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「ブラッシングなんてうんざり!」ブラッシングが嫌いなうさぎさんへ

本日はうさぎのブラッシングについてのお話です。うさぎを飼われているかたはご存知かと思いますが、じつは、かれらの毛はとても細かいのです。犬や猫に比べてかなりやわらかい。

ですので、換毛期は大変です。毛が細く、質量がないため、うさぎの抜け毛はすぐに舞います。それだけではありません。抜けきれなかった毛を放置しておくと、やがて毛玉ができ、うさぎの皮膚に炎症を起こしてしまう可能性が出てきます。

そこで大切になってくるのがブラッシングです。


うさぎにブラッシングは必要?

結論からいってペットとして飼育しているすべてのうさぎにはブラッシングが必要です。冒頭でも述べたとおり、うさぎには換毛期があります。また、日ごろからブラッシングをすることで以下の効果が得られます。

・毛を清潔に保つ
・皮ふの病気を予防
・血液の循環を良くする(血行を良くする)
・スキンシップ、コミュニケーションをはかる
・うさぎが毛を呑みこんでしまうのを防ぐ

飼育下のうさぎたちは基本的にお風呂へはいることはありません。そのため、自分で毛を舐めたりして整えています。通常の時期なら、それほど大量の毛を呑んでしまうことはありませんが、換毛期になると毛の量は増加します。

うさぎが毛を呑みこんでしまうと、毛球症やそれによる消化管うっ滞などの病気に罹ってしまうことがあるので注意が必要です。

さらに、毛玉を放置してしまうと、皮膚病に発展してしまう可能性もあります。これらを予防するためにもブラッシングは重要といえるでしょう。

とくに、換毛期と呼ばれる"毛の生え変わる時期"にはブラッシングは欠かせません。普段より念入りにブラッシングをおこなってあげたいところです。

うさぎの換毛期はいつ?

うさぎの換毛期は大きくわけて年に2度。夏前と、冬前にあります。しかし、実際には3か月に1度は換毛しているといわれています。その中でとくに目立つのが夏前(春)と冬前(秋)というわけですね。

※ うさぎの換毛時期には個体差があります。

うさぎの換毛期に気をつけたいこと

これは、どの動物にも同じことがいえるのですが、換毛には相当のエネルギーが必要です。そのため、うさぎたちはいつもより牧草を食べる量が増えるといわれています。

そのほかの特徴として

✓運動量が減る
✓おとなしくなる

などがあげられます。

うさぎの換毛期に気をつけたいことは、なんといっても、毛を呑みこんでしまわないようにするということです。

大量に抜けた毛を呑みこんでしまうと、腸に毛が詰まり、毛球症をおこすことがあります。いち早く毛球症に気がつくためにも、日々のうんちの量をチェックしておおくと安心です。

《毛球症》
うさぎがグルーミングなどをおこなう際に呑みこんでしまった毛が、胃や腸といった消化器官で毛玉となって溜まってしまう状態をいいます。

うさぎは猫などの動物とちがって、みずから毛玉を吐きだすことはできません。また、毛球症はとくに小型のうさぎや長毛種などに多くみられます

毛球症の主な症状としては

✓食欲の低下
✓食べものの好みが変化する
✓普段に比べてうんちが小さい
✓排便量の減少
✓うんちに毛が絡まっている

といったものがあります。

すこしでも気になる点があれば、かかりつけの獣医師に相談しておくと安心です。また、1日の排便がまったくない場合はすぐに動物病院へ連れていってあげてください。

「ブラッシングなんてうんざり!」という、うさぎさんへ

ライオンヘッド、アンゴラ、アメリカンファジーロップ、ジャージーウーリーなど長毛種のうさぎにブラッシングが欠かせないことはもちろん。

ネザーランドドワーフ、ホーランドロップ、ロップイヤー、ミニウサギといった短毛種のうさぎたちにもブラッシング(とくに換毛期)は必要です。

しかし、うさぎたちの中にはブラッシングが苦手という子もいます。と、いうよりブラッシングが苦手という子のほうが多いかと思います。

では、どうしたら、うさぎにストレスを与えずにブラッシングをすることができるのでしょうか?

適切なブラッシング方法

まずはうさぎの基本的なブラッシング方法からお伝えしていきます。

1 飼い主さんの膝の上など、安心できる場所にうさぎを抱っこ(固定)します。基本的に高い場所はNG。うさぎはジャンプが得意な動物です。万が一、高い場所からジャンプをしたら怪我をしてしまう恐れがあります。

2 うさぎが落ち着いているかどうか確認しつつ、毛の流れにそってブラシをあてます。事前にブラシに慣れさせるために、ブラシを手に持ち、じつは手で撫でているだけといった状態からブラッシングをはじめるものいいかもしれません。

また、いきなり全身をブラッシングするのではなく、部分的にブラシをかけてあげると良いでしょう。ブラッシングの範囲を少しずつ広げていくことで、うさぎの警戒心やストレスを減らすことが期待できます。

3 これら(2)のブラッシングを定期的におこない、ブラッシングの習慣をつけてあげると、いざ換毛期がやってきても困ることなく、ブラッシングをおこなうことができます。なにごとも「慣れ」が大切なのですね。

