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執筆講座用のメモ書き

★「(ぼくが)わくわくする企画の作り方」

・好きなものをパクろう!!!

Twitterを見ていたら、元ネタは星新一さんのショートショートにあった、とか。この作品は別の作品そのままなのでパクリであるとか。

『やっと浮かんだ神アイデアは既に他の人がやっていたので使えない』
とか。

そういうのは一旦無視して、とりあえず『パクリでもいいから、大好きなもの、浮かんだ神アイデアを描いてしまう』

それが企画だと思うわけです。

・もちろん叩かれる!!

それはもう、鬼の首をとったようにめちゃめちゃ言われます。この作品はあの作品のパクリですね、全く同じ展開だダセエ、オリジナルアイデアが出ない作家wwwなどなど。それはもう叩く人は、自分の存在と誇りと人生を賭けて、とにかくあらゆる言葉、語彙、方法で叩いてきます。

「ほらほら、これ、あれのパクリだぜ!! なあなあみんな、パクリだぜー! な、パクリだろ!!」

こう言って「ほんとだね」「すごいね」「びっくりだね」と同意が欲しいから、それはもうどんどん目に見えるところで言います。作者に言います。作者のファンにも言いますし、なんなら全く関係ない人にも言います。言いたくて言いたくて仕方ないんです。だって、パクリを見つけてしまったから。正義感もありますし、怒りもあるでしょう。もしかしたら悪を見つけた喜びなのかもしれません。そう、つまり彼らはヒーロー、英雄志望なのです。
(だから金髪で青い目で後ろ髪をまとめていたらみんなセイバーのパクリと言うんです)

・どうするの?

「叩きもエンターテイメント」です!

貴方は誰かを騒がせた。その人は誰かに言ったり、納得されたり、自分の言葉が広がったりする。すると、とても嬉しいのです。そう、人を喜ばせるものを作る。それがエンターテイメント!!
貴方は見事、自分の作品そのものに一ミリも興味を持っていない人すらも楽しませることができたのです!! やったね! 企画は大成功です!!

・さておきまして。

と、いうわけでようやく本題に入りますが、パクリと言うからイメージが悪いだけです。

たとえば一時期、僕の友達のシナリオライターみんなが言われたのは「魔法少女まどか☆マギカみたいな作品を作ってください」というものでした。これは時代を経て「ソードアート・オンラインみたいなの作って」とか「君の名は作って」とか。ソーシャルゲームだと「FGOみたいなの作って」なんて言われます。偉い人たちというのはそういうことを言う生き物なので、こればっかりはどうしようもありません。ゼッタイ言うし、言われるんです。そういう「クリエイターに言わないといけないと教える神様」がいて、偉い人たちは知らず知らずのうちに「その神の思し召しのままに(エイメン)」という宗教に入っているのです。だから確実に言います。
「○○みたいなの作ってくださいよ」
そう、つまり「パクれ」と言われるんです。
だから仕方ない。

神の言葉の代弁者なのだから、もう、仕方ないのです。
つまり「パクれ」ではなく「アーメン」です。
神様に言われちゃうんだから仕方ないなー!
クリエイターの皆さんはそう開き直りましょう。

・パクリではなくアレンジだよ

たとえば僕はサイトウケンジというクリエイターですが、そんな僕が「まどか☆マギカ」を作ったらどうなるのか?
(※ここからふわっとまどか☆マギカのネタバレっぽいものも含みます)

五人くらいの魔法少女がいて、全12話で。なんか重い設定背負っていて。
おそらく、間違いなく、人が死にません。

以下が「サイトウケンジ版まどか☆マギカ」です。
基本設定と魔術、お話の流れはなるべく沿うものとしてください。

・まどかちゃん ラッキースケベ担当。女子だけど美味しい目に遭う。
・ほむらちゃん クール担当。ちょくちょくまどかちゃんと(体が)絡む。
・マミさん 死なない。お姉さんぶるタイプ。ちょろい。お風呂担当
・さやかちゃん かっこいい。揺るがない。誇り高き戦士。お風呂担当
・きょうこちゃん かっこいいだぜっ子。セクハラ担当。超強い。
・Qベエくん 何気に話がわかる。スケベに肯定的。最後に黒幕を裏切る

ほらまったく違うものになりそう!

自分でもビックリするくらいに、いわゆる「ちょっぴりエッチな魔法少女もの」で、ハード路線が好きな人には嫌われ、女性のファンもあんまりつかないという切ないものになりそうです。でもそれでいいんです。
だってサイトウケンジ版だから!

・いい(と思った)ものはどんどんパクろう!

人それぞれ、好きなものや、やりやすいこと、楽しいことや嬉しいことが違います。クリエイターもみんなそうです。だったら全部「自分だったらこうする」「自分ならこう描く」「むしろ自分の好きな展開とラストにしちゃおう」みたいなアレンジが絶対に入ります。

僕の好きな話に、糸井重里さんがMOTHERを作る時「スピルバーグがRPGを作ったら、きっとこう作る」という感じであの素朴で愛らしい主人公になったと語っていました。これはつまり「RPGのスピルバーグアレンジ」を脳内で作った感じです。それであんなに凄いのができるのだからやっぱり素敵ですね!

浮かんだアイデアを否定したり、どこかに似たものがあるからと削除するのではなく、むしろどんどん使っていきましょう。貴方がパクリになりそうで恐れている作品も、もともとは何かを参考にして作られているのです。

そもそも貴方の生き方や言動、存在すらも誰かを模している部分もあるでしょう。憧れの人みたいに喋ったり、好きなモデルみたいな服を着たり、知らず知らずのうちに両親に言い方や態度が似てきたり。

恐れず、まずは自分の好きなもので企画を作って、それを更に自分の好きな方向にアレンジして、最終的に自分が最高に楽しめる企画にする。

これが企画作りの秘訣のひとつだと思います。

※トップ画像は僕が好きな要素を詰め込みまくったライトノベルの表紙の一部です。

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