詩 ・ my name is


土から生えてきたみたいに
そこにいた
気がついたらね
おもいだせるものはなにも
なくて 実がしぼんじゃった
くるみみたいに頭がカラカラ鳴った
記憶もないのに
ことばだけはあった すべてを失っても
ことばだけ忘れないのは
なんでだろう
はじめにことばありき っていうの
「はじめにことばありき!」って
いいたいためにちがいない
ぼくの名前は

なんていってみても
出てこない  my name is
っていってみたら つづきが出るっておもってた
アキラ フレデリック ジゼル
名前はたくさんしってるのに
ぼくの名前はどれなのか
海辺のガラスビンみたいに
ピカッと光って
教えてくれたっていいのに
二つだけわかってた
ことがあって それは
じぶんは救世主だった
もう一つわかってるとしたら
すべてはどうでもいいということ
救世主なのにすべてが
どうでもいいだなんてヘンかな
ヘンな話だね そのとき

「時間だ」
という声がした




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サイトウリン

詩人・斉藤倫のこと 詩集に『手をふる 手をふる』(あざみ書房)など 物語に『どろぼうのどろぼん』(福音館) などがあります 近刊に『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』(福音館) 『はるとあき』(うきまるさんとの共作 小学館)

『ゆびぱち』までのポエトリソン

『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまでの詩集』(福音館)の発売に先立ちまして、3月10日から4月9日までの一ヶ月、一日一篇、詩を書く超・個人的キャンペーンです 合計31篇の未発表詩になる予定です
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