう事かと感動してしまった。この試合でもアシストという結果を出してるし、サッカーIQが高いってこういうことなんだろうなあと。あと遠目で見ると髪型とスタイルの関係で井林と間違えそうになるんだけど体の分厚さが違いすぎて3秒でアッ陵平だ! って気付けて良かったです。いやほんと体が分厚いな。

◆美しい試合と言いますが
おれにとっては両監督の意図が伝わってきて、その上で選手がそれらを上回る判断をした(であろう)シーンが見れたらそれはもう美しい試合なんですけども、まあサポーターの何それとかも幾分かは含まれますが基本的にはそんな感じです。ニアイコール面白い試合にもなり得るのですが、東京Vに関してはこの十数年に渡る愛着によって面白い面白くないの基準が行方不明になってしまっており、美しい、としか言い様がなくなってしまったのが本当のところで、他のとこの試合だったら普通に面白かったと言ってると思います。この基準、多分昔Jスポでやってた「フットボールアンチクライマックス」に相当影響されてると思うんですけど、あの番組が好きな人だったら今年の東京Vは3回くらいは見といたほうが良いと思うんですよね。3回見る頃には監督選手コメントの更新が待ちきれなくなってると思うし練習メニューとかめちゃめちゃ見たくなってしかし非公開と当日キャンセルの多さに心折られるくらいにはまたこのチームが見たいと思えると思うし、それほどまでに情報量の多い試合をしてるので…(これはJ2各クラブの監督のレベルが上ってて、やってるサッカーの質も多様化してるから起きている現象という側面もあります)。
東京Vの戦い方に関して去年は「J1に出しても恥ずかしくないサッカーをしてる」という気持ちだったけど今年は「サッカー好きなら絶対見に来たほうが良いよ」という気持ちですね。こんな美しいサッカーを見れる機会そうそうないよって…今年ばかりは青赤の尻尾を付けてアウェイゴール裏に陣取る人にもいいよいいよこのサッカー見たほうが良いよ楽しいもんな~って言えてしまうよ(いや嫌いですけど)。水戸戦でも後ろの水戸サポが「めっちゃ対策されてるわ…」って零しててそうなんですよ~! って握手したくなった(してません)。その人はサッカーめっちゃ見てるっぽかったけど、そういう人ほど最初は「なんでこんなことになるんだ!?」っていう違和感がすごくて、興味深くてハマってしまうと思うので…いや本当に美しい試合をしているんだよ、見に来てほしい、サッカー好きな人に見てほしいな~って思っていました。

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