「悲哀歌」 第9詩

悲哀歌」 第9詩
 詩・益山弘太郎 / 写真・齋藤陽道


おはよう  

じゃあ行って来るね   

そう言って君は出て行った   

あの朝   

道端の花があんなに   

輝いていたのは何故か   

雑草を踏みしめると   

足が痛かったのは何故か   

あれから   

君は帰って来ない          

いま君は   

大好きだった丘の上の   

木陰に休む   

君の後ろを船が通る   

白い船が通り過ぎる   

そうさ   

丘の向こうは   

広い海原だったのさ   

君の心のように   

広い広い海原だったのさ          

君はもう乗っている   

あの白い船に乗っている   

あの日通り過ぎて行った   

船に乗っている          

私達は君との記憶を   

消そうとした   

しかし   

今日も昨日も明日もだろう   

夕闇が

迫ると   

空に瞬く星の数々   

その輝きはまるで   

君の瞳のよう   

君の柔らかな頬のよう          

夜空よ   

その閑静な暗黒の中に   

シンフォニーを湛えるのなら   

聴かせて欲しい   

生命の声を   

伝えて欲しい   

神の御心を          

私達の記憶は   

宇宙を漂い続ける   

共に在りとても   

共に生き   

共に無くとても   

共に生くる   

ああ 君よ   

我等が子よ




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詩人・益山弘太郎さんのなれそめについて

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おでんのあの卵は、数百年前のあの子が食べたのさ。
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齋藤陽道

「永遠の世界とともに」

詩人、益山弘太郎さんが、ぼくの写真集『感動』を見て詩を書いてくれています。益山さんは、『幻聴妄想かるた』で有名な、就労継続支援B型事業所「ハーモニー」に通っています。 幻聴や妄想と詩の違いがぼくにはわかりません。
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