見出し画像

セゾン投信 相談室のツブヤキ第18回【特定口座の積立はNISAに切り替えた方がいい?】

いつも相談室のツブヤキをお読みくださりありがとうございます。
セゾン顧客本位の相談室の増田です。

第13回のツブヤキで、「相談用のお部屋から運がよければ富士山が見える」と書いたところ、お客さまからこのネタでお声がけいただくことがありました。

そんな富士山ですが…先日、ようやく撮影に成功しました!
(撮影前日は非常に風が強かったので、雲がなくとてもきれいですね)

(相談用の部屋より 増田撮影)

さて、最近のご相談の中で何人かのお客さまから、こんなご意見をいただきました。

「個別元本が低い特定口座で積立を続けた方が、今からNISAで積立を始めるよりも利益が出るんじゃない?」

10年以上前から積立を続けているお客さまは、個別元本=平均の購入価格が低く、さらに当時は旧NISA制度も始まる前ですから、特定口座で取引されている方がほとんどです。
(中には一般口座で取引されている方もいらっしゃいますが、今回は課税口座はまとめて特定口座と表現します)

今からNISAで積立を始めると、特定口座とは別管理となりゼロからの積立スタートとなります。
セゾン・グローバルバランスファンドとセゾン資産形成の達人ファンドは、10年前と比べると基準価額が上がっていますから、特定口座よりも個別元本は高くなります。

確かに、10年以上前から積立続けてきたお客さまが、「個別元本の低い口座で積立を続けた方が利益が出そう」と思うお気持ちもわかります。

ですが、本当にこの考えが合っているのかどうか、今回のツブヤキでは、過去の実績を元に検証を行ってみたいと思います。


◆途中からNISAへ積立を切り替えても結果は同じ

結論からお伝えすると、途中からNISAへ切り替えて積立をしても、評価額(=お預かり残高)に違いは生まれません。
ただし、ファンド・金額・購入日・手数料が同じ場合にかぎります。
その理由をいくつかの角度から確認していきましょう。

まずは、評価額(=お預かりの投資信託を現在の価格で換算したもの)の計算方法です。

【評価額=基準価額×口数÷10,000】

このように、評価額は基準価額と口数をかけ算することで計算されます。
そのため、口数が入る口座が複数に分かれても、基準価額が同じならば、評価額は同じです。

◆実際に計算してみた

次に、セゾン・グローバルバランスファンドの基準価額を使って実際に計算してみましょう。
【前提条件】
毎月の積立額:10,000円
積立期間  :2007年5月~2024年2月
評価額計算日:2024年2月22日
       ※セゾン・グローバルバランスファンドの基準価額:23,983円
毎月19日(休日の場合は翌営業日)の翌々営業日の基準価額で毎月1万円ずつ購入。
計算過程において四捨五入を実施、また税金・手数料・費用等は考慮しておりません。

例① A口座 積立期間 2007.5~2024.2
例② A口座 積立期間 2007.5~2021.2
   B口座 積立期間 2021.3~2024.2
例③ A口座 積立期間 2007.5~2019.2
   B口座 積立期間 2019.3~2024.2

なお、例②③のA口座は、積立を止めた後も運用は続けています。

濃い青色がA口座の評価額、水色がB口座の評価額ですが…
A・B合わせたグラフの形はまったく同じですね。

先ほどもお伝えしたとおり、評価額=基準価額×口数÷10,000で計算されます。
つまり、「基準価額」と「口数」の2つのエンジンによって皆さまの評価額は上下するのです。
「基準価額」というエンジンは共通ですから、「口数を増やす」エンジンをA口座につけるか、B口座につけるかの違いなだけ。

例③では前半の約12年をA口座で、後半の5年をB口座で積立ています。
A口座の積立を止めたところから、A口座の評価額の増え方が例①②と比べると緩やかになり、その分B口座が増えていることがわかりますね。(下記図)

◆個別元本が低い口座で積立を続けた方がいい…?

2つの口座に分けて積立をしても、評価額に違いはないことをお伝えしてきましたが、もともとのお客さまの疑問は「個別元本が低い口座で積立を続けた方が利益が出やすい?」でした。

では次に、個別元本を比較してみましょう。

2024年2月22日時点の例①~③の評価額や個別元本などを表にまとめました。
先ほどのグラフを数値化したものですから、A・Bの2つに分けて積立をしても、評価額と利益は同じです。
(計算の過程で四捨五入しているため、例③は端数が合いません)

個別元本に注目してみると、A口座での積立期間が長いほど、個別元本が高いことがわかります。
セゾン・グローバルバランスファンドは、長期視点で基準価額の動きをみると、2012年から上昇しており、個別元本も同じタイミングで上昇を始めています。

ここから言えることは、個別元本よりも高い基準価額で積立を続けると、個別元本は上がるということです。
水の入ったコップにお湯を注げば、コップの水温が上がるのと同じことです。

逆に、積立を止めた後は個別元本は変わりません。

このように、個別元本が低い口座で積立を続けることは、結果的に個別元本を上げることにつながりますし、口座を分けても分けなくても利益は同じであることがお分かりいただけたと思います。

先ほどの例でA口座を特定口座、B口座をNISA口座と読み替えてみると、
特定口座は利益部分に対して20.315%の税金を納めることから、特定口座で長く積立を続けている例①の受取額が一番少なくなります。

今後も基準価額が上がり利益が大きくなれば、その分税額も増えます。
積立をする口座を途中から変えても、長期投資の効果は変わりませんので、早めにNISAへ切り替えて非課税の効果を享受したいですね。
※売却するタイミングによって非課税効果を享受できないこともあります。

◆LSEG リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2024 最優秀ファンド賞

3/21に発表となりましたが、
セゾン資産形成の達人ファンドが「LSEGリッパー・ファンド・アワード・ジャパン2024」最優秀ファンド賞を10年連続で受賞いたしました。

https://www.saison-am.co.jp/news/pdf/newsrelease20240321.pdf

投資信託の運用会社として、そして長期投資をお客さまへお伝えしている立場として、10年連続で最優秀ファンド賞をいただけたことは、本当に嬉しいです。

来年もそして再来年も同じご報告ができるようセゾン投信社員一同、邁進して参ります。
引き続き、よろしくお願いいたします。

授賞式の会場より セゾン投信社員撮影

セゾン顧客本位の相談室
増田 裕美

セゾン投信公式noteに過去のアーカイブが掲載されています。ぜひそちらもご覧ください。

【ご留意事項】
当資料は情報提供を目的としてセゾン投信株式会社によって作成された資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。投資信託は値動きのある有価証券等に投資しますので基準価額は変動します。その結果、購入時の価額を下回ることもあります。また、投資信託は銘柄ごとに設定された信託報酬等の費用がかかります。各投資信託のリスク、費用については投資信託説明書(交付目論見書)に詳しく記載されております。お申込にあたっては販売会社からお渡しする投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。

投資信託に関するリスク等やNISAについてのご留意事項


【セゾン顧客本位の相談室について】
・当サービスは、具体的な商品の提案はいたしません。
・今後のサービス改善のため、録音をさせていただきます。予めご了承ください。
・税務など専門の知識を要するご相談は、お客さまご自身で外部の専門機関にお問い合わせをお願いする場合があります。予めご了承ください。
・当サービスは特定のファンド取得の勧誘を目的としたものではなく、あくまで情報提供を目的としたものです。

商号:セゾン投信株式会社(設定・運用・販売を行います)
金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第349号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会