詩 ・ あの感じ


ろうそくが
感情のないひと吹きに
またたくときの
あの感じ
ふろあがりの幹に
水滴がしなだれかかるときの
あの感じ
大好きな音楽が
あぶらとりがみ
みたいにはりつく
あの感じ
海に直接降る雨が
ほんのひとにぎりの夢さえ
台なしにしてしまうときの
あの感じ

たったひとつの物音が
神経をよごして
舞い散る
あの感じ

どっちを向いても
思い出しかなかった
閉じこめられて 叫びが
どこにも
とどかないのだ
殺してほしくって
それだけを願うのに
みんなこっちを見て
笑ってるだけだって

気づくときの
あの感じ




この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

感謝です! ふしぎなご縁ですね
5

サイトウリン

詩人・斉藤倫のこと 詩集に『手をふる 手をふる』(あざみ書房)など 物語に『どろぼうのどろぼん』(福音館) などがあります 近刊に『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』(福音館) 『はるとあき』(うきまるさんとの共作 小学館)

『ゆびぱち』までのポエトリソン

『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまでの詩集』(福音館)の発売に先立ちまして、3月10日から4月9日までの一ヶ月、一日一篇、詩を書く超・個人的キャンペーンです 合計31篇の未発表詩になる予定です
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。