#11 左手のアルペジオの奏法・練習方法について(シューマンのアラベスクを題材に)

このnoteでは、左手のアルペジオについてお話します。

サロン会員の方よりご質問をいただきました。

「シューマンのアラベスクの67−68小節目の左手、広いアルペジオの練習方法を教えてください」

この部分ですね。

♪動画① シューマン:アラベスクより

・左手の幅広いポジション
・やわらかな表現
・アルペジオをどのように練習するか

などがポイントになりそうです。

では、この部分を元にしながら、お話していきます。

(準備運動)まずは手の指やてのひら全体をストレッチ!

手/指の柔軟性はとても重要です。

「パキパキ」と動かさずに、しなやかに細やかな表現ができるように、手や指をあたためてやわらかくします。

♪動画② 手をストレッチ!

どんな曲を弾くときにも重要ですが、とくに

・手を開く曲
・多声的にかかれている曲
・音形が入り組んでいる曲

などで、柔軟性は最重要項目です!

もちろん、手首から先だけでなく、肩まわりや背中の筋肉もほぐすように準備しましょう。

一番下と一番上の音の音程幅を、手でおぼえる

・10度の音程の幅をとりにくい
・一番上の音を、いつも外してしまう

という場合は、まず両端の音の幅を手でおぼえましょう。

手や指の大きさや形によって、感覚が違うと思いますので、あなたの感覚で「10度って、手をこのくらい開いた感じなんだ」と、実感をもって覚えてください。

オクターブの幅は、手がよく覚えていると思いますので、オクターブと比較して認識するのも良いですね。

動画③ 10度の幅を手で覚える!

動画④ 10度をとるときの、悪い例をチェック!
よくやってしまう悪い例として、次の弾き方があります。

・手が硬いため、十分にひらかずに硬い音になる
・手の左右の動きが多すぎて、音のムラができる(和音の響きが悪い)

練習ポイント:10度の中に軸を作って、その軸を中心に下の音と上の音をなめらかに弾く

10度の幅がイメージでき、スムーズに弾けるようになったら、今度は真ん中に音を入れていきます。

アルペジオでは、1と5の指の間で2・3・4の指が1本、もしくは2本以上入ります。

真ん中に音を入れて、なめらかに弾けるように練習してみます。

♪動画⑤ 2の指を軸にする場合/4の指を軸にする場合(題材の曲)

☆補足…動画内にもありますが、「5−4−1」でアルペジオを弾く場合、手の形や指の長さによっては「4−1」がキツイことがあります。

その場合、音を離してもかまいませんが、音の響きや繋がりをイメージしながら切りましょう。

同じ場所でいつも音ミスしてしまう場合…原因の箇所を見抜き、細分化して練習する

アルペジオでいつもミスする場合の原因のひとつとして、

特定の音程を、指で確実につかめていない

ということがあります。

そのため、いつもミスしてしまう場所や、音があやうい部分だけを取り出して重点的に練習します。

動画⑥ ミスしやすい箇所を細分化して練習する

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