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【偶然と必然と好き嫌いの関係】

人間には趣味趣向
というものが存在します。

痩せ型の人が好みの人もいれば、
ぼっちゃり型が好みの人もいる。

けして美男美女だけが
選ばれるのではないのが、
人間社会の面白いところ!


これをダイバーシティ(多様性)
なんて表現したりしますが、
音楽なんてまさにこれ!

人によって好きな音楽は
全く違うし、自分の好みの
音楽をいくらでも無料で
掘れるようになった
ネット社会の現代では、
昔よりもさらにこの多様性が
個人に開かれています!


なので、基本的に
趣味趣向というのは
個人で自由に選択した方が、
ダイバーシティが生まれて
より多様な音楽性が
花開くので素晴らしいこと!

なのですが。

いい面があれば、
その反対側も同時に
生まれるのがこの世の常。


好みが生まれるということは、
逆に言うと
好きじゃないものも生まれる。
ということ。

いわゆる白人の音楽
が好みになると、
無意識に黒人の音楽が
苦手になったり。

流行りのポップミュージック
が好きな人は
民族音楽や現代音楽など
マニアックな音楽には
まったく興味がわかなかったり。


良い悪いではなく、
無意識に自分の好み
という枠を作り、
それ以外は嫌い、
もしくは敵!

と見なすようになるのは、
どうやら人間のもつ本能らしいです。

戦争の歴史とか
調べればこれは一目瞭然。

アイデンティティークライシスが
起こってしまうくらい、
好みの問題というのは根が深い!


また、好き嫌いの問題が
ある一定レベルの
大きさで人を
巻き込むようになると
今度はその枠を壊そうする
人が現れます!

近年もジャズとそれ以外
を融合させようとした
「フュージョンブーム」や
ヒップホップとロックを
融合させようとした
「ミクスチャーブーム」などが
定期的に起こっています。


常に
スクラップ&ビルド
を繰り返しながら
だんだん成長していくのが
文化というもの。

それ自体はもちろん
素晴らしいのですが、

音楽をやる人間として
一つ気づいておいた方が
たぶん人生が楽になる
事実があります。

その事実とは、

【好き嫌いは偶然性!
 得意・不得意は必然性!】


例えば、
僕はチャゲ&飛鳥が原体験で
音楽にのめり込んでいます。

ここから音楽が好きに
なっているのですが、
もし100年前に生まれていたら、
間違いなくこれはなかったでしょう。
(当たり前 笑)


逆に20年後に生まれていたら、
まだ分別のつかない若い時期に
麻薬事件のニュースが
目に飛び込んできて
それこそ嫌いになっていた
可能性も高いです。

スーパースターだった
マイケルジャクソンが
全盛期とそれ以降に生まれた子で
全く評価が変わってしまうように…。


つまり何が言いたいのかというと!

【好みなんて
 時代性やタイミングで
 いくらでも変わってしまう
 偶然性の産物なんだ!】

ということ。

人によっては
背中に電気が走って
開眼してしまうような
強烈な魅力が音楽の原体験
にはあったりします。

が!

それも全て偶然性の産物なのです。


一番危ないのは、
偶然にも強烈な刺激を受けて
大好きになった音楽に

【自分自身を
 同一化して固執すること!】

その体験自体は
素晴らしいことですが、
所詮偶然なので、
そんなに依存しないことです。

「彼女がいないと
 俺はダメなんだ!」
と、どんどん
ダメ男になっていく
依存心理と同じです。(笑)


ではどうやって
音楽と適切な距離を
取っていけば良いのか!?

その答えが

【得意・不得意は必然性!】
という原理原則です。

人間は生まれた時にある程度、
得意な能力と不得意な能力を
振り分けられているようなのです。


例えば僕の例だと。

今ではギター、ベース、
ピアノ、ドラム、歌etc…
と様々な楽器を
一定レベルでアドリブ演奏できる
マルチプレイヤーになりました。

が!

こんなもの最初は
全然目指してませんでした。(笑)

楽器始めた最初期は
コルトレーンに憧れていたので
サックスプレイヤーに
なりたかった!


でも、当時
学生でお金がなかったので、
テナーサックスは
高くてとても手が出せなかった…。

そこで、中古で確か
3万円だったと思いますが、
先輩にギターを譲ってもらって
音楽を始めたのです!

そしてこれこそ偶然にも、
楽器を始めた当初から
アドリブセッション漬けの
毎日がスタート!


そしてセッションを
していると必ず
パートの偏り
というのが出てきます。

今日はドラムがいないけど、
ギターが10人いる…。(苦笑)

みたいなことがよく起こるわけです。

そこで、必要性に刈られて
空いているパートを
演奏するようになります。

その結果、
マルチプレイヤーになりました!


気づいた時には

【ジャムセッションを
 日本の文化に!】

とか言い出し始め、
講座で教える立場になり、
今に至ります。

さて、話をもとに戻しますね。
ここまでで一番
言いたかったことはこれです。

【別にやりたくなかったことでも
 支持者が多かったので
 自分の得意なことだと気づいた!】


ジョンコルトレーンみたいな
硬派なサックスプレイヤーに
なりたかったのに、
気づいたら
オールジャンルでマルチな
全く節操のない
プレイヤーになっていました!(笑)

でもこれこそがまさに

【好き嫌いは偶然性!
 得意・不得意は必然性!】

のわかりやすい例。


好き嫌いだけで言ったら、
硬派なプレイヤーが好きなのに、
残念ながら僕の
生まれ持った才能は
その方向性では開花しない
ようにできていたようです。

逆に、
アドリブでいろいろな楽器を操り、
セッションで人を繋いでいく
ような仕事に僕の生まれ持った能力
はよりマッチするようです。


結局、自分の好みという
偶然性よりも
お客さんがそれを求めるという
客観的な必然性の方が
勝ってしまうのです!


また、素直にそれを受け入れたら
幸せになれたのも事実です。


長くなりましたので
まとめます!

好き嫌いは
音楽のダイバーシティ(多様性)
を生みだすためにもちろん重要!

でも、
それもただの偶然なので、
固執しないこと。

それよりも
目の前の人が喜んでくれる
あなたの生まれ持った
才能が生きる【必然性】
を大事にしよう!

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