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ボトムアップでビジョン・ミッションを創る難しさとパワフルさ!~ハースト婦人画報社さまの策定プロセスからの学び

先日、登壇させていただいた、「サイボウズ×フューチャーセッションズ 変革期を乗り越えて成長する組織 未来へ向けたミッション・ビジョン・バリューの活かし方とは?」<https://bit.ly/2nmg9p3>。

ハースト婦人画報社 池原さんから、ハーストさんがボトムアップ型で行ったミッション・ビジョン・バリュー策定プロセスについて、詳しくお話を伺う機会に恵まれました。< https://www.hearst.co.jp/aboutus>

ハーストさんは、1905年に国木田独歩によって創刊された『婦人画報』や、1945年にフランスで創刊された『エル』といった媒体をお持ちの会社です。各雑誌の個性が強い中で、全社として明文化されたミッションやビジョンがなかったことから、フューチャーセッションズさんがサポートされて「ビジョン共創プロジェクト」が始動したとのことです。

その様子が、下記に動画でアップされています(3分弱の動画です。とっても素敵!)。
<https://bit.ly/2nI6KYX>

社員巻き込みのワークショップや、全社員に対するアンケート、マネジメントとのディスカッション等々、何度も何度も対話の機会を創られたそうです。

▽▽▽

池原さんのお話しを伺っていて印象的だったのが、

ミッション・ビジョン・バリューの策定プロセスを通じて、

・社員の会社に対する高いエンゲージメントやコミットメントがあること
・社員の中でも、ミッション・ビジョン・バリューが必要との意見が強かったこと
(プロジェクト開始時に確認のアンケートを実施)
・社員の中で、当社の強みや使命に対する共通認識があったこと

が明らかになったということです。
プロジェクト開始当初は、雑誌ごとのカルチャーが強い組織の中で、全社員共通の価値観が本当に持てるのか?と心配されたそうですが(プロジェクトが進む中でも!)、深い所にある共通の価値観に行きついたというのは、面白いなと思いました。

あまたある会社の中で、縁あってその会社に属しているということは、明示的であれ暗黙であれ、やはり何かしら会社の中に共感できる価値観があるからこそ、人は集い、仕事を共にするのだと思います。

企業理念というと、創業者、もしくはマネジメント陣が、トップダウン型で作成することが多いかも知れません。

でも、策定のプロセスにおいて、社員をしっかりと巻き込むことで、より納得感のある、自分自身がハラオチした、ミッション・ビジョンが生まれてくるのだと思います。
例え、自分のアイディアが採用されなかったとしても、策定プロセスの中で自分の意見を表明する機会がある!ということはとても大事なポイントです(説明責任とセットの部分もありますが)。

個人的には、ボトムアップ型の策定プロセスと、最終的には責任・権限を持っているマネジメント陣の意思決定プロセスをうまく組み合わせることが、時間が限られている中の検討においては、重要ではないかと感じています(ボトムアップ型の意思決定に傾き過ぎると時間がかかり過ぎるし、かといってトップダウンが強くなりすぎるとハラオチ感が苦笑)。

▽▽▽

そして、今後の浸透という面では、

・社長メッセージとしての発信
・関連グッズの制作
・コーポレートサイトの制作
・ペライチ制作
・新入社員オリエンテーションでの発信
・部署目標策定
・人事評価に反映
・採用面接
・社内イベント・ディスカッションのテーマに採用

という形で、タッチングポイントを増やしているとのことです。

ミッション・ビジョン・バリューは、創ってからが勝負!
忙しい現場社員のみなさんに浸透させていくためには、手を変え品を替え、繰り返し接点を増やしていく必要性があるのだと思います。

組織変革を研究しているコッター教授も、こうしたメッセージは、話していることの10分の1くらいしか現場に届かないと述べています。
(ということは、今の10倍の量を発信して、ようやく1回届くということ!)

▽▽▽

ミッション・ビジョン・バリューの策定・浸透について、とても具体的例を伴いながら、理解を深めることができました。

池原さん、貴重なお話をありがとうございました!!

【参考:ハーストさんのミッション・ビジョン・バリュー】

〇Mission

感動を編集し時代を創る
~編集とは、確かな目で価値を生み、届けること~

〇Vision
時空を超えて、最上のメディア・カンパニーへ

〇Our Five Values

・Be Special
一人ひとりが、魅力あるスペシャリスト

・Be Fast
一人ひとりが、迅速なアクションテイカー

・Be Bold
一人ひとりが、冒険心あふれるチャレンジャー

・Be Proactive
一人ひとりが、視野の広いサポーター

・Be Passonate
一人ひとりが、熱いストーリーテラー

そして集合知で価値を生む。それがONE HERST

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