4 うさぎの手足や、顔まわりなどはコームを使ってブラッシングをおこないます。その際はやさしく、丁寧に、毛を整えてあげるといったイメージでブラシをかけてあげるとよいでしょう。

ちょっとひと工夫したブラッシング方法

前述しましたブラッシング方法でうさぎが嫌がる(暴れる)という場合は、無理にブラッシングをせずに抜け毛が目立つところだけにブラシをあててあげるのもひとつの手です。1日ですべて完結させるのではなく、数日にわけてブラッシングをおこなってあげるといいかもしれません。

また、普段うさぎさんが暮らしている部屋と異なる場所でブラッシングをおこなうのもひとつの手段です。うさぎは縄張り意識の高い動物です。そのため、かれらは普段過ごしている部屋を自分の縄張りだと思っていることが多いです。

そこで、生活範囲外にうさぎを連れだしてみます。すると、おとなしくしてくれることがあります。うさぎがおとなしくしているあいだにブラッシングを済ませるという方法ですね。

それでも暴れてしまう子は、うさぎを扱っている専門店やトリマーさんに相談することをおすすめします。うさぎの爪切りをしてくれるトリマーさんは案外に多いですが、うさぎのブラッシングをおこなってくれるお店は少ない印象を受けます。その場合は動物病院に相談してみるのもよいでしょう。

動物病院の獣医さんや看護師さんは「保定」といって、診察や治療をおこなう際に、動物たちが動かないようおさえることに慣れています。保定はうさぎを含めた動物たちが診察台から落下したり、暴れて怪我をしてしまうのを防ぐ目的があります。


また、うさぎ専門のサロンさんでは、自宅ではなかなかむずかしくて出来ないうさぎのお腹や足裏のブラッシング、ケアをおこなってくれます。

この動画にもあるようにうさぎ専門のサロンでは、プロによる、うさぎになるべく負担のかからない方法でブラッシングやそのほかのケアをおこなってくれます。自宅の近くにうさぎのブラッシングをおこなってくれるお店があるかどうか確認しておくと、いざというとき安心ですね。

短毛のうさぎさんでも、これほどのボリュームの毛が抜けるなんて・・・驚愕です。

うさぎのブラッシングにおすすめ【必須アイテム】

「ブラッシングなんて、だいきらい」という、うさぎさんにおすすめのブラッシングアイテムをご紹介します。

基本的にうさぎのブラッシングにはスリッカーブラスをおすすめしていますが、うさぎさんによっては「スリッカーブラシなんて見たくもない!」という子もいるでしょう。

そこで

今回は、スリッカーブラシのほかに、ブラッシングアイテムとして良さそうなものをいくつかピックアップしてみました(実際にうさぎを飼われているかた、動物病院のかたの意見を考慮して)。

ブラッシングアイテムその1【コーム】

コームを使用するメリットとして、顔まわりや、足先といた細かい箇所の毛までしっかり絡め取ることができることがあげられます。その一方で、意外と多いのが皮膚を傷つけてしまうという事例です。

うさぎのブラッシング時は、力をいれず、やさしく丁寧に、を心がけコームの先端をうさぎの皮ふに押しつけないよう注意してあげてくださいね。

ちなみにこちら(↑)のコームはトリマーさんがよく使われている種類のコームとほとんど同じ作りをしています。目の粗い部分と、細かい部分にわかれているのでブラッシング箇所にとって使いわけることが可能です。

ブラッシングアイテムその2【グルーミング手袋】

「ブラシなんて、どれもこれも、だいっきらい」という、うさぎさんのためにグルーミング専用の手袋をご紹介します。

グルーミング用手袋のメリットはいくつかあります。

・うさぎの皮ふを傷つけにくい
・ブラッシングを嫌がる子に慣れてもらうためのアイテムとして支持されている
・コミュニケーションを取りながら、お手入れが可能

反対にデメリットとしては、やはり毛の深部(奥)まで届かないところでしょうか。そのため、すべての抜け毛をケアするというのはむずかしいかもしれません。

ただ、ブラッシング自体に慣れてもらうためのアイテムとしては、とてもおすすめです。

飼い主さんも暖かそうでいいですね。


うさぎさんと交渉してみましょう

いかがでしたでしょうか。

今回は「うさぎのブラッシングについて」という情報系記事を至極真面目に書きつらねてみました。

訊いてみると、たしかにブラッシングが苦手なうさぎさんは多いようです。しかし、慣れてくると逆にリラックスしてくれる子もわりと多いのだとか。

(ちなみに猫目がずっと前に飼っていたネザーランドさんも、特別ブラシが好き、というわけではありませんでした)

ブラッシングのあとに必ずご褒美として"おやつ"をあげたり、うさぎさんにとっての「うれしい!」を増やしていくといった工夫を凝らし、ブラッシングを習慣化しいけたら理想ですね。

ある飼育員のかたは(ふれあい動物コーナー/小動物担当)うさぎのブラッシングをおこなう前に、うさぎにブラシの実物を見せたりして「これはブラシっていって……(中略)……キャベツあげるからね」など声をかけてからブラッシングをおこなうとおっしゃっていました。

どうでしょう?

まずは、うさぎさんとブラッシングについて交渉をしてみるのもありかもしれません。あなたと、あなたのうさぎさんにとってブラッシングが快適な時間となりますように。本記事が少しでもあなたのお役に立てましたら幸いです。

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